サンゲツ(8130) – 環境レポート「Environmental Report 2021」

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開示日時:2022/06/07 00:30:00

損益

決算期 売上高 営業益 経常益 EPS
2018.03 15,639,000 503,600 517,100 68.85
2019.03 16,042,200 590,000 630,000 57.16
2020.03 16,126,500 927,200 952,700 23.52
2021.03 14,531,600 670,600 693,500 78.92

※金額の単位は[万円]

株価

前日終値 50日平均 200日平均 実績PER 予想PER
1,620.0 1,592.58 1,584.3 21.94 17.12

※金額の単位は[円]

キャッシュフロー

決算期 フリーCF 営業CF
2018.03 346,600 719,600
2019.03 877,300 1,037,000
2020.03 1,164,800 1,380,400
2021.03 503,700 969,400

※金額の単位は[万円]

▼テキスト箇所の抽出

212020※一部グループの活動を含みます2020年4月1日~2021年3月31日202112月環境省「環境報告ガイドライン 2012 年版」環境省「環境報告ガイドライン 2018 年版」1 SANGETSU Environmental Report20211 SANGETSU Environmental Report20212015年9月、国連総会にて「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。SDGsでは持続可能な世界に向けて取り組むべき17の目標と169のターゲットが掲げられ、国だけでなく、企業にも積極的な関与が 求められています。サンゲツグループでは、長 期ビジョン【DE SIGN 203 0】を策定し、今後サンゲツグループ が 実現を目指す社会 的価値として、「みんなで(Inclusive)、いつまでも(Sustainable)、楽しさあふれる(Enjoyable)社会の実現」を掲げました。住宅や商業、オフィス、ホスピタリティ産業など、あらゆる建築物に対して、SDGsのゴール11「 住み続けられるまちづくり」(Sustainable)をはじめとした事業活動と関わりの深い目標に重点を置き、その達成に向け貢献してまいります。SDGsへの貢献について、詳しくはこちら>https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/sdgs.htmlP3   トップメッセージP5   環境方針・推進体制P12  リスクと機会P17  気候変動P28  資源循環P37  商品を通じた地球環境保全P54  化学物質への対応P59  環境保全活動(大気汚染)P60  水使用量P61  その他の環境活動P63  開示データSANGETSU Environmental Report2021 2SANGETSU Environmental Report2021 2トップメッセージ社会的価値の実現のために-ESGの取り組み近年の⾃然災害の激甚化に象徴されるように、今や気候変動問題は、⼈類共通の重要課題となっています。SDGsでは、「気候変動及びその影響の軽減」「持続可能な⽣産消費形態の確保」など、環境保全⾯を含む持続可能な世界に向けて取り組むべき17の⽬標と169のターゲットが合意されており、国だけでなく、企業にも積極的な関与が求められています。建設関連企業や住宅メーカーからも、ロングライフ商品や環境負荷の少ない商品が、より⼀層求められるようになりました。こうした社会や地球環境に関する課題解決は、サンゲツグループにおいてもESG課題における重要なテーマと捉えています。この認識のもと、2020年5⽉にはサンゲツグループ⻑期ビジョン【DESIGN 2030】を策定し、今後サンゲツグループが実現を⽬指す社会的価値として、「みんなで(Inclusive)、いつまでも(Sustainable)、楽しさあふれる(Enjoyable)社会の実現」を掲げました。住宅や商業、オフィス、ホスピタリティ産業など、あらゆる建築物に対して、SDGsのゴール11「住み続けられるまちづくり」(Sustainable)をはじめとした事業活動と関わりの深い⽬標に重点を置き、その達成に向け貢献してまいります。その内のひとつとして掲げている「Sustainable(いつまでも):地球環境を守るサステイナブルな社会の実現」では、気候変動、海洋・⼟壌汚染などに加え、⾼齢化・⼈⼝減少の深刻化、⾸都圏への⼈⼝集中などによって増加している使⽤されない住宅・建物に対し、サプライチェーン全体の環境負荷を低減することとともに、⻑く使い続けられる空間の創造を通じてストック建築物の有効活⽤を進めていくことで、地球環境を守るサステイナブルな社会の実現に貢献します。そして、環境⾯におけるマテリアリティとしては、①事業活動における環境負荷の低減(GHG、エネルギー、廃棄物、リサイクル率)、②サプライチェーンにおける環境負荷の把握と低減、③⾒本帳の回収・リサイクルの拡⼤、④環境商品の開発、の4つの課題を特定しました。中期経営計画【D.C. 2022】では、これらの課題への対応⽅針、定量・定性⽬標、改善計画を設定し、課題解決に向けた取り組みを進めております。また、GHG排出量(Scope1&2 サンゲツ単体)については、2030年度カーボンニュートラルを⽬指します。グループ全体及びScope3についても⽬標の設定を検討します。3 SANGETSU Environmental Report2021CSR/ESG活動をグループ全体で推進し、社員⼀⼈ひとりが誠意を持って社会や地球環境に関する課題解決に取り組んでいくことは、持続可能な社会の実現を達成するために⼤きな意味を持つものであると同時に、グループ全体の企業価値向上につながるものであると確信しています。サンゲツグループはこれからも、持続可能な社会の実現に向けた着実な取り組みを進め、すべてのステークホルダーの皆さまとともに、新しい価値創造のよろこびを分かち合える企業になることを⽬指してまいります。株式会社サンゲツ 代表取締役 社⻑執⾏役員安⽥ 正介SANGETSU Environmental Report2021 4環境⽅針・推進体制サンゲツグループ企業倫理憲章企業は社会の公器であり、健全な事業活動を通じて収益をおさめ、活⼒ある発展と社会への還元を図らねばなりません。サンゲツグループは、その基本的な考え⽅に基づき、価値ある商品とサービスを提供することにより、豊かな住⽣活の実現にそしてその実現にあたって、サンゲツグループでは「企業倫理憲章」として5つの原則を掲げ、持続的発展に向けて⾃主的寄与し、社会に貢献します。 に⾏動します。地球環境を守るために地球環境問題への取り組みは、企業の存在と活動に必須の要件であることを認識し、⾃主的、積極的に⾏動します。 ※「サンゲツグループ企業倫理憲章」から、環境に関する記載を抜粋環境⽅針基本理念創造に努める。当社では、環境保全に取り組んでいくことは、より良い住空間を提供する企業として当然の責務と考え、環境理念・環境⽅針を定めています。この⽅針に基づき、環境マネジメントシステムを運営し、継続的な環境保全活動を推進します。 ※2001年6⽉「ISO14001」認証取得サンゲツは、快適な住空間の提供を通じ、より豊かな⽣活を実現するための役割と責任を担っている。当社の事業活動は環境との関わりが深く、その活動の中で環境保全に取り組んでいくことは、企業として当然の責務である。これらの観点から、⾃らの事業活動における環境負荷の低減はもとより、地球環境の保全に配慮し、より良い住環境の5 SANGETSU Environmental Report20211.環境マネジメントシステムの推進にあたり、環境⽬的及び環境⽬標を設定し、継続的改善を⾏い、企業活動と地球環境2.適⽤可能な環境保全に関する法令及び当社が同意する要求事項を遵守する。3.商品の開発、⽣産、流通、使⽤、廃棄のすべての段階において、環境影響要因物質の使⽤の回避、廃棄物の削減、リサ4.環境⽅針や環境管理活動への社員の理解と意識の向上を図るとともに、関係者へも環境⽅針を周知し、理解と協⼒を要基本⽅針保護の両⽴を図る。イクル、省エネ・省資源に努める。請する。5.この環境⽅針は、⼀般に公開する。ESG/CSR⽅針中期⽅針1.サンゲツグループの事業全体の環境負荷を把握。2.地球温暖化防⽌や持続可能な資源循環に向けての体制を構築。実践内容(1)事業活動における環境負荷の低減GHG排出量の削減エネルギー使⽤量の削減廃棄物総廃棄量の削減リサイクル率向上(2)サプライチェーンにおける環境負荷の把握と低減サプライヤーごとのGHG原単位の把握と、調達活動での考慮グループ環境負荷の把握と低減プラン策定(3)環境商品の開発・拡充⾼耐久性商品の開発、⻑期継続品の拡充低炭素、資源循環に資する商品の開発(4)⾒本帳の回収・リサイクル体制の構築と拡⼤SANGETSU Environmental Report2021 6ESGマネジメント体制当社は、企業の社会的責任を果たすため、2016年4⽉にCSR推進課を新設、2017年4⽉には社⻑を委員⻑として、全社をさまざまなESGに関する国際的なガイドラインなどに対応すべく、分科会を設け、実効的なESGマネジメントを⾏い、社2020年11⽉からは、ESG全般を推進する部署としての位置づけを明確にすることを⽬的として、ESG推進課、ESG委員横断的に統括するCSR委員会を設置しました。 会課題解決に向けた取り組みを進めています。 会に名称変更しております。 応を⾏っています。また、気候変動を含めた環境課題については、環境分科会での取り組み事項として上位機関を通じて取締役会への報告と対7 SANGETSU Environmental Report2021環境マネジメント推進体制環境マネジメント推進体制当社ではISO14001の認証を取得しています(認証範囲の従業員⽐率38.5%)。環境マネジメントシステムを統括する環境ISO管理責任者のもと、これを補佐するISO事務局を設置し、各事業所において環境活動を実施しています。SANGETSU Environmental Report2021 8気候変動/環境リスクマネジメント体制当社では、気候変動を始めとする環境リスクを事業運営に障害を引き起こすリスクとして考えています。特に気候変動の原因となる事業活動に伴うGHG排出量を管理し、⽬標値を設定して排出量低減活動を⾏っています。その活動の進捗状況は、災害等リスク部会からリスク管理委員会に報告され、さらに取締役会においてリスク管理委員会から報告、管理監督を受けています。サプライチェーンにおける環境配慮当社の事業活動は商品開発・流通を主体にしています。 商品製造については仕⼊先に委託していますが、⾼品質で環境に良い商品を提供するために、商品のライフサイクルを通じた環境負荷低減活動を継続する必要性があると考えています。 これまで当社は、当社基準の評価項⽬に沿って仕⼊先評価と⼯場運営の改善・環境対応・商品の品質向上につなげてきました。また、中部ロジスティクスセンターⅡに環境試験室をはじめとする試験施設を設置の上、適切な品質管理体制を整備しています。現在、当社ではサプライチェーンにおけるCSRへの取り組み強化に向け「サンゲツCSR調達⽅針」および「サンゲツお取引先さま向けCSRガイドライン」を策定、仕⼊先の対応状況についてアンケート調査を実施し、必要に応じて訪問指導を⾏うなどの対策を講じることで、環境対応についての体制づくりを進め、環境負荷低減を推進しています。9 SANGETSU Environmental Report2021サンゲツを取り巻く環境負荷の状況事業を⾏っていく上では、⾃社以外にも仕⼊先、取引先、使⽤後などさまざまな状況・場所において環境負荷が発⽣しています。 当社ではこのそれぞれのスコープにおいて環境負荷の状況を把握し、環境負荷を低減する取り組みを⾏っています。SANGETSU Environmental Report2021 10マテリアリティ(重要課題)サンゲツグループは、社会的要請や当該業界の重要テーマを踏まえ、社会および⻑期投資家にとっての重要度と当社事業の持続的成⻑への影響からマテリアリティを特定しました。これらのテーマは、⻑期ビジョンの実現に向けての重要項⽬でもあり、事業計画と連動しながらPDCAサイクルを回していきます。GRI、SASB、ISO26000社会にとっての重要テー特定したマテリアリティ特定したマテリアリティなど主要な国際的ガイドマ、サンゲツにとってのについて、社内外の意⾒の対応⽅針、⽬標の設ラインを参照重要テーマを抽出・マッを受け、意思決定機関で定、活動の評価と改善計ピングしてマテリアリテ承認決定画の実⾏ィを特定当社では、環境⾯における重要課題を以下の4つと捉え、それぞれの課題に対して取り組みを⾏っていきます。事業活動における環境負荷率の向上詳細はこちら :P17「気候変動」、P28「資源循環」GHG排出量・エネルギー使⽤量の削減、廃棄物の削減、リサイクルサプライチェーンの環境負荷グループ環境負荷の把握と低減プラン策定詳細はこちら:P23「スコープ3への対応」⾒本帳リサイクル環境商品の開発リサイクル処理キャパシティの向上、リサイクル率の向上詳細はこちら:P31「sangetsu ⾒本帳リサイクルセンター」低炭素、資源循環に資する商品の開発詳細はこちら:P37「商品を通じた地球環境保全」11 SANGETSU Environmental