川崎重工業(7012) – 川重冷熱工業における不適切行為について

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開示日時:2022/06/07 14:30:00

損益

決算期 売上高 営業益 経常益 EPS
2018.03 157,424,200 5,592,600 5,003,900 173.09
2019.03 159,474,300 6,402,500 4,237,300 164.34
2020.03 164,133,500 6,206,400 4,909,200 111.72
2021.03 148,848,600 -530,500 -350,300 -115.73

※金額の単位は[万円]

株価

前日終値 50日平均 200日平均 実績PER 予想PER
2,351.0 2,085.9 2,375.575 31.14 12.13

※金額の単位は[円]

キャッシュフロー

決算期 フリーCF 営業CF
2018.03 -2,618,800 5,605,000
2019.03 2,692,600 10,976,200
2020.03 -8,740,800 -1,546,100
2021.03 -1,709,100 3,460,100

※金額の単位は[万円]

▼テキスト箇所の抽出

NO.2022029 各 位 2022 年 6 月 7 日 会 社 名 川崎重工業株式会社 代 表 者 名 代表取締役社長執行役員 橋本 康彦 コ ー ド 番 号 7012 東証プライム・名証プレミア 問合せ先責任者 執行役員 コーポレートコミュニケーション総括部長 鳥居 敬 【東京】TEL 03-3435-2130 【神戸】TEL 078-371-9531 川重冷熱工業における不適切行為について 昨年 8 月に完全子会社としました川重冷熱工業株式会社(以下、川重冷熱)において、主にビルなどの空調システム用として製造・販売した一部の吸収式冷凍機の、検査などに関する不適切行為が判明しましたので、その内容と今後の対応について下記のとおりご報告いたします。 今回の不適切行為は、川重冷熱への信頼を損なうもので、お客様をはじめ関係各位に多大なるご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。 なお本件は、吸収式冷凍機の安全性に影響するものではなく、また現在販売している機種の性能については、表示された性能に対して日本産業規格(以下、JIS 規格)※1 で定められた許容される差(以下、性能公差)の範囲内の性能を有していることを確認しております。 今後このような事象が発生しないよう、外部の弁護士で構成する特別調査委員会で徹底した原因究明を行い、是正措置を講じるとともに、川崎重工グループ全体で検査管理体制とコンプライアンスの一層の強化を本件に関する業績への影響につきましては、今後、お客さまへの対応や是正措置を実施する中で、影響が見図り、再発防止に努めてまいります。 込まれる場合には速やかに公表いたします。 ※1 吸収式冷凍機の JIS 規格(JIS B 8622:2016)で定める性能公差は、『冷房能力は表示した定格能力の 95%以上、定格運転時の COP は 95%以上でなければならない』とされている。また、吸収式冷凍機の使用頻度は、冷房能力 100%運転の期間は年間冷房運転時間の 1%、75%運転の期間は 47%、50%運転の期間は37%、25%運転の期間は 15%であることが前提とされている。(JIS B 8622:2016 付属書 C 期間成績係数の算出方法による) 1.現在販売している吸収式冷凍機の性能・品質について 川重冷熱の吸収式冷凍機は、同一の設計により繰り返し製造(量産)するため、性能は初回生産品(試作機または初号機)の性能試験※2で確認し、品質は各量産機で行う工場での出荷前試運転により検証することで、販売する全ての製品の性能、品質を担保することとしています。 記 1 初回生産品の性能試験は、JIS 規格で定められた冷凍能力(以下、冷房能力)※3 および成績係数(以下、COP)※4 を満たすことを、冷房能力 100%の試運転で確認する一方、各量産機で行う出荷前試運転では、動作確認・機器調整に必要となる冷房能力 90%程度での試運転を行っています。 その理由は、製造後に冷房能力 100%に到達するには 30~50 時間の慣らし運転が必要ですが、初回生産品の性能試験で所定性能は確認しているため、過去の実績データに基づき、冷房能力 90%程度の出荷前試運転で製品の性能、品質を担保できると判断しているためです。 ※2 吸収式冷凍機の特性上、製造後に必要となる 30~50 時間の慣らし運転後に、性能試験を実施する。慣らし運転により、高温部の防錆皮膜形成や、蒸発器や吸収器に採用している伝熱管の表面の親水性の確保が進むことで、冷房能力 100%に到達する。 ※3 冷凍能力(冷房能力):吸収式冷凍機に送られてきた冷水を所定の温度まで冷却する能力 ※4 成績係数(COP):吸収式冷凍機の効率を示す。冷房能力を加熱源消費熱量と消費電力の和で除した値。 2.