エーザイ(4523) – 2022年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)

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開示日時:2022/05/13 12:30:00

損益

決算期 売上高 営業益 経常益 EPS
2018.03 60,005,400 7,721,200 7,721,200 180.97
2019.03 64,283,400 8,615,400 8,615,400 221.12
2020.03 69,562,100 12,550,300 12,550,300 424.8
2021.03 64,594,200 5,176,600 5,176,600 146.9

※金額の単位は[万円]

株価

前日終値 50日平均 200日平均 実績PER 予想PER
6,200.0 7,110.6 8,289.73 28.43 36.99

※金額の単位は[円]

キャッシュフロー

決算期 フリーCF 営業CF
2018.03 12,491,600 14,964,900
2019.03 7,609,200 10,371,400
2020.03 5,255,600 10,278,200
2021.03 3,570,900 7,385,300

※金額の単位は[万円]

▼テキスト箇所の抽出

2022年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)上場取引所2022年5月13日東(氏名) 内藤 晴夫(氏名) 佐々木 小夜子TEL 03-3817-5120配当支払開始予定日2022年5月25日上場会社名 エーザイ株式会社コード番号 4523代表者(役職名) 代表執行役CEOURL https://www.eisai.co.jp問合せ先責任者 (役職名)執行役チーフIRオフィサー兼ステークホルダー コミュニケーション担当定時株主総会開催予定日有価証券報告書提出予定日決算補足説明資料作成の有無 : 有: 有決算説明会開催の有無2022年6月17日2022年6月17日1. 2022年3月期の連結業績(2021年4月1日〜2022年3月31日)(1) 連結経営成績(百万円未満四捨五入)親会社の所有者に帰属する当期利益(%表示は対前期増減率)当期包括利益合計額売上収益営業利益税引前利益当期利益2022年3月期2021年3月期百万円756,226645,942%17.1△7.1百万円%53,7504.351,511 △59.0百万円%54,4584.152,296 △59.2百万円%45,7178.142,306 △65.5百万円%47,95414.341,942 △65.6百万円%90,77728.170,853 △26.3基本的1株当たり当期利益希薄化後1株当たり当期利益資産合計税引前利益率 売上収益営業利益率親会社所有者帰属持分当期利益率円 銭167.27146.34円 銭167.25146.29%6.66.1%4.74.9(参考) 持分法による投資損益2022年3月期 △160百万円2021年3月期 △203百万円資産合計資本合計親会社の所有者に帰属する持分親会社所有者帰属持分比率1株当たり親会社所有者帰属持分百万円1,239,3151,088,427百万円771,534726,360百万円748,821701,601%60.464.5(3) 連結キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フロー現金及び現金同等物期末残高百万円117,59073,067百万円△28,848△36,0862022年3月期2021年3月期(2) 連結財政状態2022年3月期2021年3月期2022年3月期2021年3月期2. 配当の状況年間配当金第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末円 銭円 銭2021年3月期2022年3月期2023年3月期(予想)―――円 銭80.0080.0080.00―――円 銭80.0080.0080.00円 銭160.00160.00160.00期末合計配当金総額(合計) 配当性向(連結)親会社所有者帰属持分配当率(連結)%109.395.7100.7円 銭2,611.822,447.45百万円309,633248,740%7.18.0%6.66.3百万円△48,967△55,908百万円45,87345,8813. 2023年 3月期の連結業績予想(2022年 4月 1日〜2023年 3月31日)売上収益営業利益税引前利益当期利益通期百万円700,000%△7.4百万円55,000%2.3百万円55,500%1.9百万円46,500%1.7百万円45,500%△5.1円 銭158.85親会社の所有者に帰属する当期利益(%表示は、対前期増減率)基本的1株当たり当期利益※ 注記事項(1) 期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) : 無(2) 会計方針の変更・会計上の見積りの変更① IFRSにより要求される会計方針の変更  : 有② ①以外の会計方針の変更 : 有③ 会計上の見積りの変更 : 無(3) 発行済株式数(普通株式)① 期末発行済株式数(自己株式を含む)② 期末自己株式数③ 期中平均株式数2022年3月期2022年3月期2022年3月期信託として保有する当社株式61,510株は、期末自己株式数に含めていませんが、期中平均株式数には、基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定において控除する自己株式として含めています。296,566,949 株 2021年3月期9,801,133 株 2021年3月期286,685,347 株 2021年3月期296,566,949 株9,839,021 株286,616,063 株(参考)個別業績の概要2022年3月期の個別業績(2021年4月1日〜2022年3月31日)(1) 個別経営成績2022年3月期2021年3月期売上高百万円417,134345,726%20.7△24.8円 銭23.5124.591株当たり当期純利益潜在株式調整後1株当たり当期純利益円 銭23.5124.59営業利益百万円14,5887,135%104.5△93.4経常利益百万円14,0748,398%67.6△93.1(%表示は対前期増減率)当期純利益百万円6,7417,049%△4.4△94.02022年3月期2021年3月期(2) 個別財政状態2022年3月期2021年3月期(参考) 自己資本総資産純資産自己資本比率1株当たり純資産百万円822,250746,6032022年3月期 465,911百万円百万円465,938507,0212021年3月期 506,968百万円%56.767.9円 銭1,625.061,768.50※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項(将来に関する記述等についてのご注意)本発表において提供される資料ならびに情報は、本資料発表日時点における予想、目標、評価、見通し、リスクを伴う想定などの不確実性に基づくものを含んでいます。