Report2021リスクと機会気候変動によるリスクと機会リスク詳細対応策・事務所・ロジスティクスセンターなど拠点・BCP(事業継続計画)を策定、毎年⾒直物理的リスクへの浸⽔や設備破損などの物的被害し・事業停⽌による売り上げ減少・備蓄品の確保、避難訓練の実施・家族を含めた従業員への⼈⾝被害・従業員の安否確認⼿法の整備・エネルギー使⽤に対する規制強化による対遷移リスク・顧客の環境志向・省エネ志向進展への対応・「低炭素」「資源循環」型の環境配慮型商応コスト増・省エネ設備への更新、低燃費⾞両への切換が遅れた場合の、他社代替品による販売機会品の開発の減少リスク機会機会の種類機会対応策製品およびサービス・消費者の嗜好の移り変わりによる低排出製品やサービスの需要増による収益増・カーテン:遮熱機能の⾼いレースカーテンの開発の開発・壁紙:室内の照明効率を⾼める機能を持った光拡散壁紙の開発、⽐重の重い原材料(塩ビ)の使⽤を削減した壁紙の開発・ガラスフィルム:遮熱機能の⾼いフィルム・床材:製品の厚みを薄くしたフロアタイルの開発、再⽣材の使⽤率を⾼めたカーペットタイルの開発、⽐重の重い原材料(塩ビ)の使⽤を削減したフロアの開発SANGETSU Environmental Report2021 12その他資源のリスクと機会リスク・プラスチックに対する消費者の嗜好の・プラスチックに対する使⽤の制限、規変化制・⽔ストレスのあるビジネス・商品・サービスに対する消費者の敬遠・嗜好の変化や⽔の使⽤・排出に対する制限、規制機会リスク詳細対応策・壁紙・床材では、製品の多くが塩化ビニル素材、カーテンでは多くがポリエステル素材の繊維を使⽤しており、事業全体としてプラ・プラスチックの代替素材や循環型素材などスチック製品が多い。 弊社が扱う建材の分の情報収集をすすめ、商品での使⽤の検討を野でプラスチック製品の使⽤が制限される可⾏う。能性は低いと思われるが、そうなった場合には事業全体に⼤きな影響が出る。・弊社は繊維製品(カーテン、カーペット、カーペットタイル)を企画・販売をしており、繊維の染⾊は⽷メーカーや染⾊会社が⾏うが、そこで過剰な⽔の利⽤や汚⽔の不適切な排出が露呈した場合、その⽷で商品を提供する弊社のブランド棄損につながる。・仕⼊先における⽔の利⽤・排出についての対応状況を、CSRアンケートや実査を通じて確認し、適切な対応を求める機会の種類機会対応策・プラスチック代替素材や循環型素材、・住宅ではゼロエネルギーハウス(ZE環境負荷の低い製品H)、ビルにおいてはゼロエネルギービルの開発により、環境(ZEB)の供給が増えている。加えて、CA意識の⾼いユーザーSBEEやLEEDなど建築物の環境性能認証制から選ばれることに度が広がりを⾒せており、この分野への対応よる販売量の拡⼤との強化は、国内のみならず海外への商品供給ブランドイメージのにおいても有⽤向上・建築物の環境影響評価システムなどの要件を満たす商品の拡充を進めている。13 SANGETSU Environmental Report2021機会の種類機会対応策・⽔ストレスの⼩さいビジネスモデル・・従来の商品より⽔の使⽤が少ない商品、汚商品・サービスであ⽔の排出が少ない商品を開発・販売により、ることを⽰すことで環境意識の⾼いユーザーから選ばれることにむ製法)のブランドイメージよる販売量の拡⼤の向上・製造時に⽔の使⽤が少ない商品の開発原着ナイロン、原着ポリプロピレン製カーペットタイルなど(原着:⽔を使⽤しての染⾊を⾏わず、繊維を作る際に素材に⾊を練りこ・使⽤時に汚⽔の排出が少ない商品の開発ワックスフリー床材(床材は、美観維持のためワックスでのメンテナンスを推奨する場合が多いが、メンテナンスでのワックスが不要なワックスフリー床材では、ワックスおよび剥離剤での汚⽔が発⽣しない)SANGETSU Environmental Report2021 14廃棄物排出・管理のリスクと機会リスク低下機会リスク詳細対応策・処理費⽤の⾼騰にの削減よる経費増加と資源・塩化ビニル等プラスチック製品の廃棄コス・商品の端材を削減する取り組みの推進循環が進まないことト増・有価売却できる不要物の特定と売却先の確でブランドイメージ・複合素材についてはリサイクルが困難保・商品のデッドストック抑制による総廃棄量・リサイクル技術の進展による処理単価の安い分類での処理への移⾏機会の種類機会対応策・処理量の削減とリサイクルの進展によるブランドイメージの向上ー・商品のデッドストック抑制による総廃棄量の削減保・商品の端材を削減する取り組みの推進・有価売却できる不要物の特定と売却先の確・リサイクル技術の進展による処理単価の安い分類での処理への移⾏15 SANGETSU Environmental Report2021化学物質の取り扱いのリスクと機会化学物質の取り扱いのリスクと機会リスクリスク詳細対応策・商品に⼈体に影響がある化学物質が含有・使⽤禁⽌物質の誤し、それを起因とする障害が発⽣した場合使⽤などによるブラの、補償問題などのリスクンドイメージの低下・規制がある化学物質の含有による輸出停⽌の影響・品質管理体制の強化(インテリア事業本部内に「品質管理技術室」を新設)および品質管理専任⼈材の拡充。・管理対象物質の特定と、メーカーへの使⽤状況確認の実施。・インターネットや業界団体への確認により、国内外における化学物質(規制対象化学物質等)に対する調査の実施。・管理対象物質の明確化とサプライチェーンでの化学物質管理の段階的な実施。機会・顧客へ商品に対すー・適切な化学物質管理を⾏うことでのブランドイメージの向上る安全・安⼼感を提供し、「信頼される品質」の確⽴による商品の売上増機会の種類機会対応策・管理対象物質の特定と、メーカーへの使⽤状況確認の実施SANGETSU Environmental Report2021 16気候変動気候変動に対する考え⽅地球温暖化による気候変動は、⼈間の⽣活や⾃然の⽣態系にさまざまな影響を与えています。その地球温暖化の主たる原因は温室効果ガス(GHG)であり、この温室効果ガス(GHG)を削減させることは企業における社会的責任であると考えています。 サンゲツから排出される温室効果ガス(GHG)は、主に事務所、倉庫にて使⽤するガス・灯油、営業⾞両等で使⽤するガソリン・軽油等(※1スコープ1)、また事務所、倉庫にて使⽤する電気を起源とした温室効果ガス(※2スコープ2)で構成されております。温室効果ガス(GHG)を削減させるためには、エネルギーを最⼩限に無駄なく有効活⽤することが必要であり、エネルギー削減を推進することが地球温暖化防⽌、地球資源の有効活⽤に繋がると考えております。※1.スコープ1…サンゲツの事業活動による排出、燃料使⽤に伴う直接排出 ※2.スコープ2…外部から購⼊する電⼒や熱の使⽤に伴う間接排出気候変動に関する重要課題GHG排出量・エネルギー使⽤量の削減課題GHG排出量(SCOPE1&2、単体)※1エネルギー使⽤量(単体)※22020年度23.2%減2%減0.1%増⽬標5%減実績⽬標実績2021年度27.5%減2022年度30%減2030年度カーボンニュートラル※1.2 ⽬標・実績は2018年度⽐です。 ※3 サンゲツグループ(連結)では、2030年度50〜55%削減で⽬標を検討中3%減4%減ー17 SANGETSU Environmental Report2021エネルギー使⽤量/GHG排出量温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1&2)の推移※1 温室効果ガス排出量の計算にあたっては、実排出係数を利⽤しています。 ※2 スコープ1,2において算出しています。(スコープ1…サンゲツの事業活動による排出、燃料使⽤に伴う直接排出。