サンゲツ(8130) – 統合報告書「SANGETSU REPORT 2021」

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開示日時:2022/06/07 00:30:00

損益

決算期 売上高 営業益 経常益 EPS
2018.03 15,639,000 503,600 517,100 68.85
2019.03 16,042,200 590,000 630,000 57.16
2020.03 16,126,500 927,200 952,700 23.52
2021.03 14,531,600 670,600 693,500 78.92

※金額の単位は[万円]

株価

前日終値 50日平均 200日平均 実績PER 予想PER
1,620.0 1,592.58 1,584.3 21.94 17.12

※金額の単位は[円]

キャッシュフロー

決算期 フリーCF 営業CF
2018.03 346,600 719,600
2019.03 877,300 1,037,000
2020.03 1,164,800 1,380,400
2021.03 503,700 969,400

※金額の単位は[万円]

▼テキスト箇所の抽出

SANGETSU Report 2021株式会社サンゲツ SANGETSUReport 2021サンゲツ 統合報告書〒451-8575名古屋市西区幅下一丁目4番1号TEL:052-564-3314www.sangetsu.co.jpSANGETSUReport 2021 サンゲツ統合報告書私たちは、新しい空間を創りだす人々にデザインするよろこびを提供します。自らの住まいで想いを叶えるよろこび。これまでにない商空間や施設を構想し、実現するよろこび。私たちが追い求めるべきデザインは、商品自体の美しさや機能といったモノのデザインはもちろん、その先にある空間と、そこでの人々の心や行動を考えるコトのデザインです。私たちは、モノ・空間・コトのデザインの視点から、インテリアのトータルデザインを含めたスペースクリエーション企業へと転換を進めていきます。MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数MSCI日本株女性活躍指数(WIN)S&P/JPXカーボンエフィシェント指数PRIDE指標2020シルバーGomezIRサイト総合ランキング銀賞健康経営優良法人2021(大規模法人部門)SANGETSU Report 2021 編集方針 「SANGETSU Report」は、サンゲツグループの企業価値や中長期的な成長性をステークホルダーの皆さまにご理解いただくため、2015年から毎年発行している統合報告書です。2021年版では、スペースクリエーション企業への転換に向けたさまざまな活動を紹介するとともに、社内外への取材を通じてステークホルダーの声を取り上げ、財務・非財務情報の充実に努めました。また、編集にあたっては、IIRC(国際統合報告評議会)が公表した「国際統合報告フレームワーク」を参照しています。本報告書によって、より多くの方々にご理解を深めていただければ幸いです。● 報告の対象範囲 株式会社サンゲツおよび連結子会社● 対象期間 2020年4月1日~2021年3月31日        *一部2021年4月以降の活動も含みます。● 発行月 2021年8月将来の見通しに関する注記事項 本報告書に記載されている、将来に関する記述を含む歴史的事実以外のすべての記述は、当社グループが現在入手している情報に基づく、現時点における予測、期待、想定、計画、認識、評価などを基礎として記載しています。また、予想数値を算定するためには、過去に確定し正確に認識された事実以外に、予想を行うために不可欠となる一定の前提(仮定)を用いています。01SANGETSU Report 2021未来永劫変わらないサンゲツの原点である「社是」に、「企業使命」「ブランド理念」を合わせ、サンゲツの「企業理念」とします。誠実を以って人々が望むことを実現するところに、商売の原点がある。誠実とは永遠に変わることのないサンゲツの原理原則である。インテリアを通じて社会に貢献し、豊かな生活文化の創造に寄与します。企 業 理 念社是誠 実企業使命ブランド理念私たちは、新しい空間を創りだす人々にデザインするよろこびを提供します。Sangetsu Group 長期ビジョン 【DESIGN 2030】サンゲツグループはスペースクリエーション企業へサンゲツグループが実現を目指す社会的価値サンゲツグループは、InclusiveSustainableEnjoyableインクルーシブみんなでサステイナブルいつまでもエンジョイアブル楽しさあふれる社会の実現に貢献します。I N D E Xサンゲツグループについて02企業理念04Top Message ートップメッセージ ー08成長の軌跡目指す方向性10価値創造プロセス12ビジネスモデルの転換 14Sangetsu Group 長期ビジョン【DESIGN 2030】16中期経営計画 【 D.C. 2022 】成長戦略18特集1 サービス機能の強化に向けたロジスティクス戦略202324事業戦略 ● インテリアセグメント     ● エクステリアセグメント     ● スペースクリエーションセグメントサスティナビリティに向けた取り組み34ESGマネジメント26     ● 海外セグメント28財務戦略30財務ハイライト32非財務ハイライト(単体)36人権/多様な働き方38公正な事業慣行/消費者課題40コミュニティへの参画42地球環境保全44特集2 環境負荷低減への取り組みガバナンス46役員紹介48コーポレートガバナンス体制52社外取締役メッセージ53コンプライアンス54リスクマネジメントデータセクション5610年間の連結財務サマリー58ESGデータ集(単体)59会社概要/株式情報0203SANGETSU Report 2021SANGETSU Report 2021Top Messageトップメッセージ2020年度の決算をどのように捉えていますか。場では、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナムの4ヵ国また、中期経営計画の初年度としての進捗はいかがに経営資源を集中させ、商品戦略と重点市場の特定を行い、でしょうか。収益力の強化に取り組んでいきます。 海外市場においては、これまで宿泊施設などのホスピタ 2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大リティマーケットを主要市場としていましたが、この市場きく、特に非住宅分野の飲食、宿泊、オフィスなどの改装市は新型コロナウイルス感染症の拡大前から徐々に低迷し始場が非常に厳しい環境となったことから、連結売上高・総利め、外出自粛等の影響により縮小はさらに明確となりまし益ともに11期ぶり(2009年度以来)の減少となりました。