従って、さまざまな要因の変化により、将来予想などが実際の結果と大きく乖離する可能性があります。予想数値、予想の前提条件その他に関する事項については、11、42〜52ページをご参照ください。(決算補足説明資料及び決算説明会内容の入手方法)決算補足説明資料は、決算短信に添付しています。また、2022年5月13日(金)に機関投資家・アナリスト向けに決算説明会を開催する予定です。この説明会で配布した資料等については、当社コーポレートサイトに掲載する予定です。【添付資料】 添付資 料の目次 1.経営成績等の概況 (ページ) 1) 当期の経営成績・財政状態 の概況 (1) 事業の概況 (2) 経営成績の概況 (3) 財政状態 の概況 (4) 研究開発などの状況 2) 今後の見通し 3) 利益配分に関する考え方および当期・次期の配当 2.経営方針 1) 企業理念 2) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題 3) 資本政策の基本的な方針 4) ESGをはじめとする非財務価値向上と情報開示 5) コンプライアンス・リスク管理 3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 4.連結財務諸表及び主な注記 1) 連結損益計算書 2) 連結包括利益計算書 3) 連結財政状態計算書 4) 連結持分変動計算書 5) 連結キャッシュ・フロー計算書 6) 連結財務諸表に関する注記事項 (継続企業の前提に関する注記) (連結財務諸表作成の基礎) (重要な会計方針) (重要な会計上の見積り及び判断) (セグメント情報) (連結損益計算書) (1株当たり当期利益) (連結キャッシュ・フロー計算書) (企業結合) (重要な後発事象) 5.その他 1) 将来予想に関する事項と事業等のリスク 2) 企業集団の概況 3) 役員の異動 ・・・・・・・・・・・ 2 ・・・・・・・・・・・ 2 ・・・・・・・・・・・ 5 ・・・・・・・・・・・ 5 ・・・・・・・・・・・ 11 ・・・・・・・・・・・ 11 ・・・・・・・・・・・ 12 ・・・・・・・・・・・ 12 ・・・・・・・・・・・ 14 ・・・・・・・・・・・ 15 ・・・・・・・・・・・ 16 ・・・・・・・・・・・ 16 ・・・・・・・・・・・ 17 ・・・・・・・・・・・ 18 ・・・・・・・・・・・ 19 ・・・・・・・・・・・ 21 ・・・・・・・・・・・ 23 ・・・・・・・・・・・ 24 ・・・・・・・・・・・ 24 ・・・・・・・・・・・ 26 ・・・・・・・・・・・ 34 ・・・・・・・・・・・ 35 ・・・・・・・・・・・ 37 ・・・・・・・・・・・ 40 ・・・・・・・・・・・ 40 ・・・・・・・・・・・ 41 ・・・・・・・・・・・ 41 ・・・・・・・・・・・ 42 ・・・・・・・・・・・ 53 ・・・・・・・・・・・ 56 エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 1 -1.経営成績等の概況 1)当期の経営成績・財政状態の概況 (1)事業の概況 ○ 当 社 グループは 2021 年 4 月 よりス ター トし た 中 期 経 営 計 画 「EWAY Future & Beyond」に基 づき、「患 者 様 とそのご家 族 」 から「患 者 様 と生 活 者 の皆 様」 に視 点 を拡 大し、人々の健康 憂 慮 解消 に向けたソリューションをお届けすべく、他 産業との協業によるエコシステムの構築をめざしています。 ○ ニューロロジー領 域 では、抗 アミロイドβプロトフィブリル抗 体 レカネマブ(一 般 名 )について、2022 年 5 月に、米国における生物製剤ライセンスの段階的申 請を完了し、同 年 内 の迅 速 承 認 取 得 を追 求しています。 早 期 アルツハイマー病 (AD )を対 象 とした Clarity AD(フェーズⅢ試験)については、2022 年秋に 主要評価項 目の結果取得 を め ざし てい ま す 。プ レ ク リ ニ カ ル ( 無 症 状 期 )AD を 対 象 と し た AHEAD 3-45(フェーズⅢ試験)についても順調に患者様の登録が進んでいます。また、不眠症治療 剤 「デエビゴ」(英 名 「Dayvigo 」)については発 売 国 の拡 大 、抗 てんかん剤 「フィコンパ」(英 名 「Fycompa 」)については新 適 応 の追 加が進 展 しています。 さらに、中 国において、京 東 健 康との協 業 により、認 知 症を対 象としたワンストップオンライン健 康プラットフォームを構 築し、中 国 全土での高 質な医 薬品 ・医 療サービスの提 供をめざしています。 ○ オンコロジー領 域 では、抗 がん剤 「レンビマ」と、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(以下 米メルク社)の抗 PD-1 抗体ペムブロリズマブ(一般名)との併 用による腎細 胞 がん、子 宮 内 膜 がんに係 る適 応 が日 本 ・米 国 ・欧 州・アジア等 で承 認 され、患者様貢献が拡大した結果、「レンビマ」の売上収益は 1,923 億円と前期から大きく成長しました。また、当社が創製した抗体薬物複合 体「MORAb-202」(開発品コード)について、Bristol Myers Squibb(米国、以下 BMS 社)とグローバルな独占的戦略的提携契約を締結し、共同開発を行っています 。 ○ 当期( 2021 年 4 月 1 日~2022 年 3 月 31 日)の連結業績は、次のとおりです。 