スコープ2…外部から購⼊する電⼒や熱の使⽤に伴う間接排出)事務所・倉庫(省エネ法対象)のエネルギー使⽤量の推移SANGETSU Environmental Report2021 18エネルギー使⽤量・GHG排出量の削減に向けた取り組み取組(1) 社有⾞両における低燃費への推進営業⾞両においてハイブリッド⾞両を中⼼とする環境対応/低燃費⾞への全⾯移⾏を進めています。2020年度には全⾞両の約63%に相当する296台の移⾏を完了しました。2022年度には対象⾞両すべてを移⾏させる予定です。また全営業⾞両にGPSを利⽤したテレマティクスを装備させ、急加速・急ブレーキ・スピード超過等の情報を本社にて収集し、安全管理とともに温室効果ガスの削減に繋がるエコドライブを強化しています。これらの施策をとった結果、2020年度の燃料消費量は対策前の2014年度と⽐較して51%改善しました。ガソリン使⽤量の推移19 SANGETSU Environmental Report2021テレマティクスの仕組みSANGETSU Environmental Report2021 202018年度エコドライブ活動コンクールにて環境⼤⾂賞を受賞サンゲツでは、2018年度エコドライブ活動コンクール(主催:公益財団法⼈交通エコロジー・モビリティ財団)の⼀般部⾨において、最⾼賞となる「環境⼤⾂賞」を受賞しました。 2015年から「エコドライブ活動」をスタートし、全⾞両へのテレマティクス、ブレーキアシストなどの⾞両装備を整えるとともに、社員⼀⼈ひとりが⾃分事として取り組めるよう啓発活動にも⼒を⼊れてきました。その結果コストの⼤幅削減、燃費やCO2排出量の改善につながり、今回のコンクールではこの全社員での取り組みを評価して頂くことができました。 今後も「サンゲツ環境⽅針」にもとづき、地球環境の保全に配慮し、持続可能な社会の実現に向けて、エコドライブの推進に取り組んでまいります。直近3年間(2018年10⽉-2021年9⽉)の燃費/CO2排出量授賞式の様⼦11⽉28⽇に⾏われた受賞式当⽇では、「テレマティクスの全⾞導⼊を始めとするハード・ソフト、そして体制を整え、社内報を通じてマンガ等での楽しい⼯夫をしつつ、成果を明確にされた優れた取組みは⾮常に参考になる。」と、ご評価いただきました。エコドライブ活動コンクールに関する情報21 SANGETSU Environmental Report2021取組(2) 太陽光発電によるエネルギーの創出2014年に愛知県稲沢市に位置する当社の物流拠点中部ロジスティクスセンターⅠの屋上に2,170m²の太陽光発電パネルを搭載し、⾃然エネルギーの有効活⽤に取り組んでいます。2020年度は、508,251kWhの電⼒を発電しました。これは、⼀般家庭の166世帯の年間電⼒量に相当します。※参考:⼀般家庭(30A契約)1世帯あたりの1ヵ⽉分の使⽤電⼒量255kWh(2014年度、東京電⼒)再⽣可能エネルギー発電量の推移⾃社物件の修繕計画に合わせた省エネ設備の導⼊当社の社屋の多くは⾃社物件です。この⾃社物件の計画的修繕に合わせて設備の省エネ化を進めています。直近の修繕計画に伴う設備の更新においては、各⽀社の照明ランプのLED化で約220t-CO2の削減、本社の誘導灯のLED化で約4t-CO2の削減、本社のエレベーターの主要備品交換に伴う省エネ化で約5t-CO2の削減、関⻄⽀社の空調設備の更新で約170t-CO2削減、中国四国⽀社の空調設備更新で約430t-CO2削減しました。今後も、建物設備修繕計画に合わせて省エネ設備を導⼊し、GHG削減活動を進めていきます。SANGETSU Environmental Report2021 22関⻄⽀社の空調機更新の効果中国四国⽀社の空調機更新の効果※GHG排出量の計算は、温室効果ガス排出算定・報告・公表制度の「算定・報告・公表制度における算定⽅法・排出係数⼀覧」を基に、電気部分は2017年度提出⽤の排出係数の代替値で計算しています。取組(3) 新電⼒の導⼊当社のスコープ1,2におけるGHG排出量のうち、約7割が電気使⽤によるものです。GHG排出量の削減にあたっては、電気使⽤量の削減だけではなく、GHG排出量の少ない電気を購⼊することもGHGを削減する1つの⼿段と考えています。 当社では2016年1⽉より、電気を多く使う⾼圧電⼒の拠点を、CO2排出係数の少ない新電⼒へ供給先の切替えを随時⾏っています。引き続き、”環境負荷の少ない電⼒購⼊”へ取り組んでいきます。取組(4) 電気使⽤効率の向上設備等を更新するハード⾯での取り組みだけでなく、運⽤によってエネルギーを削減するソフト⾯での対策も推進しています。⾃社製品である遮熱フィルムをガラス⾯に施し空調効率を向上、またデマンドコントローラー導⼊により最⼤電⼒の制御、冷暖房温度の上げ下げや、運転時間の短縮等の空調管理の厳密化、クールビズ・ウォームビズの積極的導⼊、働き⽅の⾒直しを実施しています。 2018年度においては、クラウド化によるサーバーの削減、省電⼒タイプパソコンの全社導⼊などのエネルギー削減により、事業所・ロジセンターでのCO2の排出削減を進めています。スコープ3への対応サンゲツでは、事業活動が及ぼす環境影響を抑制すべく、2017年度よりサプライチェーン全体における温室効果ガス(GHG)排出量「スコープ3」の算定を開始しました。サプライチェーンにおけるCO2排出量を⾒える化することで、温室効果ガスの継続的な削減に貢献していきます。23 SANGETSU Environmental Report2021サプライチェーンカテゴリ項⽬CO2排出量算定対象カテゴリ3スコープ1,2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動733スコープ3カテゴリ11販売した製品の使⽤算定対象外 ※1スコープ1スコープ2カテゴリ1購⼊した商品・サービスカテゴリ2資本財カテゴリ4輸送、配送(上流)カテゴリ5事業から出る廃棄物カテゴリ6出張カテゴリ7雇⽤者の通勤カテゴリ8リース資産(上流)カテゴリ9輸送、配送(上流)カテゴリ10販売した製品の加⼯カテゴリ12販売した製品の廃棄カテゴリ13リース資産(下流)カテゴリ14フランチャイズカテゴリ15投資スコープ3合計サプライチェーン排出量1,9994,234337,3799,29622,1311,05815442401,3163,7806,792算定対象外 ※2算定対象外 ※3算定対象外 ※4383,062389,295※1.販売している製品は、壁材、床材、ファブリック(カーテン、イス⽣地等)等の中間製品であり、直接使⽤段階にエネルギーを使⽤する製品ではなく、間接使⽤段階の排出であるため算定対象から除外しています。 ※2.他社に賃貸しているリース資産(建物)はありますが、全てにおいて電⼒使⽤がスコープ2に含まれているため算定対象から除外しています。 ※3.フランチャイズによる運営を⾏っていないため算定対象から除外しています。 ※4.本カテゴリは主として⺠間⾦融機関(商業銀⾏)のカテゴリであるため、算定対象から除外しています。