開示日時:2022/05/19 13:30:00
損益
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | EPS |
2018.03 | 325,544 | 5,324 | 5,338 | -34.8 |
2019.03 | 384,170 | 15,317 | 15,605 | 29.35 |
2020.03 | 633,298 | 80,566 | 80,148 | 84.04 |
2021.03 | 674,241 | 21,157 | 19,629 | 15.7 |
※金額の単位は[万円]
株価
前日終値 | 50日平均 | 200日平均 | 実績PER | 予想PER |
951.0 | 1,063.12 | 1,309.91 | 31.38 | – |
※金額の単位は[円]
キャッシュフロー
決算期 | フリーCF | 営業CF |
2018.03 | -132,686 | -53,411 |
2019.03 | 20,989 | 49,990 |
2020.03 | 140,270 | 149,908 |
2021.03 | 115,063 | 123,461 |
※金額の単位は[万円]
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各 位 1.経緯 2022 年5月 19 日 会 社 名 株式会社多摩川ホールディングス 代表者名 代表取締役社長 桝沢 徹 問合せ先 経営企画部 山内 加奈 電話番号 03-6435-6933 (東証スタンダード市場・コード6838) 小型原子時計を用いた次世代高周波発振器の開発成功に関するお知らせ この度、当社は東北大学の協力を得て、小型原子時計に高周波発振水晶振動子(脚注1)を組込んだ次世代高周波発振器の開発に成功いたしましたのでお知らせいたします。 記 2019 年 2 月 14 日付「東北大学(宮城県仙台市)との共同研究の開始に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、当社は自然エネルギー(太陽光、風力、バイオマス、温泉熱他)分野での活用が見込まれております。余剰電力の最適化機器制御・モニタリングシステムの研究開発について、東北大学マイクロシステム融合研究開発センター・古屋泰文学術研究員(前東北大学特任教授)を研究担当代表者とする共同研究を進めて参りました。 また、2020 年 7 月 6 日付「小型原子時計および原子時計を利用したアプリケーションの研究開始について」にて公表いたしましたとおり、東北大学工学研究科・小野崇人教授を研究担当代表者とした小型原子時計(Miniature Atomic Clock)および原子時計を利用したアプリケーションの共同研究についても進め両共同研究等によるご支援の基、当社は、次世代通信における高周波光・無線通信機器の核となる低消ております。 費高周波発振器の検討を進めて参りました。 2.今回の開発について 現在、Society5.0 や Post COVID-19 の世界を見据え、社会や産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、人やモノを接点とする膨大なデータをつなぐ基盤である通信インフラには更なる大容量化・高度化が期待されております。 人工衛星や惑星探査機、通信基地局等に利用されている原子時計は、時刻同期として用いる際は GPS (Global Positioning System)信号から UTC (協定世界時, Universal Time Coordinated)と同期させ、複数の基地局間や端末間における信号の送受信の時間の遅れをより小さくすることが可能となります。従来の原子時計は、基準クロック信号を送る VCO(電圧制御発信器、脚注2)に 10MHz の水晶振動子が利用されており、近年の 5G/6G 高周波通信より低い周波数となっております。 この度、当社は、より高周波域まで温度安定の特性を有する 640MHz の水晶振動子を組み込んだ高周波発振器(図1)を開発し、基準クロック周波数を従来の 64 倍とすることに成功しました。これにより、周波数のずれによるジッタノイズが抑制された高精細かつ低消費の高周波通信が実現されます。 (a) VCO (b) (c) 図1開発した高周波発振器の原理と 周波数解析装置で実測された 5G/6G 向け高周波発振器の位相ノイズ測定結果 (a) 量子光学現象である CPT(Coherent Population Trapping)共鳴の説明。基底準位間のエネルギーは原子固有のきわめて安定な特性を持っている。87Rb の場合、周波数に変換すると 6.83GHz であり、このエネルギー差をレーザーにより、電気信号に変換し、水晶振動子の発振クロックにすることで安定な時計を生み出す。 (b) 高周波発振電圧制御型水晶振動子(VCO)を利用した高周波発振器の概略ブロック図。基準電気信号を取り出す VCO に、基本モードが従来の 10MHz から 64 倍の 640MHz の水晶発振器を利用することで、高周波通信に対応した設計となっている。 (c) 位相ノイズ測定(縦軸強度比[dB]、横軸周波数[Hz])から、RMSジッタノイズ(12 kHz – 20 MHz)は、世界有数レベルの 8.7 フェムトセカンドを達成した。 3.今後の取組みについて 今回の開発を起点に、政府が推進する次世代通信・デジタル高速処理技術を統合化した社会基盤構築(精度の高い自動運転、ロボット制御、よりセキュリティの高い電子決済等)や、デジタル田園都市(スマートシティ)構想の実現に不可欠な高周波帯域の通信デバイス開発を加速させ、次世代通信インフラの安全性・信頼性の一層の確保に貢献して参ります。 <用語の説明> となっている。 脚注1:水晶振動子は、水晶(石英)の圧電効果を利用して高い周波数精度の発振を起こす能動素子の一つである。クォーツ時計、無線通信、コンピュータなど、現代のエレクトロニクスには欠かせない部品脚注2:VCOは Voltage Controlled Oscillator の略。電圧で発振周波数を制御する発振器。図1参照。 【技術的なお問い合わせ】 担当:経営企画部 西野 ・下記お問合せフォームにて承っております。 https://www.tmex.co.jp/tech_inq/ 以 上