2020 年度 2021 年度 前期比 (単 位 :億 円 、%) (2)経営成績の概況 [売上収益、利益の状況] 売売売研営当上収上益 原価 上究総開利発益 費 販 売 費 及 び 一 般 管 理費 そ の 他 の 収 益 税 引 前 当 期 利 益 業期利益 利益 親会社の所有者に帰属する当期利益 当 期 包 括 利 益 6,459 1,613 4,846 2,816 1,503 15 515 523 423 419 709 7,562 1,748 5,814 3,664 1,717 146 537 545 457 480 908 117.1 108.4 120.0 130.1 114.2 1009.8 104.3 104.1 108.1 114.3 128.1 114.3 基 本 的 1 株 当 た り 当 期 利益 146 円 34 銭 167 円 27 銭 エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 2 -○ 売上 収 益は、「レンビマ」をはじめとするグローバルブランドが引き続き伸 長したことに加え、「MORAb-202」に関する BMS 社との戦略的提携による契約一時金 496 億円の受領および米メルク社からの販売マイルストンペイメントの増加(当期 692 億円、前期 207 億円)などにより、大幅な増収となりました。 ○ グローバルブランドの売上収益は、「レンビマ」が 1,923 億円(前期比 143.6%)、抗がん剤「ハラヴェン」が 394 億円(同 104.8%)、「フィコンパ」が 319 億円(同 119.2%)、「デエビゴ」が 164 億円(前期は 31 億円)となりました。 ○ 売上 原 価は、AD 治療 剤「 Aduhelm」(一般 名:アデュカヌマブ)について、事業 環 境等の変化を踏まえた 需要予測の見直しに伴う販売権の減損損 失 を計上したことなどにより増 加 しましたが、ライセンス供 与 による収 益 の増 加 や製 品 ミックスの改 善 により、売上原価率は低下しました。 ○ 販 売 費 及 び一 般 管 理 費 は、「レンビマ」の売 上収 益 拡 大 に伴 う米 メルク社 への折 半利 益 の支 払 いや「Aduhelm」の上 市 関 連 費 用 が増 加 したことに加 え、「Aduhelm」の需要予測の見直しに伴う費用を 計上したことにより、大幅に増加しました。 ○ 研究開 発費は、米メルク社から受領した「レンビマ」の開発マイルストンペイメントを戻入として計上するなど、パートナーシップモデルの活用による費用抑制 を進めた一方で、当社子会社である EA ファーマ株式会社(東京都、以下 EA ファーマ)における開発パイプラインの見 直 しに加え、レカネマブおよび「レンビマ」などへの積極 的な資源投入により、大幅に増 加しました。 ○ その他 の収 益 は、抗 てんかん剤 「Zonegran」の欧 州 、中 東 、ロシア、オーストラリアにおける権利の譲渡により、大幅に増加しました。 ○ 以上の結果、営業利益ならびに当期利益は増益となりました。 [セグメントの状況] (各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです) 当 社 グループは、セグメントを医 薬 品 事 業 とその他 事 業 に区 分 しており、医 薬 品 事 業を構 成する日 本、アメリカス(北 米)、中 国 、EMEA(欧州 、中 東、アフリカ、ロシア、オセアニア)、アジア・ラテンアメリカ(韓 国 、台 湾 、香 港 、インド、アセアン、中 南 米 等 )、一 般 用医薬品等(日本)の 6 つの事業セグメントを報告セグメントとしています。 <日本医薬品事業> ○ 売上収益は 2,140 億円(前期比 92.3%)、セグメント利益は 612 億円(同 73.0%)となりました。ファイザー社 と共 同 販 促 を展 開 している疼 痛 治 療 剤 「リリカ」のジェネリック品上市や 2020 年 12 月の抗がん剤「トレアキシン」の提携契約満了による販売移管のほか、薬価改定の影響などにより、減収減益となりました。 ○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「デエビゴ」が 127 億円(前期は 20 億 円 )、アルツハイマー型 認 知 症 治 療 剤 「アリセ プト」は 69 億 円 (前 期 比74.1%)となりました。不眠症治療剤「ルネスタ」が 69 億円(同 49.2%)、「リリカ」の共同 販 促 収 入 は 57 億 円 (同 26.6%)と なっ た一 方 、「フ ィコンパ」は 54 億 円 (同105.2%)となりました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が 103 億円(同 84.9%)、「ハラヴェン」は 83 億円(同 98.3%)となりました。ヒト型抗ヒト TNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」は 506 億円(同 97.5%)となりました。 ○ 2021 年 5 月、抗がん剤「レミトロ」を新発売しました。 ○ 2021 年 8 月、抗がん剤「タズベリク」を新発売しました。 エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 3 -<アメリカス医薬品事業> ○ 売上収益は 1,720 億円(前期比 120.5%)、セグメント利益は 792 億円(同 122.5%)となりました。 ○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa」は 146 億円(前期比 119.4%)と伸長しました。抗てんかん剤「Banzel」は 70 億円(同 36.9%)となりました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が 1,165 億円(同 143.8%)、「ハラヴェン」が 143 億円(同 113.5%)と伸長しました。なお、2021 年 7 月、プロトンポンプ阻害剤「アシフェックス」の米国 における権 利の譲 渡に伴い、一 時 金を売 上 収 益に計上しました。 <中国医薬品事業> ○ 売上収益は 1,064 億円(前期比 125.1%)、セグメント利益は 554 億円(同 137.3%)となりました。 ○ 品 目 別 売 上 収 益 については、「レンビマ」が国 家 保 険 償 還 医 薬 品 リストに収 載 されたことによりアクセスが拡大し、350 億円(前期比 189.6%)と大幅に伸長しました。末梢 性 神 経 障 害 治 療 剤 「メチコバール」は政 府 集 中 購 買 制 度 の対 象 となり販 売 価 格が低下した影響で 125 億円(同 71.4%)となりました。肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー/グリチロン錠」は 95 億円(同 94.1%)となり、プロトンポンプ阻害剤「パリエット」は 89 億円(同 132.5%)と大幅に伸長しました。なお、2021年 9 月、代 謝 性 強心 剤「ノイキノン」の中 国 における権利 の譲 渡に伴 い、一 時 金を売上収益に計上しました。 <EMEA 医薬品事業> ○ 売上収益は 593 億円(前期比 107.4%)、セグメント利益は「 Zonegran」の権利の譲渡の影響により 409 億円(同 159.3%)となりました。 ○ 品目別売上収 益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa 」が 92 億円(前期比 121.1%)と成長しました。オンコロジー領域では、「レンビマ /Kisplyx」が 218 億円(同 137.6%)、「ハラヴェン」は 128 億円(同 103.8%)と成長しました。 ○ 2021 年 9 月、オーストラリアにおいて、「Dayvigo」を新発売しました。 <アジア・ラテンアメリカ医薬品事業> ○ 売上収益は 506 億円(前期比 110.3%)、セグメント利益は 208 億円(同 111.6%)となりました。 ○ 品目別売上収益については、「レンビマ」が 88 億円(前期比 135.4%)と大幅に成長しました。「アリセプト」は 119 億円(同 110.1%)、「ヒュミラ」は 75 億円(同 88.1%)となりました。 ○ 2021 年 6 月、香港において、「Dayvigo」を新発売しました。 ○ 2021 年 7 月、タイにおいて、胆汁酸トランスポーター阻害剤「Goofice」を新発売しま○ 2021 年 11 月、ベトナムにおいて、「ハラヴェン」を新発売しました。 <一般用医薬品等事業 > ○ 売上収益は 238 億円(前期比 94.7%)、セグメント利益は 47 億円(同 92.7%)となした。 りました。 エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 4 – ○ チョコラ BB グループの売上収益は 143 億円(前期比 106.4%)と拡大しましたが、「イータック抗 菌 化 スプレーα」などのイータックグループの売 上 収 益 が減 少しました。 (3)財政状態の概況 [資産、負債および資本の状況] ○ 資産合計は、1 兆 2,393 億円(前期末より 1,509 億円増)となりました。BMS 社との戦 略 的 提 携に伴う契 約 一 時 金および研 究 開 発 償 還 金の受 領 、ならびに米メルク社からの販 売 マイルストンペイメントの受 領 に伴 い現 金 及 び現 金 同 等 物 が増 加 しました。また、米 メルク社 からの販 売 マイルストンペイメントの計 上 により、営 業 債 権 及 びその他の債権が増加しました。 ○ 負債合計は、4,678 億 円(前期末より 1,057 億円増)となりました。Biogen Inc.(米国、以 下 バイオジェン社 )および米 メルク社 に対 する未 払 費 用 が増 加 しました。また、BMS 社 からの研 究 開 発 償 還 金 を預 り金 として計 上 したことにより、その他 の金 融 負債が増加しました。 ○ 資本合計は、7,715 億円(前期末より 452 億円増)となりました。円安の進行に伴い在外営業活動体の換算差額が増加しました。 ○ 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は 60.4%(前期末より 4.0 ポイント減)となりました。 [キャッシュ・フローの状況] ○ 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,176 億円の収入(前期より 445 億円の収入増)となりました。収入 増 の主な要 因は、BMS 社 との戦 略 的 提携 に伴う契 約一 時 金および研究開発償還金 の受領によるものです。 ○ 投資活動によるキャッシュ・フローは、288 億円の支出(前期より 72 億円の支出減)となりました。研究設備および製造設備の増強 を進め、設備投資に係る支出が発生した一方で、「Zonegran」の権利の譲 渡に伴い有 形固定 資産・無 形資産 の売却による収入が発生しました。 ○ 財務活動によるキャッシュ・フローは、490 億円の支出(前期より 69 億円の支出減)となりました。主に配当 金の支払いによるものです。 ○ 以上の結果、現金及び現金同等物の残高は 3,096 億円(前期末より 609 億円増)、営業活動によるキャッシュ・フローから資本的支 出等を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは 887 億円の収入となり、配当額を大幅に上回るキャッシュを創出しました。 (4)研究開発などの状況 [開発品の状況] ○ 抗 がん剤 「レンビマ」(欧 州 における腎 細 胞 がんに係 る製 品 名 「Kisplyx」、一 般 名 : レンバチニブ、米メルク社との共同開発) 甲 状 腺 がんに係 る適 応(単 剤 療 法 )において、日 本 、米 国、欧 州 、中 国 、アジア等の 80 カ国以上で承認を取得しています。 肝細胞がん(ファーストライン)に係る適応(単剤 療法)において、日本、米国、欧州、中国、アジア等の 75 カ国以上で承認を取得しています。 切 除 不 能 な胸 腺 がんに係 る適 応 (単 剤 療 法 )において、日 本 で承 認 を取 得 しています。 腎細胞がん(セカンドライン)を対象とした、エベロリムスとの併用療 法に係 る適応にエーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 5 -おいて、米国、欧州等の 60 カ国以上で承認を取得しています。 子宮内膜がん(全身療法後)を対象とした、米メルク社の抗 PD-1 抗体ペムブロリズマブとの併用療法に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の 45 カ国以上で承認(条件付き承認を含む)を取得しています。309 試験/KEYNOTE -775 試験(フェーズⅢ試験)に基づき、米国において は、2021 年 7 月、治療ラインに関わらず全 身療 法後 に増 悪 した、根治 的手 術または放射 線療 法に不適 応な高頻 度マイクロサテライト不 安 定 性を有 さない、またはミスマッチ修 復 機 構 欠 損 を有 さない進行性子宮内膜がんの適応で承認を取得しました。