SANGETSU Environmental Report2021 24環境負荷の把握に関する重要課題課題サプライチェーンにおける環境負荷の把握と低減⽬標実績2020SCOPE3(単体):サプライチェーンGHG削減に向けた体制の構SCOPE3(単体):算定ルール策年度築(算定ルール再策定)定、算定を実施・SCOPE3(単体):サプライチェーン毎のGHG排出量把握の精2021年度度向上・グループ環境負荷の把握と低減プラン策定(連結)サプライチェーンにおける温室効果ガス(GHG)排出量の把握当社では2017年度よりサプライチェーン全体における温室効果ガス(GHG)排出量を算定・開⽰しています。当社のGHG排出量はスコープ1&2は僅かである⼀⽅、製品製造に伴うスコープ3(カテゴリ1:購⼊した製品・サービス)では約9割を占めており、ファブレスを主とする当社にとって、サプライチェーン全体のGHG排出量削減を進めるには、仕⼊先さまと協業した削減取り組みが不可⽋であると考えています。 ただ、従来の算定⽅法はサプライチェーン全体の仕⼊額に排出係数を掛け合わせる簡易算定であり、仕⼊先さまの削減努⼒は反映されない⽅法であるため、2020年度より仕⼊先さまごとのエネルギーデータを集計し、個別にGHG排出量を把握する取り組みを開始しました。今回、仕⼊先124社を対象に使⽤エネルギーの把握状況や、CO2削減⽬標の設定状況の調査をしています。(グラフ参照) 現状では商品の種別(壁紙・床材・カーテン等)や、排出量算定範囲の粒度(会社全体、⼯場、製品ごとの排出量)などデータ品質が仕⼊先さまごとに異なっており、精度の⾼い算定・評価を⾏うためには、このデータ品質を上げていく必要があります。 っていきます。 今後、各仕⼊先さまへ結果のフィードバックを実施し、数年をかけてデータ品質向上と共に削減に向けた具体的な施策を⾏今後はサプライチェーン全体での温室効果ガス(GHG)排出量削減を⽬指すとともに、GHG排出など環境負荷の⼩さい仕⼊先さまからの調達を積極的に⾏い、⻑期安定的な取引関係の構築を⽬指していきます。25 SANGETSU Environmental Report2021エネルギー使⽤量の供給範囲について選択項⽬回答数1.会社全体のエネルギー使⽤に関して回答する2.対象商品を製造している⼯場に限定して回答する3.サンゲツ納品分の商品製造に限定して回答する(エネルギー使⽤量等を案分して回答する)4.対象の商品あたりのCO2排出量(LCA等)がすでにあり、資料等を提供可能エネルギー消費、CO2排出源に関する参考情報【Scope1について】選択項⽬回答数1.⾃家発電設備を所有しており、⾃社で電⼒、熱、蒸気の⽣産がある212.物理的・化学的な⽣産過程による排出がある(例:セメント、アンモニ3.バイオマス由来のエネルギー利⽤がある。例:⽊質チップによる熱提供アの製造等)等【Scope2について】使⽤している)⾵⼒発電等)選択項⽬回答数1.他社から熱・蒸気の供給を受けている(他社より熱・蒸気等を購⼊して2.再⽣可能エネルギー(発電)の利⽤(消費)がある(例:太陽光発電、4326541431120SANGETSU Environmental Report2021 26エネルギー使⽤量の把握についてエネルギー使⽤量の把握について選択項⽬回答数1.拠点・種別ごとに使⽤量を把握しており、電⼒は拠点ごとの契約(供給)会社が分かるまた別の情報開⽰資料(ISOや省エネ法)でも数値開⽰している2.拠点・種別ごとに使⽤量を把握しており、電⼒は拠点ごとの契約(供給)会社が分かる※ISO、省エネ法等での情報開⽰は無し3.拠点・種別ごとに使⽤量を把握している。 ※電⼒会社ごとの整理は無し4.エネルギー使⽤量は分からないが、代替の値(例えば⾦額等)は把握が可能。5.エネルギーに関するデータ収集は困難。現状のエネルギー管理・排出量の算定状況について選択項⽬回答数1.ISOやエコアクション等で⾃社のエネルギー使⽤量、CO2排出量を把握している2.CO2削減⽬標がある3.SBT⽔準のCO2削減⽬標がある4.クレジット(排出権)の購⼊、あるいは売却がある4227481646323527 SANGETSU Environmental Report2021資源循環に対する考え⽅資源循環す。重要課題世界的に⼈⼝が増加し、経済発展や利便性の追求により、資源消費のスピードが上がっています。このまま⼤量採掘が続けば資源は枯渇しかねません。事業活動での資源調達・廃棄における環境負荷を抑えるべく、持続可能な資源循環を⽬指しま廃棄物総廃棄量削減・リサイクル率の向上課題廃棄物総廃棄量削減(単体)※1リサイクル率の向上(単体)※2⽬標実績2020年度2%減10.9%増2021年度3%減2022年度4%減 ※1.2 ⽬標・実績は2018年度⽐です。⽬標81%82%83%実績81.5% SANGETSU Environmental Report2021 28資源循環への取り組み3R(Reduce、Reuse、Recycle)活動事業活動の上で発⽣する不要なモノのなかには、再使⽤、再利⽤できるものが多くあり、捨てれば廃棄物となりますが、再使⽤、再利⽤すれば地球から資源を削る量は少なくなっていきます。これまでも廃棄物削減、リサイクル活動を進めていましたが、2016年度環境保全分科会にて、考え⽅を整理して不要となるモノを種類別に特定させ、3R(Reduce、Reuse、Recycle)の考えに基づき、廃棄物の削減、処理⽅法の改善など、資源循環を推進しています。 買取りリユース・リサイクルされるモノを有価物、廃棄物としてサーマル、マテリアル、ケミカルリサイクル処理されるモノを再資源化物、どうしてもリサイクルできず単純焼却、埋⽴するモノを単純処分廃棄物と呼び、リサイクル率 の向上を※⽬指しています。※リサイクル率:(再資源化物+有価物)/(再資源化物+単純処分廃棄物+有価物)当社の廃棄物管理(循環型社会への取り組み)の考え⽅29 SANGETSU Environmental Report2021TOPICS現しました。東北ロジスティクスセンターでは、業務から発⽣する産業廃棄物の分別・⾒える化及び廃棄物の有価売却化に取り組みました。⾒える化では、地図や番号や写真を⽤いて廃棄物の種類ごとの分別⽅法を明確にすることで、表⽰に従った分別の徹底とともに、廃棄物の有価売却化も進みました。 このような取り組みの結果、2019年度は前年⽐27トンの廃棄物削減、処理費⽤は約140万円の削減を実廃棄物排出量の推移産業廃棄物の内訳SANGETSU Environmental Report2021 30リサイクル率の推移ユニフォームのケミカルリサイクル2017年度、ロジスティクスセンタースタッフのユニフォームをリニューアルしました。新しいユニフォームは環境負荷⾯も考慮してリサイクル素材を選定、古いユニフォームはすべてケミカルリサイクルしています。この結果、⾐料製品を通じて55%のCO2排出削減に貢献しました。「sangetsu ⾒本帳リサイクルセンター」を開設環境負荷低減の取組みとして、当社が発刊した⾒本帳の回収・解体・分別を⾏う「sangetsu ⾒本帳リサイクルセンター」を開設しました。