本た。このため、ニーズの高まる介護・医療といったヘルスケ来、市場環境が厳しいときこそ私たちの持つ優位性や事業ア市場や教育関連市場へと、ビジネスの重点を移していくの強みが活かされるべきところ、それが十分に発揮できなことも進めています。かった結果であると重く捉えています。 一方、中期経営計画につきましては、新たな物流拠点「関西ロジスティクスセンター」の新設・統合や、環境負荷低減新型コロナウイルス感染症の影響によって、ビジネに向けた「sangetsu 見本帳リサイクルセンター」の開設、国ススタイルは変化するのでしょうか。内最大手のビニル壁紙メーカーである株式会社ウェーブロックインテリアの株式取得(子会社化)のほか、建築家の隈  新型コロナウイルス感染症は、確かに市場に大きな影響研吾氏とのコラボレーションによる壁紙・床材コレクションを与え、社会の仕組みや人々の生活スタイル、価値観の変化「KAGETOHIKARI(カゲトヒカリ)」を発売するなど、従来かを加速させました。しかしながら、私たちが「成長に向け行ら進めてきた攻めの施策を着実に実行してきました。うべきこと」という意味合いでは、その方針が大きく変わる その一方、事業のベースとも言える日々の業務の見直しとは考えていません。や改善は、まだ不十分であると感じています。攻めの手を活 ただその一方、「デジタル」のビジネスにおける重要性の高かすためには、事業基盤そのものの強化が必須です。今後もまりは強く意識しています。例えばリアルの見本帳に替わる引き続き、前例に捉われることなく現場の改善力を高めてものとしてデジタル見本帳が挙げられます。すでにアメリカいくことが、業績回復に向けた課題であると考えています。のデザイナーや設計関係者の中には、「インスピレーションはデジタル、最終決定はリアル」という認識が広がってきています。デジタル見本帳によってユーザーの利便性が向上す海外事業は厳しい状況にありますが、戦略の見直しる一方、何十万冊もの見本帳を配付し、1万2,000点の商品ををどのように進めていきますか。扱ってきた当社としては、規模の強みが発揮しにくくなるという見方もあります。しかし、私たちのビジネスはデジタル サンゲツグループは、事業活動エリアを環太平洋地域とだけで成立するものではありません。一部の見本帳がデジタ定め、北米、中国・香港、東南アジアの3つの市場で海外事業ルになっても、最終的な商品選定はリアルで色や質感を確かを展開しています。めることが不可欠です。また、壁紙や床材は現場への配送や 北米市場を担うKorosealホールディングスでは、まずは施工が必須であり、そうしたリアルの強みは変わりません。損益分岐点を下げるためのコストの見直しと営業体制の強デジタルを活用しながら、リアルの徹底的な強化を図ること化を進めています。中国市場では、Goodrich Global香港のがとても重要になってくると考えています。株式を、Goodrichホールディングスよりサンゲツへ譲渡し、サンゲツが直接運営する体制を構築中です。シンガポールのGoodrichホールディングスが統括する東南アジア市持続的な企業価値向上を目指し、新たなビジネスモデルを「デザイン」する代表取締役 社長執行役員0405SANGETSU Report 2021SANGETSU Report 2021Top Messageトップメッセージ2030年、スペースクリエーション企業に向けて“デザインするよろこび”をすべてのステークホルダーに社長に就任してからの7年を振り返って、どのようにいう企画・立案からスタートし、一つひとつの商材、空間の見本帳の回収・リサイクル。3つ目は実際に建築物に施工さ感じていますか。デザイン、そして施工まで含めた総合的なデザインを提案れた商品の回収です。海外も含めたグループ全体での取りする体制づくりを進めています。また、配送機能も強みの一組みやサプライヤーとの協業など、本業に近いところから この7年、サンゲツの事業構造そのものの変革を進め、実つです。代理店の先にある内装施工業者や全国の施工現場、着実に進めるという方針で臨んでいます。質的なところは相当変わってきていると感じています。今ハウスメーカーやゼネコンまで、幅広いお客さまのオーダー 社会面では、児童養護施設の改装支援とジェンダーダイ後はこれまでの施策を収益に結びつけ、業績という形でサに応え、商品を10cm単位でカットし、即日納品するというバーシティに力を入れています。児童養護施設は、予算の問ンゲツの変革を市場に示したいと考えています。国内建設非常にきめ細かいサービスを実現しています。さらに、代理題等により快適な内装空間を整えることが難しい状況もあ市場の大きな成長が見込めないなか、当社がすでに高いシェ店との協業による営業活動も特長です。事業主やゼネコン、ります。当社の商材を使用し、子どもたちの暮らしやすい空アを築いている日本市場で、インテリアセグメントを大き設計事務所およびハウスメーカー、ビルダー、デベロッパー間を創る内装改装支援は、当社の本業を活かしながら社員く、飛躍的に成長させることは難しいかもしれません。しかなどへの営業を当社が行い、代理店には彼らが得意とするが主体的に参画できる、サンゲツらしい活動だと思っていしながら、日本市場で数量・シェアを漸次的に拡大すること内装施工業者への営業を任せることで、営業活動の効率化ます。またジェンダーダイバーシティの観点から、多様な人は可能であり、これとあわせて収益の改善を実行することを図っています。材の活躍を推進することは、幅広いインテリア空間を提案が、中期的な成長につながると考えています。中長期の成長 このように、空間創造において重要な機能を強化し、「材するというサンゲツの業態から見て必要不可欠な取り組み戦略としては、スペースクリエーション企業に向けたビジ料・施工の販売」と「空間の販売」を事業活動とする企業となです。当社ではすでに多くの女性がさまざまな職場で活躍ネスモデルの転換を進め、日本市場における業態の拡大・転ることを、スペースクリエーション企業への転換と位置づしていますが、性別にかかわらず誰もが個性を活かし力を また、この考えは、長期ビジョンでサンゲツグループが実現を目指す、3つの社会的価値にもつながっています。日本換を行うこと、そして海外事業の収益化と規模の拡大を行けています。発揮できる、より魅力的な職場に変えていくことが、会社をだけではなく世界全体でインクルーシブな社会をつくり上うこと、の2軸が基本的な考え方です。 また、このビジネスモデル転換の急先鋒を担うスペースより良く、強くすることにつながると考えています。 サンゲツは設立以来、商品開発や配送体制等、独自のビジクリエーション事業においては、これまでインテリア事業ネスモデルを構築してきました。その意味では、お手本となで培ってきた顧客基盤やデザイン力、施工力を活かしつつ、るような他社モデルや前例はありません。そのため、私たちより専門性を高めた総合的な施工管理力を持った事業体制が企業として持続的に成長し続けるためには、常に自分たづくりを進めています。