カルナバイオサイエンス(4572) – BTK阻害剤AS-1763に関するアメリカ癌学会年次総会での発表のお知らせ

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開示日時:2022/04/12 08:00:00

損益

決算期 売上高 営業益 経常益 EPS
2018.12 75,469 -114,452 -114,570 -125.02
2019.12 320,742 97,778 97,571 74.51
2020.12 113,335 -105,707 -105,632 -90.33

※金額の単位は[万円]

株価

前日終値 50日平均 200日平均 実績PER 予想PER
1,068.0 1,010.68 1,182.675 -20.75

※金額の単位は[円]

キャッシュフロー

決算期 フリーCF 営業CF
2018.12 -118,634 -112,803
2019.12 143,574 147,777
2020.12 -132,983 -126,097

※金額の単位は[万円]

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各 位 2022年4月12日 会 社 名 カルナバイオサイエンス株式会社 代表者名 代表取締役社長 吉野 公一郎 (コード番号:4572) 問合せ先 取締役経営管理本部長 山本 詠美 (TEL: 078-302-7075) BTK阻害剤AS-1763に関するアメリカ癌学会年次総会での発表のお知らせ 当社は、2022年4月11日(米国時間)に米国ルイジアナ州ニューオーリンズで開催中のアメリカ癌学会年次総会(AACR Annual Meeting 2022)において、当社が開発中の次世代型BTK阻害剤AS-1763の創薬研究およびフェーズ1試験SADパートの結果に関する発表を行いましたので、その概要をお知らせいたします。 (1)AS-1763の創製研究および非臨床試験に関する発表 アブストラクト番号 1400 ポスタータイトル AS-1763: a highly potent, noncovalent and next generation BTK inhibitor for the treatment of patients with B-cell malignancies having C481S mutation in BTK High-throughput Screening, Drug Design, and Natural Products in Cancer Wataru Kawahata, Tokiko Asami, Takao Kiyoi, Takayuki Irie, Shigeki Kashimoto, Hatsuo Furuichi, Kyoko Miyamoto, Akinori Arimura, Masaaki Sawa セッション 発表者 ポスター発表の概要 BTKは、非受容体型チロシンキナーゼの1種であり、B細胞の分化・増殖に関与するB細胞抗原受容体(BCR)シグナル伝達に重要な役割をしていることが知られており、慢性リンパ性白血病(CLL)などの血液がんの重要な治療標的として認識されています。第1世代の共有結合型BTK阻害薬は、B細胞腫瘍の有効な治療薬として幅広く使われていますが、近年、これらの共有結合型BTK阻害剤に対する薬剤耐性が深刻な問題となってきています。これらの耐性患者において481番目のシステインがセリンに変異(C481S変異)したBTKが高頻度に見い出されていることから、このC481S変異が第1世代BTK阻害剤の共有結合を妨げ阻害活性を低下させることが主な薬剤耐性の原因と考えられています。このような背景からBTK C481S耐性変異に対する新しい治療方法の開発が非常に望まれており、次世代型非共有結合型BTK阻害剤は、この薬剤耐性患者の有望な治療薬として大変期待されています。 今回、BTKにより増殖が制御されているヒトB細胞非ホジキンリンパ腫細胞株(OCI-Ly10細胞)に対して強い増殖抑制活性を示しつつ、C481S耐性変異をもつBTKも阻害する新しいBTK阻害剤を創出することを- 1 – 目的として、当社の保有するリード化合物を出発点として構造最適化を実施いたしました。その結果、非常に高いキナーゼ選択性を示し、野生型およびC481S耐性変異をもつBTKの両方を強く阻害する化合物AS-1763を見出しました。 本ポスターでは以下の結果について詳細を報告いたしました。 リード化合物から構造最適研究を実施してAS-1763を創出した リコンビナント酵素アッセイおよび細胞アッセイにおいて、AS-1763は野生型およびC481S耐性変 291キナーゼを含むキナーゼ選択性プロファイリング評価において、AS-1763は非常に高い選択性異をもつBTKの両方を強く阻害した を示した ヒト初代培養細胞を用いたPhenotypic screening(BioMAP® Diversity PLUS® Panel)においてもAS-1763はB細胞系バイオマーカーのみに作用したことから高い選択性が示唆された AS-1763は、OCI-Ly10細胞およびC481S変異BTKを導入したOCI-Ly10細胞(イブルチニブ耐性リンパ腫モデル)を用いた担癌マウスモデルにおいて高い抗腫瘍効果を示した 治験許可申請(IND)に必要な前臨床試験において、Ames試験、小核試験ともに陰性であり、安全性薬理試験(心血管系、呼吸系および中枢神経系)に対する作用もなく、安全性が確認された マウスおよびイヌを用いた28日間の反復投与毒性試験において、それぞれの最高投与用量(500 