31 SANGETSU Environmental Report2021当社は壁紙や床材・ファブリック等約12,000 点の内装材を企画・販売しています。そのビジネスモデルの中核となるのが、約30 種類の⾒本帳であり、各⾒本帳は、おおよそ2 〜 3 年のサイクルで改訂しています。 使⽤後の⾒本帳に関しては、現状、⾃社回収できているものが全体の約10% 程度であり、⼤部分は産業廃棄物として処理また、⾒本帳⾃体が、台紙(紙素材)、サンプルチップ(塩化ビニル樹脂・化学繊維)など、複数の素材で構成されていることから、資源として再⽣するマテリアルリサイクル(※1) での対応ができず、最終的には、単純埋⽴処理やサーマル処理に留まってしまうという課題がありました。※1:マテリアルリサイクル:廃棄物を再び同じ製品、または別の製品の材料として再利⽤するリサイクル⼿法設⽴の背景されています。 設⽴の⽬的このたび、これらの環境課題に取り組み、より環境への負荷を低減するマテリアルリサイクルを中⼼とした資源循環を⾏うことを⽬的に、本社に隣接する旧配送センター内に「sangetsu ⾒本帳リサイクルセンター」を開設しました。同センターでは、使⽤後の⾒本帳を顧客より回収し、リサイクルを⾏うための前⼯程である、⾒本帳の解体・分別を⾏います。また、作業スタッフに障がい者を雇⽤することで、障がい者の活躍⽀援を⾏い、ダイバーシティを推進します。当社は、環境・社会を巡る課題へ取り組み続けることで、サンゲツグループの⻑期ビジョン【DESIGN 2030】に掲げる、「みんなで、いつまでも、楽しさあふれる」社会の実現に貢献していきます。1. ⾒本帳のマテリアルリサイクルを促進し、環境負荷を低減sangetsu ⾒本帳リサイクルセンターでは、顧客より回収した⾒本帳を、表紙、台紙、サンプルチップに分解し、素材ごとに分別します。分別された素材は、その後、リサイクル専⾨業者にて、再⽣塩ビ、再⽣パルプ、セメント材料へとマテリアルリサイクル(⼀部はサーマルリサイクル)されます。2021 年度は本社を構える愛知県を中⼼に回収を進め、年間5 万冊のリサイクルを予定しています。 2022 年度以降は対象地域を拡⼤し、リサイクル率の増加を図ると共に、デジタル⾒本帳の活⽤を促進し、⾒本帳発刊総数の削減を進めることで⼀層の環境負荷低減に取り組みます。2. 障がい者の活躍⽀援、ダイバーシティを推進同センターにおける⾒本帳の作業スタッフには、障がい者を雇⽤することで、障がい者の活躍⽀援を⾏います。 当社の2019 年度の障がい者雇⽤率は3.1%と、⺠間企業の法定基準2.2%を上回っており、2022 年度には、4.0%を⽬標に掲げています。障がい者の活躍⽀援については、雇⽤率の向上とあわせ、⼀⼈ひとりが真に⾃⽴し、⼼⾝ともに豊かに⽣活できるよう、⽀援していきます。SANGETSU Environmental Report2021 32サンゲツカーテン・エコプロジェクト当社では、環境保全への取り組みの⼀環として2000年10⽉より「サンゲツカーテン・エコプロジェクト」を進めています。下記のような専⽤タグラベルが付いているカーテンについては、当社が責任を持って回収し、⾃然環境保護の観点から、なるべくゴミを増やさない処理を実施しています。表⾯(例)裏⾯(例)回収の⼿順回収したカーテンは素材、加⼯状態の違いによってそのリサイクル処理法が異なります。当社では、再資源化するケミカルリサイクル、固形燃料など熱源にするサーマルリサイクルに分類しています。33 SANGETSU Environmental Report2021リサイクル活⽤法※出荷ロスなど端材のリサイクルも含みます。 ※回収したカーテンは商品のリサイクル⽅法ごとに分別したうえで、リサイクルを⾏っています。 ※リサイクル活⽤法については、技術⾰新やその他の理由で変更になる場合があります。カーペットタイル・リサイクルカーペットタイル(NT-250 D-ecoシリーズ)は、廃カーペットタイルを特殊技術によりリサイクル(原材料化)しバッキング層に再⽣した環境商品です。SANGETSU Environmental Report2021 34カーペットタイル・リサイクルの仕組み床材を使⽤したビジネスバッグ廃番商品・商品端材の有効活⽤当社商品は、新しい⾒本帳に改訂されると、その新⾒本帳に収録されなかった従来の商品は、廃番商品となり、市場の流通に乗らないデッドストックとなってしまいます。 また、カットロスなどで発⽣する端材は、素材としてはしっかりしているにもかかわらず、インテリア商材として販売できるサイズに満たないなどの事情により、廃棄処分(多くはマテリアルリサイクル)しています。 ⼀⽅で、そういった「もったいない」素材を有効活⽤する取り組みを地域の企業とコラボレーションして進めています。捨てる廃材をバッグヘ〜アップサイクル〜⼯場から出る端材や廃棄物を活⽤したエコプロダクツの企画・販売を⼿掛ける株式会社ウェイストボックス(名古屋市中区)の企画により、廃棄していた重歩⾏フロアやクッションフロアをバッグや雑貨の材料として活⽤しています。 エコブランドショップ「MODECO(名古屋市中区)」にて、アイテムの企画・製造・販売を⾏っています。35 SANGETSU Environmental Report2021地元保育園・学童保育所への旧展⽰商品の提供ショールーム展⽰品の切替えに伴って⽣じる旧カーテン⽣地を本社近郊の保育園・学童保育所に寄贈しています。これらのカーテン⽣地は、従来は廃棄処理されていたものですが、各施設では備品や玩具への装飾、園児・児童達の創作品として利⽤されています。展⽰品の再利⽤を通して近郊保育園・学童保育所との交流を⾏っています。SANGETSU Environmental Report2021 36商品を通じた地球環境保全商品を通じた地球環境保全に対する考え⽅当社が提供する商品の多くは、環境に配慮した形でお客さまに使⽤されます。環境配慮型商品を3カテゴリ+1で定義し、環境配慮商品の開発・販売を通じて、地球環境・⽣活環境の向上に貢献しています。1 省エネインテリアにおいては、主に窓や床⾯などからの熱損失を軽減することが、省エネにつながります。2 省資源商品製造時および使⽤時における省資源を実現します。3 ロングライフす。商品の寿命を⻑くすることで、施⼯から貼り替えまでのサイクルを⻑くし、ライフサイクルで考えた場合の環境負荷低減を実現しま【+】⽣物多様性とのかかわり当社商品の多くは、塩ビを主原料とする⽯油化学製品で、加⼯がしやすくデザインの再現性が⾼いのが特徴です。動物の⽣命を脅かしたり、希少⽊種を伐採したりといった形で⾃然資源を使⽤するのではなく、⾃然のデザインを塩ビ製品で再現することで、その美しさを感じることができる良質な商品を提供しています。こうした商品開発により、⽣物多様性の保全に寄与しています。