2020年には、サンゲツのスペースクちが強化するべきサービスを見定め、これを生み出し得るリエーション担当執行役員およびサングリーンのスペース新たな事業モデルをデザインし、クリエイトする必要があクリエーション本部長として、エクステリア企業で長年にげることを目指す「Inclusive」、持続的な社会の実現を目指す「Sustainable」、そして「Enjoyable」には、より豊かで “楽しさあふれる” 社会を実現したい、という想いを込めていますべての活動の基盤となる、ブランドステートメントす。私たちは、すべてのステークホルダーの皆さまと“デザ「Joy of Design」に込めた想いについてうかがいインするよろこび”を分かち合い、これを社会的価値へと還ます。元することで、企業としての存在価値を高めてまいります。ります。2030年長期ビジョンで目指すべき企業として掲げわたり実績のある外部の人材を採用しました。エクステリ ブランディングにおける議論では、社長就任当初から「デた「スペースクリエーション企業」は、これまでの「モノ」をアとインテリアを一体で提案することができるのはサンゲザイン」を大切にしたいと考えていました。これは、モノの販売する事業モデルから、空間デザインを通じ「コト」を提ツ独自の強みであり、他社にはないものです。事業の枠を超デザインだけでなく、コトのデザイン、そして経営そのもの案し販売する、新たな事業モデルへの転換です。バリューえ、グループ全体でデザインを含めた提案営業を強化するのデザインを含む、幅広い考え方です。商品デザインだけでチェーンの中でより強く、より主体的なポジションを獲得ことで、マーケットにおけるポジションの変革を図っていなく、仕事のあらゆる面において「デザイン」を大事にしたし、収益力を高めることで、すべてのステークホルダーに価ます。値を還元できる事業体制を、着実に構築していきます。これからのビジネスモデルである「スペ ースクリり組んでいますか。エーション企業」への転換を図る上での強み、優位い。「Joy of Design」というブランドステートメントには、この強い想いを込めています。 2016年のステートメント制定から5年を経て、社内にDesign」は制定当初よりもさらに広い意味を持つようになってきているように感じます。当初掲げたのは、「空間を創りサスティナビリティ活動には、どのような方針で取おける仕事のやり方やあり方が変化するなかで、「Joy of 性はどこにありますか。 環境面では、自社の事業活動において事務所、倉庫から排だす人々にデザインするよろこびをお届けする」という考出されるGHG・資源の削減という観点だけでなく、特に以下え方でしたが、近年はサンゲツ自身も、お客さまと同じよう 第一に、空間全体をデザインして提案する総合デザインの3つの点を重要視しています。1つ目は生産工場から排出にデザインするよろこびを感じ、楽しみ、それをお客さまへ力です。お客さまに対して、どのような空間を提案するかとされるGHGやエネルギーと端材などの削減です。2つ目はの提供価値につなげるというように、考え方を広げています。0607SANGETSU Report 2021SANGETSU Report 2021成長の軌跡心豊かな暮らしに貢献しインテリア業界とともに成長サンゲツの歴史は、日本の建設業界、インテリア業界の発展とともにあります。江戸時代、名古屋城巾下門の南側に表具師 日比弥助が「山月堂」の暖簾を掲げて以来170年余。日本の住宅関連産業が急成長するなかで、常に商品開発・営業体制・物流体制の強化を図り、インテリア業界の発展に貢献してきました。2014年には新たな経営体制のもと、初めての中期経営計画【Next Stage Plan G】を策定、事業の強化と拡大を進めてきました。2020年には長期ビジョン【DESIGN 2030】を発表、あわせて中期経営計画【D.C. 2022】を策定し、「スペースクリエーション企業」を目指してさらなる挑戦を続けています。長期ビジョン 【DESIGN 2030】中期経営計画Next Stage Plan G2014-2016中期経営計画PLG 20192017-2019中期経営計画▶ Details P.16-17D.C. 20222020-2022基 本 方 針基 本 方 針基 本 方 針1. 社員が経営を担う事業基盤の整備1. 成長のための事業戦略1. 基幹事業の質的成長による収益の拡大2. 事業戦略の再構築2. 人的資源の強化3. ステークホルダーの評価向上3. 収益管理体制の強化4. 創業以来の理念・社是・考えの継承4. ESG/CSR方針2. 基幹事業のリソースに基づく  次世代事業の収益化3. 経営・事業基盤の強化4. 社会的価値の実現第二次世界大戦東京オリンピック高度成長期バブル崩壊リーマンショック設立前史創業期躍進・安定期革新期1849年(嘉永2年) 1953年1960年1970年1980年1990年2000年2010年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年1849年表具師 日比弥助、山月堂を創業1953年株式会社山月堂商店を設立1965年初のオリジナル壁紙「エリート」を発売1972年東京・南青山にショールームを開設1956年壁装材事業に参入1979年床材事業に参入1981年ファブリック事業に参入1994年椅子生地の取り扱い開始1982年カーペットの取り扱い開始1986年フロアタイルの取り扱い開始1988年カーペットタイルの取り扱い開始1995年粘 着 剤 付 化 粧フィルム「リアテック」を発売1996年東京証券取引所第1部に株式上場2000年カーテンリサイクルシステム開始2005年株式会社サングリーンを子会社化2014年代表取締役社長に安田正介 就任2015年sangetsu design site FLAGSHIP 品川ショールーム移転リニューアルオープン2018年株式会社サンゲツ沖縄を設立指名報酬諮問委員会(現:指名報酬委員会)の設置2016年中国「山月堂(上海)装 有限公司」を設立監査等委員会設置会社へ移行米国Koroseal社を子会社化2019年EC事業参入「WARDROBE sangetsu」リノベーション事業部(現スペースクリエーション事業部)発足2021年株式会社ウェーブロックインテリアを子会社化Goodrich社の100%子会社化関西ロジスティクスセンター新設・統合2017年フェアトーン株式会社を子会社化株式会社サンゲツヴォーヌを設立シンガポールGoodrich社を子会社化2020年サングリーンにおいてスペースクリエーション事業本部発足株式会社 山月堂商店南青山ショールーム見本帳「82-83 サンゲツカーペット」Koroseal社Goodrich社関西ロジスティクスセンターsangetsu design site FLAGSHIP品川ショールーム0809SANGETSU Report 2021SANGETSU Report 2021サンゲツグループについてサンゲツグループについてサンゲツグループ価値創造プロセスサンゲツグループは、インテリアを通じて“デザインするよろこび”を社会にお届けし、豊かな生活文化の創造に寄与するこブランド理念とを企業理念としています。