不適切行為の概要 川重冷熱による社内調査の結果、以下の不適切行為が判明しています。 (1)出荷前試運転での行為 ➀検査成績書類への実測していないデータの記載 【期間】1984~2022 年 【件数】1,950 件 お客様から冷房能力 100%での出荷前試運転を求められた場合、「初回生産品の性能試験で冷房能力100%のデータを確認済みであること、また出荷前試運転は、品質を冷房能力 90%程度の試運転で確認し、改めて冷房能力 100%での試験は不要であること」をお客様に説明すべきところ、冷房能力 90%程度で試運転を行っているにもかかわらず、冷房能力 100%での試運転結果であるようにデータを作成して検査成績書類に記載していました。 ②立会検査時の計測器の不適切な操作 【期間】1984~2022 年 【件数】334 件/上記①1,950 件の内数 上記①の検査成績書類の提出に加え、お客様の立会で検査する場合、冷房能力 100%の運転を行っていないにもかかわらず、計測器を調整することで冷房能力 100%の運転を行っているように装い、お客様に事実とは異なる説明をしていました。 (2)カタログ・仕様書の不適切な記載 【期間】1986~2009 年 【対象機種】6 機種※5【現在の稼働台数】2,944 台 吸収式冷凍機の JIS 規格は 1986 年に制定され、その中で性能(冷房能力と COP)に関する基準が定められました。 当時販売していた一部の製品は、冷房能力および COP が JIS 規格の性能公差を満たしていませんでしたが、カタログおよび仕様書に JIS 規格に準拠する旨を記載して販売していました。なお、該当する機種の販売は 2009 年までに終了しています。 ※5 M 型、L 型(直火式)、L型(蒸気式)、2L 型(直火式)、2L 型(蒸気式)、Σ(シグマ)エース TA 型 3.経緯 2021 年 8 月末、川重冷熱において、お客様に提出した検査成績書類と社内試験結果が異なることにアフターサービス部門の担当者が気づいて上司に報告しました。(上記2(1)①を確認) これを受けて、川重冷熱は、検査成績書類提出状況(過去 5 年間、約 1,500 台)を調査し、上記2(1)②を確認するとともに、現在販売している機種の性能が、JIS 規格の性能公差内であることを検証しました。また、現在稼働中の機種(約 9,600 台)を調査し、お客様への個別説明を前提に、是正措置および説明対応方針の検討等を行いました。 2 2022 年3月、このような川重冷熱の社内調査の過程において、さらに上記2(2)が判明し、また川重冷熱において関連する不適切行為を概ね把握したとの判断がなされ、親会社である川崎重工の所掌事業部門(エネルギーソリューション&マリンカンパニー)に報告がありました。 以後、川崎重工より川重冷熱に詳細な追加調査を要求するとともに、状況を把握すべくヒアリング調査等を実施してきました。 4.特別調査委員会の設置 ①目的 ②メンバー 不適切行為の詳細な事実調査、原因究明、是正措置の妥当性と検証、再発防止への提言を行います。 委員長 弁護士 藤津 康彦(森・濱田松本法律事務所) 委 員 弁護士 関戸 麦(同上) 委 員 弁護士 李 政潤(同上) 5.今後の対応 不適切行為の対象となる製品を納入したお客様には、川重冷熱より内容を説明するとともに、個別に相談・協議して真摯に対応してまいります。 また、最終的には特別調査委員会の調査結果を受けて是正措置を実行しますが、現時点で一部の対応は実施済みであり、さらに先行して以下の施策を実施します。 ① 川重冷熱の対応 吸収式冷凍機の性能・品質の確認方法について、社内外へ周知します。 吸収式冷凍機の性能・品質を担保する方法は、原則として初回生産品の性能試験と各量産機の出荷前試運転の組み合わせによることを説明します。 検査成績書類には実測値のみを記載します。(是正済) 冷房能力の立会試験では実際の計測値を試験結果とします。(是正済) 社内コンプライアンス活動を強化します。 ② 川崎重工グループの対応 川崎重工グループの関係会社が、不適切行為をしていたことを重く受け止め、全社コンプライアンス委員会を中心に、グループ全体でコンプライアンス違反に関する再点検を実施してコンプライアンスの徹底を図ります。 【川重冷熱工業株式会社の概要】 本店(工場) 滋賀県草津市青地町 1000 番地 代表者 事業内容 空調用熱源、工場でのプロセス用熱源となる 吸収冷温水機・冷凍機と汎用ボイラの開発、代表取締役社長 森 宏之 (2022 年 6 月 7 日付 就任) 資本金 売上高 従業員数 参考 製造、販売、および 改修工事・メンテナンス 14 億 6,050 万円 186 億 6 百万円(2022 年3月期) 529 名(2022 年 3 月 31 日現在) 1990 年 日本証券業協会へ店頭登録 2004 年 株式会社ジャスダック証券取引所(現東京証券取引所 JASDAQ スタンダード)株式上場 2021 年 8 月 1 日 簡易株式交換により川崎重工による完全子会社化 以 上 3

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