欧州においては、2021 年 11 月、治 療 ラインに関 わらず、プラチナ製 剤 を含 む前 治 療 中 またはその後 に増 悪 した、根 治 的 手 術 または放 射 線 療 法 に不 適 応 な成 人 の進 行 性 または再 発 性 子 宮 内 膜がんに関する適応について承認を取得しました。日本においては、2021 年 12 月にがん化 学 療 法 後 に増 悪した切 除 不 能な進 行 ・再 発の子 宮 体 がんの適 応について承認を取得しました。台湾においては、2022 年 2 月に治療ラインに関わらず全身 療 法 後 に増 悪 した、根 治 的 手 術 または放 射 線 療 法 に不 適 応 な進 行 性 子 宮 内膜がんの適応について承認を取得しました。 腎 細 胞 がん(ファーストライン)を対 象 とした、ペムブロリズマブとの併 用 療 法 に係 る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の 35 カ国以上で承認を取得しています。米国においては 2021 年 8 月、欧州では同年 11 月、台湾では 2022 年 1 月に、進 行 性 腎 細 胞 がん一 次 治 療 に係 る適 応 についてそれぞれ承 認 を取 得 しました。日本においては、 2022 年 2 月に根治切除 不能または転移性の腎細胞がんの適応について 承認を取得しました。 ペムブロリズマブとの併 用療法について、子宮内膜がん(ファーストライン)、肝細胞がん(ファーストライン)、メラノーマ(ファーストライン)、非扁平上皮非 小細 胞肺がん(ファーストライン、化 学 療 法 併 用 )、非 小 細 胞 肺 がん(セカンドライン)、頭 頸 部 がん(ファーストライン)、肝 細 胞 がん(ファーストライン、肝 動 脈 化 学 塞 栓 療 法 との併用 )、胃 がん(ファーストライン、化 学 療 法 併 用 )、高 頻 度 マイクロサテライト不 安 定性 を有 さない/ミスマッチ修 復 機 構 を有 する大 腸 がん(サードライン)を対 象 としたフェーズⅢ試験を米国、欧州 等において進行 中 です。食 道がん(ファーストライン、化 学 療 法 併 用 )を対 象 としたフェーズⅢ試 験 を日 本 、米 国 、欧 州 、中 国 において開始し、進行中です。PD-L1 陽性の非小細胞肺がん(ファーストライン)およびシスプラチン不 適 格 の膀 胱 がん(ファーストライン)を対 象 として実 施 していた 2 本 のフェーズⅢ試験については、独立データモニタリング委員会の勧告に従 い、中止を決定しました。 ペムブロリズマブとの併 用 療 法 について、メラノーマ(セカンドライン)、頭 頸 部 がん(セカンドライン)を対象 としたフェーズⅡ試験、および複数のがん種を対象としたバスケット試験(フェーズⅡ試験)を米国、欧州等において進行中です。 米 国 において、ペムブロリズマブとの併 用 療 法 による局 所 治 療 に適 さない進 行 性肝 細 胞 がんの一 次 治 療 に対 するブレイクスルーセラピーの指 定 について、他 の併用 療 法 の同 適 応 症 に対 する承 認 を受 け、米 国 食 品 医 薬 品 局 (FDA)より指 定 取 り消しに関する通知を受領しました。 ○ 抗がん剤「ハラヴェン」(一般名:エリブリン) 乳がんに係る適応において、日本、米国、欧州、中国、アジア等の 80 カ国以上で承認を取得しています。 脂 肪 肉 腫 (日 本 では悪 性 軟 部 腫 瘍 )に係 る適 応 において、日 本 、米 国 、欧 州 、アエーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 6 -ジア等の 80 カ国以上で承認を取得しています。 「ハラヴェン」のリポソーム製 剤 について、小 野 薬 品 工 業 株 式 会 社 (大 阪 府 )の抗PD-1 抗 体 ニボルマブとの併 用 療 法 に関 するフェーズⅠ/Ⅱ試 験 が日 本 において進行中です。 ○ 抗てんかん剤「フィコンパ」(英名「Fycompa」、一般名:ペランパネル) 12 歳 以 上 の部 分 てんかん併 用 療 法 に係 る適 応 において、日 本 、米 国 、欧 州 、中国、アジア等の 70 カ国 以 上で承 認を取 得しています。日 本と米 国においては、4歳 以 上の部 分 てんかんに対 する単 剤 および併 用 療 法 の承 認 を取 得 しています。欧州においては、4 歳以上の部分てんかんに対する併用療法の承認を取得しています。 12 歳 以 上 の全 般 てんかんの強 直 間 代 発 作 に対 する併 用 療 法 に係 る適 応 において、日本、米国、欧州、アジア等の 70 カ国以上で承認を取得しています。欧州においては、7 歳以 上 の全 般てんかんの強直 間 代 発作 に対する併 用 療 法の承 認を取得しています。 2021 年 7 月、中国において、てんかんの部分発 作に対する単剤療法、および 4 歳以上の小児てんかんの部分発作に対する併用・単剤療法の 2 つの追加適応について承認を取得しました。 レノックス・ガストー症 候 群を対 象 としたフェーズⅢ試 験 が日 本 、米 国 、欧 州 におい○ オレキシン受容体拮抗 剤「デエビゴ」(英名「Dayvigo」、一般名:レンボレキサント) 不眠症に係る 適応において、日本、米国、アジア等の 10 カ国以上で承認を取得て進行中です。 しています。 不眠症を対象としたフェーズⅢ試験が中国において進行中です。 アルツハイマー病 /認 知 症 に伴う不 規 則 睡 眠 覚 醒リズム障 害を対 象としたフェーズⅡ試験が終了し、今後の開発について検討中 です。 ○ 抗 アミロイドβプロトフィブリル抗 体 レカネマブ(一 般 名 、開 発 品 コード「BAN2401」、バイオジェン社との共同開発) 2021 年 6 月、米国において、アルツハイマー病(AD)治療を対象としてブレイクスルーセラピーの指定を受け、同年 12 月にはファストトラックの指定を受けました。 2021 年 9 月、米国において、201 試験(フェーズⅡ試験)に基づいて迅速承認制度を活用し、FDA に対する早期 AD(AD による軽度認知障害および軽度 AD)治療薬としての BLA(生物 製剤ライセンス申請)の段階的 申請を開 始し、2022 年 5月に完了しました。 2022 年 3 月、日本において、医薬品事前評価 相談制度に基づき、独 立行政法人医薬品医療機器総合機 構(PMDA)に申請データの提出を開始しました。 早期 AD を対象とした Clarity AD(フェーズⅢ試験)が日本、米国、欧州、中国において進行中です。 