変化する外部環境のなか、社会的課題・ニーズに対応する価値創造プロセスを常に見直し、磨き上げることで、社会への提供価値を高めていきます。Purpose企業使命インテリアを通じて社会に貢献し、豊かな生活文化の創造に寄与します。私たちは、新しい空間を創りだす人々にデザインするよろこびを提供します。DetailsP.14︲15DetailsP.16︲17Sangetsu Group長期ビジョン【DESIGN 2030】サンゲツグループはスペースクリエーション企業へ中期経営計画(2020-2022)【D.C. 2022】基本方針1. 基幹事業の質的成長による収益の拡大2. 基幹事業のリソースに基づく 次世代事業の収益化3. 経営・事業基盤の強化4. 社会的価値の実現サンゲツグループが実現を目指す社会的価値サンゲツグループは、InclusiveインクルーシブSustainableサステイナブルEnjoyableエンジョイアブルみんなでいつまでも楽しさあふれる社会の実現に貢献します。InputBusiness ModelOutputOutcome知的資本デザインアーカイブス / 商品開発ノウハウ登録商標 / 顧客DATA人的資本営業人材● 国内インテリア営業 : 4社 40事業所 700名● 国内エクステリア営業 : 15事業所 90名● 海外営業 : 7ヵ国210名デザイン人材● 商品デザイン人材 : 70名● コーディネート提案人材 : 160名● スペースクリエーション人材 : 15名ロジスティクス人材● 専門職掌および業務委託先 : 800名施工人材● 一級・二級建築士 : 25名● インテリア施工 : 1,300名/エクステリア施工 : 150名● 建築施工管理技士 : 85名社会関係資本サプライヤーとの関係● インテリア事業仕入先 : 270社● エクステリア事業仕入先 : 150社顧客との信頼関係● 直接販売先 : 6,000社 ● 関連取引先 : 20万社以上● 海外取引先 : 29ヵ国強固なコーポレートブランド製造資本製造● ウェーブロックインテリア(国内最大の壁紙メーカー)● 米国 Koroseal社(最新鋭の壁紙生産設備)● 見本帳リサイクルセンター在庫● 日本在庫・加工・出荷拠点8拠点 総面積23.6万㎡配送● 国内トラック500台/日財務資本● 総資産 1,588億円 ● 純資産 936億円● 自己資本比率 58.8%● 現金及び同等物期末残高 251.2億円製造 企画デザイン営業 調達在庫出荷配送 代理店施工業者元請 事業主・施主施 工モノのデザインデザイン活動空間のデザインマテリアリティ 【 重要課題 】 環境/社会/ガバナンスDetailsP.12︲13住宅空間非住宅空間DetailsP.34︲55● 気候変動、自然災害 ● エネルギー・資源の不足 ● 脱化石燃料● 少子高齢化による人手不足 ● パンデミックの脅威社会的課題社会のニーズ● 建物、インフラの老朽化対策 ● 生活空間の質の向上● モノ消費からコト消費へ ● IT技術の活用インテリア業界の課題● 住宅着工戸数の減少 ● 内装工事業者の人手不足● 重量物・長尺物を扱える物流業者の不足インテリア事業空間創造に最適なインテリア商品を開発し、提案し、届ける● デザイン性、機能性、施工性に優れた 約1万2,000点のオリジナル商品● 150万冊/年の見本帳発行● バリューチェーン上の全顧客に対する提案営業● デザイン人材によるトータルコーディネート提案● 品切れない、10cm単位、1枚単位の受注、当日出荷  出荷商品点数 6万点/日  サンプル出荷点数 4万点/日空間を構想し、デザインし、創造する● コトのデザイン・提案● デザインを形に変える総合施工力● 全国各拠点に構築した施工体制エクステリア事業あらゆるエクステリア商品を提供し、施工する● 幅広い取り扱い商品による屋外空間デザインの提供 ● エクステリア全般にわたる取り扱いアイテム● 施工サービスの提供海外事業DetailsP.20︲27Positive経済的価値の創造 2021年3月期連結売上高営業利益ROE国内シェア● 壁装材● 床材● ファブリック海外シェア1,453億円67億円5.12%50%30〜50%23%● 北米非住宅壁紙市場シェア20%1953年の株式会社設立以来、黒字を継続7期連続増配総還元性向82.4%社会的価値の創造ESGレーティング● MSCI● FTSE● GHG排出量削減ESGSCORE   5.2(AA)2.9SCORE23.2%減17%20件/年● 女性管理職● 児童養護施設の内装改装支援● サンゲツ壁紙デザインアワードの継続開催● コーポレートガバナンスコードフルコンプライ壁紙を製造し、仕入れ、北米・アジアで最適な商品を提供するNegative● 北米における壁紙・デジタルプリント壁紙の製造・販売● 環太平洋地域におけるハイクオリティなデザインの提供有効期限切れ見本帳のうち13万冊/年の回収サプライチェーンGHG排出量 40万t-CO2商品開発コーディネーション提案 スペースクリエーションスペースクリエーション事業コトのデザイン● インテリア・エクステリアを含む空間全体の構想1011SANGETSU Report 2021SANGETSU Report 2021目指す方向性目指す方向性ビジネスモデルの転換サンゲツは、これまで培ってきた独自の強みを活かしながら、インテリア事業を中心とした業態拡大・転換による強い事業体制の確立を進めるとともに、スペースクリエーション企業に向けたビジネスモデルの転換をスペースクリエーション企業とは空間創造に重要なデザイン・配送・施工機能を活用し、「材料・施工の販売」と「空間の販売」を事業活動とする企業図っています。の事業を同時に行うビジネスモデルです。材料の販売に加 製造では、これまでのファブレスから、商品特性に応じ自目指すビジネスモデルえ、空間そのものをデザイン・施工し、販売するには、これま社製造が可能な体制への転換を行うとともに、市場からのバリューチェーン全体を、製造、企画デザイン、営業、配送、施工、データでカバーする製販一体のビジネスモデルで以上に、その空間で行われるさまざまな活動の観点からご要望に応えながら、当社独自の企画・デザインを創出すべサンゲツグループビジネスモデルスペースクリエーション企業に向けたビジネスモデルの転換バリューチェーン全体をカバーする製販一体のビジネスモデルへ インテリア商材の販売を中心とした企業からさらなる成 サンゲツグループ全体で更なる成長を実現するために、長を実現するために、長期ビジョン【DESIGN 2030】では、「代理店への営業と出荷・配送を中心とした従来のビジネス目指すべき企業像として“スペースクリエーション企業”をモデル」から、「バリューチェーン全体をカバーし空間全体掲げています。