37 SANGETSU Environmental Report2021重要課題課題省エネ、省資源、ロングライフ商品の開発(単体)⽬標実績環境商品の拡充2020年・省エネ、省資源、ロングライフ商品ロングライフ商品、ワックスフリー商品の拡充、再⽣材100%度の開発商品の発売・「炭素効率」の良い商品の開発2021年度低炭素・資源循環に資する商品の開発商品名省エネ省資源ロングライフ⽣物多様性 とのかかわり環境商品インデックスSP(軽量タイプ)フィルム汚れ防⽌壁紙スーパー耐久性ハードウォールウレタンコート壁紙壁ヒカリケア(光触媒)スーパーストレッチ壁紙ハードストレッチ壁紙エコリフレクト(光拡散)オレフィンエコSANGETSU Environmental Report2021 38商品名省エネ省資源ロングライフ⽣物多様性 とのかかわり遮熱レースカーテン遮熱ドレープ遮熱ロールスクリーン窓ナノレッド(蓄熱)多機能レース(カイテキFR)低放射ガラスフィルムカーペットグラニットフロアタイル(2.5mm厚)リサイクルバッキング仕様カーペットタイル床原着ナイロンカーペット・カーペットタイルNT double ecoノンスキッドフロア(室内⽤除く)全般「⾃然」モチーフのデザイン※主要商品の抜粋です。39 SANGETSU Environmental Report2021商品の環境ラベルエコマーク認定商品2021年11⽉現在材」や「建築設備」を対象に、数多くの建築製品が追加されました。今回の改エコマークは、第三者機関である公益財団法⼈ ⽇本環境協会の認定により付与される環境マークであり、環境ラベル表⽰のタイプIとして運営されています。商品の「⽣産」から「廃棄」までのライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役⽴つと認められた商品につけられます。2010年に、商品類型No.123「建築製品」の改定が⾏われ、我々の住環境を⽀える「建築資定で、その中⼼となったのが“塩ビ建材”です。塩ビを主要な材料として使⽤する「建築資材」や塩ビ製品を部材として使⽤する「建築設備」で、新たに10製品がエコマーク対象製品となり、その認定基準が制定されました。 新たに対象となった製品には「塩ビ系床材」が含まれており、当社の主⼒商品の⼀つとなります。当社では、現在カーテンとカーペットタイル、ニードルパンチカーペットに該当商品がありますが、今後認定商品の拡充を推進していきます。グリーン購⼊法適応商品「環境物品等の調達の推進に関する基本⽅針」により、⼀定基準を満たした環境配慮商品に対しては、「グリーン購⼊法適応商品」とすることができます。当社が販売するインテリア商品としては、「カーテン」「繊維系床材」「⽇射調整フィルム」「ビニル系床材」が対象となります。当社では、グリーン購⼊法適応商品を左記のとおり多数ラインアップしています。2021年11⽉現在SANGETSU Environmental Report2021 40VOICEインテリア事業本部品質管理技術室 室⻑ 伊藤 正庸環境配慮型商品の開発におけるフロー市場のニーズや外部環境、⾃社の現状分析を⾏い新商品の開発計画を策定します。開発計画ではデザイン性や機能性だけでなく、⽣産性や施⼯性、過去に発⽣した商品に対する苦情も加味し、様々な⾓度からリスクベースアプローチの基で課題を抽出します。検証の過程では様々な課題に対して対策を講じ、試作を繰り返し重ねながら新商品の仕様を決定し、新商品を上市します。上市後、商品の設計品質と市場の評価にギャップがないかを調査し、市場からのフィードバックを次の新商品に活かすというPDCAサイクルのスパイラルアップを意識した商品開発を⾏っています。 なお、環境配慮型商品の場合は、環境⽬標と照らし合せて開発計画を策定し、サプライチェーン全体での環境負荷の低減を可能とする商品の開発を進めています。CASBEE(建築環境総合性能評価システム)CASBEEは、建物を環境性能で評価し、格付けする⼿法です。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使⽤といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価します。 CASBEEによる評価では「Sランク(素晴らしい)」から、「Aランク(⼤変良い)」「B+ランク(良い)」「B-ランク(やや劣る)」「Cランク(劣る)」という5段階の格付けが与えられます。CASBEEは、2001年より国⼟交通省の⽀援のもと産官学共同プロジェクトとして設置された研究委員会において開発が進められているもので、2002年には最初の評価ツール「CASBEEー事務所版」が、その後2003年7⽉に「CASBEEー新築」、2004年7⽉に「CASBEEー既存」、2005年7⽉には「CASBEEー改修」が完成しました。この「CASBEEの評価ツール」は、①建築物のライフサイクルを通じた評価ができること、②「建築物の環境品質(Q)」と「建築物の環境負荷(L)」の両側⾯から評価すること、③「環境効率」の考え⽅を⽤いて新たに開発された評価指標「BEE(建築物の環境効率、Built Environment Efficiency)」で評価する、という3つの理念に基づいて開発されています。41 SANGETSU Environmental Report2021CASBEEのイメージLEED(エネルギーと環境デザイン:グリーンビルディング環境性能評価・認証システム)⽶国グリーンビルディング協会(⾮営利団体 USGBC:U.S.GreenBuilding Council)LEED(Leadership in Energy & Environmental Design)は、環境に配慮した建物に与えられる、第三者認証による格付けシステムであり、⽶国グリーンビルディング協会により開発・運営されています。1998年に新築建築物の評価を対象とした最初の評価ツールが発表されて以降、現在(LEED v4)では評価対象ごとに5つの認証システムが構築されています。また、LEEDのクレジット(評価項⽬)は、LEED-BD+Cの場合には7つの評価カテゴリー、55項⽬に対して評価し、合計ポイントに応じて評価ランクが決定します。SANGETSU Environmental Report2021 4240p/Certified (標準認証)、50p/Silver、60p/Gold、80p/Platinumの4種類【認証ランク】LEED認証システム評価システム評価対象BD+C建築設計および建設新築または⼤規模改修テナントビルのオーナー⼯事学校、⼩売、データセンター、倉庫、流通センター、宿泊施設、病院ID+Cインテリア設計および建設商業エリア、⼩売、宿泊施設HOMES住宅住宅O+M既存ビル運⽤メンテナンス既存ビル、⼩売、学校、宿泊施設、データセンター、倉庫、流通センターND近隣開発新規の⼟地開発および再開発LEEDクレジット(評価項⽬)評価カテゴリー評価項⽬※必須項⽬※Location & Transportation (⽴地と交通)8項⽬(16p)なしSustainable Site (敷地選定)7項⽬(10p)1項⽬Water Efficiency (⽔の利⽤)7項⽬(11p)3項⽬Energy & Atmosphere (エネルギーと⼤気)11項⽬(33p)4項⽬Materials & Resources (材料と資源)7項⽬(13p)2項⽬Indoor Environmental Quality (室内環境)11項⽬(16p)2項⽬Innovation (⾰新性)2項⽬(6p)Regional Priority (地域別重み付け)1項⽬(4p)なしなし合計 ※Integrative Process 1項⽬含む55項⽬(110p)12項⽬※BD+Cの場合43 SANGETSU Environmental Report2021GREEN LABEL PLUS(グリーンラベルプラス)使⽤する建築材料について、床材においては、リサイクル材料の使⽤やVOC(揮発性有機化合物)放散量が評価項⽬とされており、その基準をクリアしたことを⽰す下記の認証を受けた材料について、ポイントの獲得に寄与することができます。