Alzheimer’s Clinical Trials Consortium(ACTC)によって本剤が評価対象薬剤とし て 選 択 さ れ てい る プレ ク リニ カ ル( 無 症 状 期 ) AD を 対 象 と する AHEAD 3-45(フェーズⅢ試験)が日本、米国、欧州等 において進行中です。 ○ AD 治療剤「 Aduhelm」(一般名:アデュカヌマブ、バイオジェン社の単独意思決定権による共同開発) 2021 年 6 月、米国において AD 治療剤として迅速承認を取得しました。本迅速承認の要件である検証試験はバイオジェン社 により実施される予定です。 エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 7 – 2021 年 12 月、日本に おいて、製造販売承認 申請について追加デー タの提出が求められ、継続審議 となりました。 2022 年 4 月、欧州において、バイオジェン社 が販売承認申請を 取り下げました。 ○ 2021 年 6 月、日本において、抗がん剤「タズベリク」(一般名:タゼメトスタット、開発品 コード「E7438」)について、EZH2 遺 伝 子 変 異 陽 性 の濾 胞 性 リンパ腫 に係 る適 応で製造販売承認を取得しました。 ○ 2021 年 9 月、日本において、ヒト型抗ヒト TNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」(一般名 :アダリムマブ)の潰 瘍 性 大 腸 炎 に係 る用 法 用 量 について 、成 人 に対 する高 用 量と小児の追加承認を取 得しました。 ○ 2022 年 3 月、日本において、EA ファーマがキッセイ薬品工業株式会社(長野県)と共 同 開 発 している潰 瘍 性 大 腸 炎 治 療 剤「カログラ」 (一 般 名 :カロテグラストメチル、開発品コード「AJM300」 )について、潰瘍性 大腸 炎に係る適応で製造販 売承認を取得しました。 ○ 選択的 URAT1 阻害剤ドチヌラド(一般名)について、痛風を対象としたフェーズⅢ試験を中国において開始しました。 ○ セ ント ルイ ス ・ ワシ ン ト ン 大 学 医 学 部 ( 米 国 ) に より 主 導 され る 優 性 遺 伝 ア ルツ ハイマ ー ネ ッ ト ワ ー ク 試 験 ユ ニ ッ ト ( Dominantly Inherited Alzheimer Network Trials Unit:DIAN-TU)が実施する優性遺伝 AD に対する抗 MTBR(Microtubule binding region: 微 小 管 結 合 領 域)タウ抗 体「E2814」の効 果を評 価する Tau NexGen 試 験(フェーズⅡ/Ⅲ試 験 )が米 国 において開 始 されました。同 試 験 の基 礎 療 法 となる抗アミロイド療法にレカネマブが選定されています。 ○ 抗 がん剤 「E7386」について、ペムブロリズマブとの併 用 による固 形 がんを対 象 としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を、日本、米国において開 始しました。 ○ Toll 様受容 体 7/8 阻害剤「 E6742」について、全身性エリテマトーデスを対象としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を、日本において開始しました。 ○ 抗 がん剤 「MORAb-009」について、米 国 、欧 州 でフェーズⅠ/Ⅱ試 験 段 階 にあった中皮腫を対象とした開発を終了しました。 ○ 腸 管 洗 浄 剤 「EA4000」について、EA ファーマが事 業 上 の優 先 度 の観 点から、 日 本でフェーズⅠ/Ⅱ試験段階にあった開発を中止しました。 ○ 潰瘍性大腸炎治療剤「 E6007」について、EA ファーマが事業上の優 先度の観点から、日本でフェー ズⅡ試験段階にあった 開発を中止しました。 ○ クローン病治療剤「E6011」について、EA ファーマが事業上の優先度の観点から、日本、欧州でフェーズⅡ試 験を中止しました。 エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 8 -[主な提携など] ○ 2021 年 4 月、株式会社埼玉りそな銀行(埼玉県)と埼玉県における認知症の共生と予防に取り組むエコシステム構築に向けた業務 提携契約を締結しました。 ○ 2021 年 5 月、国立研究開発法人国立がん研究センター(東京都)と「希少がんならびに難 治 性 がんに対 する抗 がん剤 治 療 開 発 を加 速 させる創 薬 研 究 手 法 に関 する研究」について研究開発契約を締結し、研究活動を開始しました。 ○ 2021 年 5 月、株式会社 伊藤園(東京都)と健康長寿社会の実現をめざし、認知症との共生と予防に向けた業務提携を締結しました。 ○ 2021 年 6 月、抗てんかん剤「Zonegran」について、欧州、中東、ロシア、オーストラリアにおける権利を Advanz Pharma 社(英国)に譲渡する契約を締結しました。 ○ 2021 年 6 月、BMS 社と、当社が創製した抗体薬物複合体「MORAb-202」の共同開発・共同商業化について、グローバルな独占的戦略的提携契約を締結しました。 ○ 2021 年 8 月、イスラエルにおける医薬品販売会社 Eisai Israel Ltd.を英国子会社Eisai Europe Ltd.の子会社としてテルアビブに設立しました。 ○ 2021 年 8 月、富士薬品 株式会社(埼玉県)と、同社が創出したドチヌラドについて、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイにおける開 発 ・販 売 に関 するライセンス契約を締結しました。 ○ 2021 年 9 月、事業活 動で使用する電力を 100%再生可能エネルギーにすることをめざす国際的な環境イニシアチブ「RE100」に加盟しました。 ○ 2021 年 11 月、株式会社デジタルガレージ(東京都)と、認知症に関わるスタートアップとの協業育成プログラムを始動しました。 ○ 2021 年 11 月、Roivant Sciences Ltd.(英国)の子会社と、スプライシングモジュレーターとして開発中の抗がん剤「H3B-8800」について、グローバルにおける研究、開発、製造、販売に関する独 占的権利を供与するライセンス契約を締結しました。 ○ 2021 年 11 月、FCNT 株式会社(神奈川県)と、脳の健康に資するソリューション開発を通じた認知症との共生と予防に向けた業務 提携契約を締結しました。 ○ 2021 年 12 月、Gilead Sciences, Inc.(米国)と、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤フィルゴチニブ(一般 名)について、韓国、台湾、香 港 、シンガポールにおける関節リウマチと炎 症 性 腸 疾 患 (潰 瘍 性 大 腸 炎 、クローン病 )の適 応 に関 する商 業 化 ・販 売 契 約 を締結しました。 ○ 2021 年 12 月、台湾と香港において、ブレインパフォーマンス(脳の健康度)のセルフチェックツール「CogMate 」(日本製品名「のう KNOW」、非医療機器)を新発売しました。 ○ 2022 年 3 月、アデュカヌマブに関するバイオジェン社とのコラボレーション契約を変更しました。2023 年 1 月 1 日以降、当社はグローバルな損益分配モデルに代わり、アデュカヌマブの売上に応じて段階的なロイヤルティを受領します。2022 年 1 月 1 日~同年 12 月 31 日の期間におけるアデュカヌマブに関する開発、商業化、製造関連 費用を含む当 社の負 担 額には合 意した上 限 が設 定 されました。バイオジェン社 の従 来 のアデュカヌマブに関 する最 終 意 思 決 定 権 は、今 回 の合 意 に伴 って、全 世 界における単 独での意 思 決 定 権および商 業 化 権 に変 更 されました。レカネマブについては、これまでと同 様 に、当 社 が開 発 、薬 事 申 請 をグローバルに主 導 し、当 社 の最終 意 思 決 定 権 のもとでバイオジェン社 と共 同 開 発 を行 う一 方 、バイオジェン社 が商業生産を担う供給契約を 5 年から 10 年に延長しました。 エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 9 -○ 2022 年 3 月、JAK 阻害剤「ジセレカ」(一般名 :フィルゴチニブ)について、ギリアド・サイエンシズ株 式 会 社 (東 京 都 )が既 存 治 療 で効 果 不 十 分 な中 等 症 から重 症 の潰瘍 性 大 腸 炎 に係 る適 応 で承 認 を取 得 しました。本適 応 については、ギリアド・サイエンシズ株式会社と当社の委託を受けた EA ファーマが共同プロモーションを行います。 ○ 2022 年 3 月、ソフトウェア企画・開発会社である Arteryex 株式会社(東京都)について、株 式 買 取 ならびに第 三 者 割 当 増 資 の引 受 けによって過 半 数 の株 式 を取 得 し、子会社化しました。 ○ 2022 年 3 月、中心循環系血管内塞栓促進用補 綴材「ディーシー ビーズ」(高度管理医療機器)について、事業提携契約を見直し、当社での販売を終了しました。 ○ 2022 年 4 月、米国メディケア・メディケイド サービスセンター(CMS)は、AD に対するアミロイドを標 的 とするモノクローナル抗 体 に対 する最 終 的 な保 険 償 還 の適 用 範 囲決 定 (NCD)を発 表 し、迅 速 承 認 制 度 の下 でサロゲート指 標 に基 づき承 認 された薬剤については CMS が承認した無作為化比較臨床試験に参加した場合のみ保険償還 でカバーする一 方 、臨 床 的 有 用 性 に関 する質 の高 いエビデンスに基 づきフル承認された薬剤については保険償還カバレッジの拡大をはかる方針を定めました。 エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 10 – 通期 2)今後の見通し(2022 年 4 月 1 日~2023 年 3 月 31 日) [通期連結業績予想] 売 上 収 益 営 業 利 益 当 期 利 益 税 引 前 当 期 利 益 (%表 示 は、対 前 期 増 減 率 ) 親 会 社 の所 有 者 に帰 属 する 当 期 利 益 基 本 的 1 株 当 たり 当 期 利 益 百 万 円 % 百 万 円 % 百 万 円 % 百 万 円 % 百 万 円 % 円 700,000 △7.4 55,000 2.3 55,500 1.9 46,500 1. 7 45,500 △ 5.1 158.85 *前 提 為 替 レート:1 米 ドル 125.0 円 、1 ユーロ 130.0 円 、1 英 ポンド 151.5 円 、1 人 民 元 19.0 円 <売上収益> ○ グローバルブランドの「レンビマ」、「フィコンパ」、「デエビゴ」の確 実 な成 長 により、医薬品 事業では、日本 における薬価 改定、 「リリカ」の契 約満 了等 による影 響を吸 収し、前期と同水準になる見込みです。一方その他事業において、パートナーから受領するマイルストンペイメント等の一時金が前期より減少することから、売上収益は前期から 7.4%減の 7,000 億円を予想しています。 ○ 「レンビマ」は 2,180 億円(前期比 13.3%増)、「ハラヴェン」は 380 億円(同 3.5%減)、「フィコンパ」は 375 億円(同 17.7%増)、「デエビゴ」は 270 億円(同 64.2%増)を予想しています。 <利益> ○ 費 用 については、財 務 規 律 に基 づく効 率 化 と中 長 期 的 な成 長 への最 適 な資 源 配分を徹 底 します。研 究 開 発 費 においては、研 究 開 発 体 制 や開 発 テーマの見 直しにより、レカネマブをはじめとする認 知 症 領 域 およびがん領 域への 資 源 投 入 を更 に集中 させます。販 売 費 及 び一 般 管 理 費に おいては、「レンビマ」や「デエビゴ」をはじめとするグローバルブランド への効率 的な資 源 投入 を行います。また、開発 中のレカネマブによる将来の患者 様貢献を企図した市場環境の整備を引き続き推進します。これらの効 率 的なオペレーションの追 求および AD 治療 剤 の提 携 契 約 変 更に伴うアデュカヌマブに関 連 した負 担 費 用 の減 少により 、営 業 利 益 は前 期 から 2.3%増 の550 億円を予想しています。 ○ 親 会 社 の所 有 者に帰 属 する当 期 利 益は、前 期 比 5.1%減の 455 億 円を予 想し、 5 年平均で 10%レベルの ROE(親会社所有者 帰属持分当期利益率)の 確保を見込んでいます。 3)利益配分に関する考え方および当期・次期の配当 当 社 は、剰 余 金 の配 当 等 に関 しては取 締 役 会 決 議 とすることを定 款 に定 めています。