これは、空間創造に重要なデザイン・配送・施を提案する企業」へと、ビジネスモデルの転換を目指してい工機能をすべて活用し、「材料・施工の販売」と「空間の販売」ます。企画・提案を行うことが重要になります。「商品(モノ)のデく、デザイン力の発展的強化を図ります。また、代理店とのザイン」「空間のデザイン」「コトのデザイン」を一体として、協業により内装業者への営業活動を強化する一方、その先より幅広い提案活動による事業体制を構築、進化させるべのハウスメーカーや設計会社、事業主への営業活動を強化く、グループ全体として取り組んでいきます。します。ここでは、従来の商品の組み合わせによるコーディ独自の強みを礎とした業態拡大・転換に向けて 従来のビジネスモデルでは、当社は、主力であるインテリア事業を中心に、製造機能を持たないファブレス企業として、多くのメーカーと協力関係を構築し、多彩で魅力ある商品を創りだしてきました。また、お客さまのさまざまなニーズに応じた提案活動を行うとともに、必要な商品を、必要なときに、必要な分だけお届けする「JUST IN TIME」の物流サービスを通じて、品切れのない安定した商品供給を実現してきました。ネート提案だけでなく、空間デザイン提案力がより重要になると考えています。 また、営業活動を支える重要な機能として全国をカバーする配送体制や施工力の強化にも取り組んでいきます。国内最大の壁紙メーカー「ウェーブロックインテリア」の子会社化による製販一体体制の確立 中長期的視点に立った生産体制の強化を見据え、2015年10月に国内壁紙メーカー最大手であるウェーブロックインテリアを傘下に持つウェーブロックホールディングスの株式を取得し これらの「商品開発力」「営業・提案力」「在庫管理・出荷・配ました。2021年3月には、より安定的・戦略的な壁紙の調達に向送力」を礎に、当社は日本の内装インテリア市場で確固たる地位を築いてきました。そして、今後さらにシェアを拡大するためには、これまで培ってきた独自の強みをもとに、サーけて、ウェーブロックインテリアの株式を51%取得・子会社化しました。同社は当社の壁紙調達の3割弱を供給する主要仕入先であり、子会社化は壁紙事業を拡大する上で、競争力強化と量的確保だけでなく、製販一貫体制の確立による事業の効率化にビスや機能を一層強化していく必要があります。寄与するものと考えています。従来のビジネスモデル代理店への営業と出荷・配送を中心としたビジネスモデル従来の事業領域製 造在 庫代理店施工業者元請 仕 入提案デザイン営 業出荷・配送23営業 配送 事業主・施主事業主・施主1製造 デザイン活動企画デザイン調達 在庫 出荷 代理店施工業者元請 4施 工住宅空間非住宅空間商品開発モノのデザインコーディネーション提案スペースクリエーション空間のデザインコトのデザインデザイン活動をベースとした4つの強み13製造・企画デザイン・調達力2営業・提案力多くのメーカーとの協力関係を活かした多彩な商品開発と自社製造機能。量的確保と幅広い商品群をベースにした柔軟性ある調達。多種・多数・多層な市場に対応した営業体制。材料・施工の販売だけでなく空間全体を企画・設計・コーディネートする提案型営業。在庫・出荷・配送力4施工力蓄積されたノウハウとデータ活用による高度な在庫管理。小口、大量発注に対応する迅速な庫内加工や全国各地へのきめ細かな配送を実現する物流拠点網。グループ全体で全国拠点に構築した施工体制。デザイン提案を空間へと具現化する総合施工力。1213SANGETSU Report 2021SANGETSU Report 2021目指す方向性目指す方向性Sangetsu Group 長期ビジョン【DESIGN 2030】当社グループは、未来志向であるべき姿を明確にし、持続的な成長を実現するため、Sangetsu Group 長期ビジョン【DESIGN 2030】を策定しました。サンゲツグループは、スペースクリエーション企業へ事業環境コトの経済的価値の拡大多様化する個人の嗜好所有から使用、経験生活の質へのこだわり安心と安全と健康デジタル技術の個人生活への急激な浸透人とのつながりの希求2030年3月期 連結売上高・営業利益目標売上高1,612.6 億円※連結調整▲8.8億円営業利益92.6 億円※連結調整0.5億円売上高目標2,250 億円営業利益目標185 億円2020年3月期2030年3月期(売上高:億円)(営業利益:億円)2,5002,0001,5001,000500041.6198.0160.81,221.01.86.493.2 ▲9.350040030020010002,250185売上高 営業利益売上高営業利益インテリア  エクステリア  海外  スペースクリエーション長期ビジョン【DESIGN 2030】達成へのアプローチSDGsとの関連性経営の基本デザイン経営デザインによるブランド価値の向上と事業転換経営・事業の基盤多様性のある専門人材現場力と多様性ある専門人材が活躍する組織事業関連データの連携と活用DATAによる事業の効率化と転換主要機能サービス売りへの完全転換サービスを付加価値の源泉とする事業事業エリア環太平洋地域環太平洋地域各国での強固な事業とグローバルな展開目指す企業像内装企業からスペースクリエーション企業へデザイン・人材・DATA・サービスによるグローバルなスペースクリエーション企業社会的価値の実現みんなでいつまでも楽しさあふれる社会をサンゲツグループが実現を目指す社会的価値平等で健康的なインクルーシブな社会の実現「 みんなで 」Inclusive飢餓・貧困が世界的に大きな課題となっているだけでなく、子どもたちの教育・生活環境の格差も大きな問題です。サンゲツグループは、健康で快適な空間の創造を通じ、ジェンダーインクルーシブの多様性が尊重される、格差のない平等で健康的でインクルーシブな社会の実現に貢献します。地球環境を守るサステイナブルな社会の実現「 いつまでも 」Sustainable気候変動、海洋・土壌汚染の深刻化の一方、高齢化・人口減少が進み、使用されない住宅・建物が増加しています。サンゲツグループは、サプライチェーン全体の環境負荷を低減し、長くサステイナブル使い続けられる空間の創造を通じ、ストック建築物の有効活用とともに、地球環境を守るサステイナブルな社会の実現に貢献します。「 楽しさあふれる 」Enjoyableエンジョイアブルより豊かでエンジョイアブルな社会の実現国籍・性別・宗教・障がいの有無・性的指向にかかわらず、公平な雇用機会のもと、安全・安心な労働環境で効率的に働くことにより、一人当たりの経済成長を持続することが求められています。サンゲツグループは、公平・安全・安心・効率的で人権を尊重する働き方により、さまざまな文化・生活に応じた空間の創造を通じ、よりエンジョイアブルな社会の実現に貢献します。1415SANGETSU Report 2021SANGETSU Report 2021目指す方向性目指す方向性長期ビジョン【DESIGN 2030】のファーストステップである「中期経営計画(2020-2022)【D.C. 2022】」では、4つの基本方針のもと、スペースクリエーション企業への転換に向けた施策を着実に実行しています。