mg/kg/dayおよび200 mg/kg/day)において毒性が観察されなかったことから、NOAEL(No Observed Adverse Effect Level、無毒性量)は、それぞれ500 mg/kg/dayおよび200 mg/kg/dayと決定した 以上の結果に基づき、AS-1763を医薬品候補化合物として選択し、現在フェーズ1試験を実施して(2)AS-1763のフェーズ1試験結果に関する発表 アブストラクト番号 CT137 いる ポスタータイトル セッション 発表者 ポスター発表の概要 Safety, pharmacokinetics, and pharmacodynamics of AS-1763, a highly in healthy selective, orally bioavailable, non-covalent BTK volunteers Phase I Clinical Trials 1 inhibitor, Akinori Arimura, Kyoko Miyamoto, Maria Velinova, Marieke van den Dobbelsteen, Katsuhiro Mihara, Robert M. Miller, Masaaki Sawa B細胞抗原受容体(BCR)-BTKシグナル経路は、正常B細胞だけでなくB細胞腫瘍の分化・増殖に関与するシグナル伝達に重要な役割をしていることが知られています。イブルチニブのような共有結合型BTK阻害薬は、B細胞腫瘍の治療薬として承認されていますが、長期間の使用で薬剤耐性が発生したり、オフターゲットキナーゼ阻害活性に基づく副作用等が報告されています。 – 2 – AS-1763は当社が創製した高いキナーゼ選択性を有する経口投与可能なBTK阻害剤で、野生型およびC481S耐性変異をもつBTKの両方を強く阻害することから、イブルチニブが効果を示さない慢性リンパ性白血病(CLL)などのB細胞リンパ腫患者にも有効な治療薬として開発を進めています。 今回、健康成人を対象として実施した第1相臨床試験(EudraCT number 2020-005599-37)の結果についてポスター発表いたしました。 本ポスターでは以下の結果について詳細を報告いたしました。 <試験デザイン> 2パートで構成 プラセボ対照無作為化二重盲検・用量漸増単回経口投与(SAD)パート、および100 mgタブレット製剤を簡易製剤(溶液)と比較するオープンラベル相対的バイオアベイラビリティ(BA)パートの SADパートは18歳から64歳までの健康成人男女(8名ずつの2コホート)を対象とし、5, 25, 100, 300, 500, 600 mgのAS-1763溶液(簡易製剤)もしくはプラセボを経口投与し、安全性および忍容性、薬物動態(PK)、薬力学(PD; CD69を指標としたB細胞活性化抑制活性)を評価 BAパートは、別コホート(8名)を対象として、100 mgタブレットの単回経口投与後の薬物動態を測定し、相対的BAを評価 <結果> SADパートにおいて、AS-1763の600 mg(最高用量)単回投与までの用量で忍容性を確認 重篤な有害事象(AE)の発現はなし 1名の被験者において、2つのグレード2のAEが報告されたが、薬剤に関連するものではなかった その他に報告されたAEは、軽度のものであり、用量相関性はなかった また臨床的安全性として評価した全てのパラメータ(心電図、バイタルサイン等)においても、薬剤投与に関連する変化はなく、安全性が確認された PK評価において、薬剤経口投与後、AS-1763の血中濃度は速やかに上昇し、その後、2相性で低下(tmax中央値:0.5~1.5時間、t1/2平均値:8.4~12.1時間) 暴露量は、500 mgまで用量依存性が確認された PD評価において、AS-1763の5 mg投与から用量依存的にB細胞の活性化(CD69発現増加)が抑制された B細胞の活性化抑制は、100~600 mgのAS-1763投与後1~2時間で最大に達し(80%以上の抑制)、その強い抑制効果は、100, 300, 500, 600 mgの投与後、それぞれ2, 6, 8, 8時間まで持続した。 PK-PD相関解析の結果、B細胞活性化抑制のIC50値は10.5 ng/mLと算出された BAパートにおいて、100 mgタブレット製剤は、溶液製剤と比べて少し暴露が低いものの、ほぼ同等のPKプロファイルを示した これらの結果から、再発/難治性CLLおよびB-cell NHL患者を対象とした第1b相試験において、AS-1763タブレット製剤の1日2回投与レジメンが推奨された – 3 – 以上 BTK阻害剤AS-1763について AS-1763は、慢性リンパ性白血病(CLL)を含む成熟B細胞腫瘍の治療を目的として開発中の、野生型およびC481S変異型Bruton’s Tyrosine Kinase(BTK)の両方を阻害する高選択性で非共有結合型の経口投与可能な化合物です。イブルチニブを代表とする第1世代の共有結合型BTK阻害薬は、CLLや他の成熟B細胞腫瘍の標準選択薬として使用されています。しかしながら、多くの患者で、BTKの481番目のシステイン残基(C481)がセリンに置き換わる変異が生じて、第1世代の共有結合型BTK阻害剤の結合が弱まり、薬剤耐性になることが報告されています。AS-1763は、野生型およびC481変異BTKのリンパ腫細胞の両方の増殖を強く阻害することから、野生型のみならずC481変異BTKをもつ患者の治療にも有効と考えられます。 – 4 –

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