認証マーク【グリーンラベルプラス】⽶国カーペット・ラグ協会(CRI : The Carpet and Rug Institute)による認証プログラム。 ホルムアルデヒドなど13種類の揮発性物質等の放散量について厳格な基準を定め、この基準認証システムをクリアした製品に対して与えられる認証プログラム。※この認証商品を採⽤することで、上記クレジットの「Indoor Environmental Quality(室内環境)」の項⽬でポイントの獲得に寄与します。サンゲツ対象商品パイル:ナイロン100% 【全ナイロン製カーペットタイル】バッキング:PVCとガラス不織布エコリーフ環境ラベルエコリーフ環境ラベルは資源採取から製造、物流、使⽤、廃棄・リサイクルまでの、製品の全ライフサイクルにわたって、LCA(ライフサイクルアセスメント)による、定量的な環境情報を開⽰する環境ラベルです。サンゲツ対象商品(100%リサイクル⽷・リサイクルバッキング使⽤) NT double eco NT-7300H eco クロスラインⅠ NT-7310H eco クロスラインⅡSANGETSU Environmental Report2021 44ロングライフ商品単層塩ビ床材グラニットグラニット総点数:20点 (2021年11⽉時点)⾼性能の理由は緻密な単層構造グラニットは、たいへん粒⼦の細かい塩ビ樹脂、鉱物などを原料とした緻密な単層構造により、表⾯の凹凸が少なく、汚れや薬品が⼊り込みにくい商品です。⽇常メンテナンスでは、表⾯のふき取りのみで汚れが除去できます。 歩⾏などの摩耗により表⾯に傷が⽣じた場合でも、⾃動床洗浄機により汚れを落としつつ表⾯を磨くことにより、防汚機能を再⽣できるため、製品寿命を通じて永久ワックスフリーを実現した環境負荷の⼩さい商品です。ワックス不要、メンテナンスが容易で、廃液(汚⽔、ワックス、剥離剤)を最⼩限化します。また、ワックス塗布・剥離のワックスフリーを実現ための電⼒消費を抑えることができます。環境にやさしい商品メンテナンスが容易で廃液(汚⽔・剥離剤等)を最⼩限にします。床材の⻑寿命化により余分な廃材も出しません。また、再⽣塩ビ樹脂系材料を25%以上(製品重量⽐)使⽤したグリーン購⼊法適応商品です。消毒液に含まれるアルコールや次亜塩素酸に対する耐久性があります。病院などでしばしば⾒られる、薬品による床の変⾊を防ぐことができます。また耐動荷重性に優れ、ストレッチャーや配膳⾞などが⾛⾏する場所でも破損や膨れが⽣じにくい優れた耐薬品性・耐動荷重性特⻑があります。45 SANGETSU Environmental Report2021原着ナイロン(6.6ナイロン) カーペット・カーペットタイルカーペット:29柄66点 カーペットタイル:42柄222点   (2021年11⽉時点)当社のカーペット・カーペットタイルは耐候性や耐薬品性に優れた原着ナイロン(6.6ナイロン)を使⽤した商品を多数展開しています。原着ナイロン(6.6ナイロン)は⽷になる前の溶液段階で⾊を練り込んでいるので、繊維の内部まで染まっており、さまざまな特性があります。防汚性当社で使⽤している四⾓中空⽷は、光の拡散により汚れが⽬⽴ちにくい効果を発揮します。がんこな汚れも除去しやすく、本来の⾊を保ち続けます。耐久性と弾性回復⼒歩⾏による摩擦がもたらす表⾯の⾊落ちが少なく、弾性回復⼒も優れています。直射⽇光による⾊褪せが少ない素材です。耐光堅ろう度試験でも性能を実証。開⼝部の広い空間にもお使いいただけます。塩素系漂⽩剤や薬品に対して耐性があり⾊落ちしにくい素材です。クリーニングに漂⽩剤を⽤いる場合も安⼼です。耐候性耐薬品性塩素系漂⽩剤滴下試験SANGETSU Environmental Report2021 46省エネ商品低放射ガラスフィルム低放射ガラスフィルムは年間を通じて省エネ効果を発揮する機能を持っています。夏は外からの熱を遮り、冬は室内の暖気を逃がしにくく、暑さと寒さの両⽅を軽減することができます。夏は涼しく冬は暖かい、省エネフィルム1.夏は⽇射を遮り、室内の温度上昇を抑えます。2.冬は室内の暖気を窓から逃さず、室内の暖かさを保ちます。3.年間を通じて省エネ効果が期待できます。VOICEインテリア事業本部壁装事業部 商品開発課 課⻑ 坂⼾ 雅彦年間を通じて省エネ効果を発揮する低放射ガラスフィルム夏も冬も、年間を通じて省エネに貢献できるガラスフィルムをつくりたいという思いから、技術⼒のある企業と提携して開発した商品が、低放射ガラスフィルムです。従来の遮熱フィルム同様の、夏場の冷房時の省エネ効果に加え、断熱機能も備えているため、冬場の省エネにも効果を発揮します。低放射ガラスフィルムの施⼯窓の表⾯温度を測定すると、未施⼯窓と⽐較して明らかに⾼い温度であることが確認できます。 私たちはこれからも、快適な室内環境づくりに貢献できる商品を開発していきたいと思っています。47 SANGETSU Environmental Report2021エコリフレクト(光拡散)室内をより明るくする機能性壁紙です。 ⾼い光の反射を有する特殊配合により室内をより明るくする効果があります。オフィス棟での照明器具の削減、住宅での⽇中の消灯による電⼒削減など、省エネ効果が期待できます。蛍光灯・⽩熱電球・LEDなど幅広い照明器具に対応します。(※特許取得商品)遮熱レースシアーカーテン(レース、ボイル、オーガンジ⼀、エンブロイダリー、ケースメント、薄⼿⽣地のプリントカーテン)のうち、⼀般社団法⼈⽇本インテリア協会(NIF)で制定された基準に適合し、室内温度の上昇を抑制するとともに昼間の室内に適度な明るさを採り⼊れ、⼀般のシアーカーテンと⽐較して節電対策上の相対的効果が認められるものです。※試験⽅法:カケンレフランプ法(インテリア法)遮熱ドレープれる商品です。※レースカーテンで表⽰している遮熱とは基準が異なります。屋外からの⽇射熱を遮り、室内温度の上昇を抑制することで、⼀般的なドレープに⽐べて節電対策上の相対的効果が認めらSANGETSU Environmental Report2021 48※上昇温度は、初期温度から上がった温度の量を⽰す(初期:0℃)多機能カーテンカイテキ FR光拡散性・採光性・遮像性ネ効果が期待できます。遮熱性・保温性待できます。帝⼈フロンティア(株)と当社で共同開発

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