※D.C.=Design & Creationデザイン力の発展的強化▶ Details P.22中期経営計画 (2020-2022)【D.C. 2022】※基本方針1 基幹事業の質的成長による収益の拡大2 基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化3 経営・事業基盤の強化4 社会的価値の実現デザイン経営在庫拠点として機能しています。 デザインによるブランド価値の向上と事業転換を図る「デザイン経営」をベースに、「基幹事業の質的成長による収益の拡大」と「基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化」によってさらなる成長を目指します。また、「経営・事業基盤の強化」によってスペースクリエーション企業への転換を着実に進めるとともに、経済的価値の実現のみならず「社会的価値の実現」も目指します。コトの価値の拡大    人材の逼迫1.基幹事業の収益拡大2.次世代事業の収益化質的成長国内基幹事業ノウハウの移転基幹事業リソースの活用サービス売りへの完全転換インテリア事業エクステリア事業海外事業スペースクリエーション事業デザイン力戦略的調達サービス機能の拡充と高度化質的・地理的拡大代理店との協業深化営業体制の強化各国での強固な組織・経営基盤各国での最適モデルの追求と現地化ブランディングとプロダクトポートフォリオ強化基幹事業リソース+専門能力拡充3.経営・事業基盤の強化スペースクリエーション企業へ4.社会的価値の実現Environment(地球環境) ・ Social(人的資本/社会的資本) ・ Governance(ガバナンス)実現に向けたマテリアリティ(重要課題)の特定と実行 ▶ Details P.35パンデミック・気候変動リスク デジタル技術の高度化2020年度の進捗 中期経営計画の初年度として基幹事業の収益拡大に注力し、インテリア事業において、デザイン力の発展的強化、戦略的調達の推進、サービス機能の拡充と高度化に取り組みました。また、海外セグメントの事業体制再編を進めるとともに、スペースクリエーション事業の拡大に向けてグループ全体での連携を図りました。 国内外の建築家やデザイン会社とのコラボレーションによる、空間創造をベースとしたデザインの開発を進めました。建築家の隈 研吾氏との共同開発による壁紙・床材コレクション「KAGETOHIKARI(カゲトヒカリ)」を発売、日本古来の美の表現に挑戦しました。日本の伝統素材を用いた壁紙「SHITSURAHI(室礼)」シリーズでは、国際的デザイン賞である「iF DESIGN AWARD 2021」を受賞しています。また、英国Sanderson Design Groupと共同開発の「ENGLISH DESIGN AGENCY(EDA)」では、伝統的な英国のアーカイブスをアレンジし、現代の感性にマッチする新たな世界観を創出しています。戦略的調達の推進▶ Details P.12 壁紙事業における競争力の強化、量的確保による安定供給、製販一体による事業の効率化を通じた収益拡大などを目的として、国内最大手のビニル壁紙メーカー、ウェーブロックインテリアの株式を51%取得し、子会社化しました。他メーカーともアライアンス強化に努めており、より事業を強くする戦略的調達を進めます。サービス機能の拡充と高度化▶ Details P.18 事業の根幹となる物流サービスについて、在庫・出荷・配送戦略として、従来2つに分かれていた関西エリアの物流拠点を統合し、関西ロジスティクスセンターを新設しました。自動化・省人化を実現し、関西エリアのデリバリーのみならず、西日本の海外セグメントの事業体制の再編▶ Details P.26 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により景気の低迷が続く厳しい状況下、事業体制の再編による経営体制の強化を進めました。シンガポールを本社とするGoodrich社を100%子会社化、一方で中国市場を担うGoodrich香港の株式をGoodrich社から取得し、山月堂(上海)と合わせて日本から直接経営に関わる体制を構築中です。Goodrich社は東南アジア市場に資本を集中し、中国市場はサンゲツが担うという経営管理体制を明確にし、地域ごとの施策を進展させます。スペースクリエーション事業の拡大▶ Details P.24 非住宅リニューアル市場をターゲットとしてスタートしたスペースクリエーション事業は、マンションなどの住宅市場やグループ全体でこの事業の強化・拡大に取り組んでいます。見本帳リサイクルセンターの開設▶ Details P.45 年間約150万冊を発行する見本帳は、2~3年で改訂され、大部分は産業廃棄物として処分されます。この環境負荷を低減すべく、見本帳の解体・分別を行う見本帳リサイクルセンターを開設しました。今後は回収冊数や回収地域の拡大、マテリアルリサイクルを促進し、環境負荷のさらなる低減に努めます。業務執行の能力強化と効率化DATAの高度活用体制の整備エクステリアセグメントにおけるスペースクリエーション事業など、事業の範囲を拡大しています。人的資本の拡充も進み、1617SANGETSU Report 2021SANGETSU Report 2021目指す方向性目指す方向性特 集1サービス機能の強化に向けたロジスティクス戦略サンゲツは、「基幹事業の質的成長による収益の拡大」に向けて強化すべき機能の一つとして、ロジスティクス部門における在庫、庫内加工、配送といったサービス機能の強化に取り組んでいます。 関西ロジスティクスセンターの新設により、大規模なロ各種業務の内製化と専門人材の採用・育成特集1では、ロジスティクス機能の強化における考え方と、その具体的施策を紹介します。ジスティクスセンターの拠点再編は一旦完了となります。 当社の強みである「きめ細かな出荷・配送体制」を持続向ロジスティクス機能のさらなる拡充と高度化ロジスティクスセンターの再整備 当社では、一日平均約6万点に上る商品を出荷しています。配送コストの上昇や重量物配送の忌避傾向など、物流業サンゲツ沖縄■ 2019年2月  新設界全体を取り巻く課題が浮き彫りとなるなか、デリバリー品質の維持・向上を実現するためには、ロジスティクス部門における在庫、庫内加工、配送といったサービス機能の強化が必須となっています。 そこで当社では、2016年の北関東ロジスティクスセン中国四国LCターを皮切りに、全国で物流拠点の再整備を進めてきまし九州LCた。2021年1月の「関西ロジスティクスセンター」の新設・統合により、配送の軸となる主要なロジスティクスセンターの整備はほぼ完了。今後は、全国各地に、よりきめ細かな配送を行うための拠点整備に取り組んでいきます。北海道LC■ 2019年1月  新設・統合東北LC北関東LC■ 2016年8月  新設・移転東京LC■ 2018年1月  新設・統合関西LC■ 2021年1月  新設・統合中部LC■ 2017年5月  新設・統合 総面積23万6,000m2LC=ロジスティクスセンター関西ロジスティクスセンターの特長 2021年1月、兵庫県・尼崎と東大阪の2拠点を統合した関西ロの役割も担い、サービス向上を図ります。ジスティクスセンターを新設しました。主要な配送先である大阪市内はもちろん、全国への幹線輸送を可能にするために、高自動化・省人化を実現する新設備を導入速道路に近い良好なロケーションに建設。1万1,000坪以上に 関西ロジスティクスセンターでは、拠点集約による効率化だ及ぶ倉庫は、従来の約1.6倍の面積、約2倍の容積になります。けでなく、昨今問題となっている人手不足や高齢化にも対応す西日本在庫拠点として全商品約1万2,000点を在庫 今回初めて導入した新設備、無人搬送ロボット「GTP」るべく、徹底した自動化・省人化を実現しています。は、壁紙の在庫棚を出荷場所まで自動搬送。出荷担当者が在庫棚まで商品を取りに行く必要がなくなり、人の移動時間と体力負担を軽減します。また無人搬送車「AGV」は、人がフォークリフトで商品を搬送する作業を代わって行うほか、紙の自動梱包機や床材の自動長尺カット機なども導入 壁装材、床材、ファブリックなどの全商品約1万2,000点を在庫しています。関西のみならず、西日本全体の在庫拠点として機能し、効率的な在庫管理を進める18今後は、全国各拠点の役割を明確化し、ロジスティクス機能上するために、庫内作業をはじめとする各種業務の内製化、のさらなる拡充と高度化に取り組んでいきます。ロジスティクス業務に特化した専門人材の採用・育成を進めています。そのために設けられたロジスティクス職掌制度で各拠点の役割の明確化は、社員が専門的な知識や技術を身につけることを目標とし よりきめ細かな配送体制を構築するために、また適正在ています。庫の保持を確立するために、全国各拠点の役割を明確化し 具体的には、専門知識・技術の習得のためテクニカルスキて有機的な連動を図ります。そのために、各拠点を「旗艦セルシートを整備し、階層ごとに必要なスキルと自己能力のンター」「地域センター」「サテライトセンター」の3つに分可視化を図ります。また、新入社員に対しては「ブラザーシ類し、物流システムの効率化とサービスレベルの向上につスター制度」を設け、先輩社員がメンター役として、仕事のなげていきます。●旗艦センター■地域センター★サテライトセンター輸出輸入中国四国LC九州LC中部LC四国中央関西LC北海道LC東北LC北関東LC東京LC進め方や心構えを指導するとともに、職場や社会生活の悩みに対するアドバイスを行っています。配送を制するものが商売を制する沖縄執行役員ロジスティクス本部長美根 陽介旗艦センター 各LC向けに商品在庫を供給し、各地域のデリバリーの拠点の役割も担う地域センター 各地域のデリバリーの拠点サテライトセンター 在庫拠点から離れた地域へのデリバリーにきめ細かく応える拠点 必要な商品を、求められる場所に、求められる時間に、求められる数量をお届けする「配送力」は、商品を採用いただく上での大きな武器であると考えています。しかしながら、現状はすべてのお客さまや現場への配送は行えておらず、体制としてはまだ不十分です。主要拠点の整備が整いつつあるなかで、今後はサテライトセンターを拡充させ、よりきめ細かな配送体制を構築していきます。またトランスポート・マネジメント・システム※等、新たなシステムも導入し、サービス向上に努めます。 「配送を制するものが商売を制する」、この考え方のもと、サンゲツはさらなるロジスティクス機能の整備・拡充を実現します。※商品が物流センターから出荷された後、届け先までの輸配送をトータルに管理す るシステム19とともに、海外との輸出入拠点無人搬送車「AGV」し、従来、人が行っていた作業の約25%を削減しています。四国中央サテライトセンター2021年8月開設予定SANGETSU Report 2021SANGETSU Report 2021成長戦略成長戦略事業戦略インテリアセグメント住宅から非住宅の分野まで幅広く使用される壁装材や床材、そしてカーテンや椅子生地といったファブリックを主力商品として、市場のニーズに応える開発体制を整備・強化しています。2021年3月期の概況壁装事業デザイン力の発展的強化により新しい発想でのモノづくりを実現執行役員インテリア事業本部長金子 義明インテリアセグメント売上高 1,117.9億円(売上高構成比 76.9%) インテリア内装材に関するオリジナル商品をトータルに揃メーカーである株式会社ウェーブロックインテリアを買収し、え、企画・製造から施工までワンストップで提供できるのが当安定供給の確保と製販一体による効率化を進めています。ま社の強みです。豊富な商品群に、デザイン提案や物流・施工機た、取引先とのアライアンス強化に努め、サプライヤーサイドを能を組み合わせることで、他社より常に一歩先を行くサービス含めたより強いバリューチェーンの構築に取り組んでいます。の実現を目指しています。 2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症の影響から、オ これらグループ事業活動の中核を担うインテリアセグメンンラインによる情報発信やセミナーを積極的に実施してきましトにおいては、中期経営計画で掲げる「デザイン力の発展的強たが、今後は商品起点だけでなく、コーディネートの提案やトレ化」と「戦略的調達の推進」は非常に重要な施策です。ンドの紹介とも関連づけながら、サンゲツの魅力をより一層ご外から発掘する一方、国内外の展示会などからデザインソーデジタルを組み合わせることで、当社が手がけていない照明やスを収集し、著名な建築家やデザイナーとの共同開発により、家具などを含めたプラスアルファの空間デザインの価値を実コトのデザインを意識した新しい発想での商品開発に取り組感していただくことや、アフターメンテナンスなどのメリットもみ、さまざまな商品化を実現しています。効果的に伝えていくことで、エンドユーザーだけでなく、現場の 戦略的調達では、2021年3月に国内最大のビニル壁紙製造サポートにも役立てたいと考えています。 デザイン力の強化では、商品開発を担う優秀な人材を社内理解いただける場を設けたいと考えています。例えば、リアルとインテリアセグメント内売上高構成比(2021年3月期) 新型コロナウイルス感染症の影響により市場動向が低調 新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、日本市場に推移するなか、一部で賃貸住宅や住宅リフォーム市場の全体のインテリア需要が金額ベースで9.5%~10%縮小する需要の高まりが見られたことから、住宅向け壁紙の見本帳なか、当社のインテリアセグメントの売上高は、壁紙・床材「リザーブ1000」と「リフォームセレクション」が売上を牽引を中心にシェアを拡大し、前期比8.4%減の1,117億94百万しました。また、ガラスフィルム見本帳「CLEAS」の売上が前円となりました。期に引き続き好調に推移したほか、安心・安全へのニーズの1,162.71,195.31,180.81,220.91,117.9床材事業20172018201920202021(3月期)※2020年3月期までのインテリアセグメントからスペースクリエーションセグメント関連調整後(億円)1,5001,0005000ファブリック78.1億円(7.0%)床材412.7億円(36.9%)サンゲツの市場シェア高まりから、抗ウイルス商品も堅調に売上を伸ばしました。しかしながら全体としては、新設住宅着工戸数の減少、ホテルや商業施設を中心とした市場の縮小が影響し、売上高は558億14百万円(前期比7.3%減)となりました。 住宅・非住宅分野で幅広く使用できる「フロアタイル」の売上が堅調に推移したほか、2020年9月に発刊したクッションフロア見本帳「Hフロア」の市場浸透が進みました。また、2020年11月に発刊した各種施設用フロア見本帳「Sフロア」は、抗ウイルス商品を中心とした一部の商品で力強い動きを見せ、厳しい市場環境のなかでも評価を得ました。オフィス改修市場では、求めやすい価格帯ながらデザイン性の高いカーペットタイル「NT-350シリーズ」や「NT-700シリーズ」の採用が進みました。しかしながら、依然として市場環境は十分な回復に至っておらず、売上高は412億71百万円(前期比7.8%減)となりました。ファブリック事業 住宅市場では、カーテン見本帳「AC」が売上を牽引したほか、椅子生地見本帳「UP」や2020年9月に発刊した各種施設向けカーテン見本帳「コントラクトカーテン」が市場に浸透し、好調に推移しました。特に、抗ウイルス・抗菌機能を持つその他68.9億円(6.2%)壁装材558.1億円(49.9%)壁紙約50%約3050〜%%床材オーダーカーテンカーテンは、従来の医療・福祉施設だけでなく公共・教育施設にも使用されるなど、採用の幅が広がりました。しかしな約23%がら、市場のデフレ化や販促イベントを含む営業活動の自粛・縮小の影響により、売上高は78億16百万円(前期比7.7%減)となりました。塩ビ製床シートプリント系塩ビタイルカーペットタイル44%43%27%※市場シェア数値は2020年度、社内推計による国内市場シェア20SANGETSU Report 202121SANGETSU Report 2021成長戦略成長戦略インテリアセグメント デザイン力の発展的強化取り組み事例エクステリアセグメント成長戦略事業戦略T O P I C S売しました。隈 研吾×サンゲツ「カゲトヒカリ」コレクションを発売 世界的に有名な建築家、隈 研吾氏とのコラボレーションによる「KAGETOHIKARI(カゲトヒカリ)」コレクションを2021年4月に発 同コレクションは、隈氏がさまざまな「カゲ」に見出した美しさをオノマトペを使ってデザインしたものです。受け手により捉え方が異なるオノマトペという表現手法を用いることで、実際に商品を使う方々に、より想像をかき立て、自由な発想で空間をデザインしてほしいという願いを込めています。 今回の取り組みは、壁紙と床材を同一テーマで商品開発した当社初のプロジェクトであり、“新しい空間を創りだす人々にデザインするよろこびを提供する”当社のブランド理念を体現した活動です。今後もさまざまな視点から「Joy of Design」を実現する商品開発に努めていきます。「SHITSURAHI(室礼)」が国際デザインアワードを受賞 日本の伝統美をモチーフにした壁紙シリーズ「SHITSURAHI( 室 礼 )」が 、国 際 的 に権 威 のあるデ ザイン賞「 i F D E S I G N AWARD 2021※」を初めて受賞しました。 「SHITSURAHI」は、和紙・箔・織物、紙布等、日本で古来使われてきた素材や受け継がれてきた伝統技術を用い、現代のインテリアに合うようにデザインされた壁紙シリーズです。日本文化の「おもてなし」の心を表現し、人々に心地よさを与え、洋の東西を問わず素敵なインテリア空間を創りだします。※ドイツのフランクフルトで毎年開催されている国際的デザイン賞。iFインターナショナル・フォーラム・デザイン主催。1954年からの長い歴史を誇り、世界で最も認知されているデザインアワードの一つ。住宅の門扉、フェンス、カーポート、ガーデンや、各種施設のエクステリア商材を通じて、人々に豊かな暮らしを提案しています。既存ポジションに捉われず、事業活動の拡大に取り組む株式会社サングリーン代表取締役社長武田 博文 エクステリアセグメントを担うサングリーンでは、既存事業間デザイン提案力を強化し、スペースクリエーション企業の一の主体であるエクステリア商品の専門卸売業というポジショ員として、より付加価値の高い空間創造を目指していきます。ンだけでなく、バリューチェーンにおける事業活動を拡大し、ポ 今後も徹底した販売力・収益力・組織力の強化を推進するジションチェンジを進めています。従来から進めてきた関東圏一方、企業としての存在価値を高め、質の高い仕事の実行とへの地理的拡大や、施工力の向上をさらに進めるとともに、空真に強い会社づくりに取り組みます。2021年3月期の概況エクステリアセグメント売上高 146.2億円(売上高構成比 10.0%) 2021年3月期のエクステリアセグメントは、市場全体の低迷が続くなか、公共工事をはじめとする非住宅物件の減少に加え、フェンス、門扉、カーポートといった住宅関連の主力商材の売上が低迷しました。その一方、巣ごもり需要の拡大により、ポストや物置、ウッドデッキ等の販売が堅調に推移したほか、ホームセンターやEC販売店を通じた売上が伸長しました。この結果、エクステリアセグメントの売上高は146億26百万円(前期比9.1%減)となりました。(億円)200150100500147.7150.1161.2160.8146.220172018201920202021(3月期)22SANGETSU Report 202123SANGETSU Report 2021成長戦略事業戦略スペースクリエーションセグメントスペースクリエーション企業に向けた牽引役として、インテリア事業で培ったリソースを活かし、空間そのものを提案する専門性の高い事業活動を展開しています。“スペースクリエーション企業”としての施工力を強化するフェアトーン株式会社代表取締役社長牧 繁伸さまざまな空間に、新たな価値を提案する執行役員スペースクリエーション担当兼 株式会社サングリーン 取締役 スペースクリエーション事業本部長宮本 和紀 当社はスペースクリエーション事業の中核組織として、力により、高い施工品質でプロジェクトを完成させます。これまで培った「デザイン力」「施工技術力」「プロジェクト サンゲツが持つ基幹事業のリソースを活かし、強力なシ

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