2022 年 3 月期の期末配当金は、従来の予想どおり 1 株当たり 80 円とさせていただきます。1 株当たり中間配当金 80 円と合わせ、年間 配当金は 1 株当たり 160 円(前期と同額 )、DOE(親 会 社 所 有 者 帰 属 持 分 配 当 率 )は 6.3%と なります。次 期 の配 当 については、1 株当たり年間配当金 160 円(当期と同額)とし、中間配当金 80 円、期末配当金80 円を見込んでいます。 なお、利益 配分に関する考え方については、15 頁の「2.経 営方 針 3)資本 政策の基本的な方針 (2)持続的・安定的な株主還元」をご参照ください。 エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 11 -2.経営方針 1)企業理念 当 社 グループは、患 者 様 とそのご家 族 の喜 怒 哀 楽 を第 一 義 に考 え、そのベネフィット向 上 に貢 献 することを企 業 理 念 としています。この理 念 のもとですべての役 員 および従業 員 が一 丸 となり、世 界 のヘルスケアの多 様 なニーズを充 足 し、いかなる医 療 システム下 においても存 在 意 義 のあるヒューマン・ヘルスケア(hhc)企 業 となることをめざしています。当社グループの使命は、患者 様満足の増 大であり、その結果として売上や利益がもたらされ、この使命と結果の順序を重要と考えています。 当社グループは、この hhc 理念の実現に向けて、主要なステークホルダーズである患者 様と生 活 者 の皆 様、株 主の皆 様および社 員 との信 頼 関 係の構 築につとめるとともに、コンプライアンス(法令と倫 理の遵 守)を日々実 践し、企 業価 値 の向 上 に取り組んでいます。本企業理念は、定款に定め、株主の皆様と共有化をはかっています。 当 社グループは、hhc 理 念 に基 づき、「健 康 憂 慮 の解消 」と「医 療 較 差の是 正」という社 会善 について、互いの強みを活かすパートナーシップを用いて効 率 的 に実 現することをめざします。 2)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題 超 高 齢 化 が先 進 国 だけでなくグローバルに進 展 する中で、AI などのデジタル、ネットワーク技 術 等の革 新 のもと、製 薬を含 むヘルスケア産 業 においては、従 来 の一 貫したサプライチェーンモデルからスタートアップ企 業をはじめとする様々なプレイヤーによる水 平分 業 へとその産 業 構 造 が大 きく変 化 しています。このような変 化 に対 応 すべく、当 社 グループは、2016 年度にスタートした中期経営計 画「EWAY Current」に続く、新たな中期経営計画として「EWAY Future & Beyond」を 2021 年 4 月よりスタートしました。 (1) 中期経営計画「EWAY Future & Beyond」 「EWAY Future & Beyond」では、2021 年度からの 5 年間を「EWAY Future」、2026年度以降を「EWAY Beyond」とし、当社が貢献すべき主役を「患者様とそのご家族」から「患者 様と生活 者の皆 様」に拡大します。患者 様と生活者 の皆様 の「生 ききるを支える」という想 いとともに、当 社 グループが最 も強 みを持 つニューロロジー(神 経 )領 域 とオンコロジー(がん)領 域 に立 脚 し、サイエンスに基 づくソリューション創 出 を推 進 します。これらの活 動 により人 々の健 康 憂 慮 の解 消 と医 療 較 差 の是 正 という社 会 善 を効率的に実現します。 健康 な状 態から最 期の時まで、その人 らしく「生 ききるを支える」 hhceco(hhc 理 念+エコシステム)企業へと進化することをめざし、2022 年 5 月に、hhceco 宣言を改めて発出しました。 hhceco を 実 現 する 上 で 、中 核 と なる のがエ ー ザイ ユ ニ バーサ ルプラッ トフ ォー ム(EUP)です。EUP は R&D&I(リサーチ&ディベロップメント&インキュベーション)と SP&D(ソリューションパッケージ& デリバリー)の二 つのレイヤーにより成 り立っており、R&D&Iではアカデミアやベンチャーとのコラボレーションである C&I(コラボレーション&インキュベーション)を内 含 して新 規 治 療 薬を創 出 すると共 に、クリニカルデータやバイオマーカー情 報 など のデー タ を も たらすデー タジェネ レ ーションの 役 割 を 果 たし ます。こ のデータに基 づいて創 られる様 々なソリューションは、人 々が抱 える憂 慮 に応 じてパッケージされ、当 社 固 有のアプリ、営 業 活 動や他 産 業の有 するネットワークを通じて、当社が貢献する人々にデリバリーされます。EUP の生み出すソリューションは、他産業にエーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 12 -も大きな相 乗 効 果をもたらし、EUP を活 用することで、他産 業の提 供する商品 の高度化 やサービスの質 の向 上 が可 能 となり、各 々が貢 献 する人 々に新 たな価 値 を提 供 していきます。 (2) 中期経営計画「EWAY Future & Beyond」の主な進捗と取り組み 「EWAY Future & Beyond」における研究開発では、バイオマーカーの進化により、症 状 や 腫 瘍 ベ ー ス の 診 断 か ら 、 病 態 生 理 学 に 基 づ く 疾 患 連 続 体 ( Disease Continuum)の解 析 へ転 換 し、プレシジョンメディシン(精 密 医 療 )の提 供 をめざします。具 体 的 にはアルツハイマー病 (AD)では、病 態 生 理 学 バイオマーカーを定 量 的 かつ継 時 的 に測 定 する継 続 的 ブレインヘルスパネル診 断 を実 現 させ、一 人 ひとりが疾 患連 続 体 のどのステージにあるか精 密 に診 断 し、薬 剤 を決 定 する最 適 な治 療 の実 現 をめざします。一方で、オンコロジーでは、継続的 な血中の循環腫瘍 DNA 解析と次世代 シーケンス解 析 によりがんの進 化 を深 く理 解 し、ゲノム情 報 に基 づく早 期 診 断 、患者様ごとに最適な治療法の選択が可能となる個別化医療の実現をめざしています。 ① ニューロロジー領域 ニューロロジー領域では、AD Continuum をターゲットとした新薬開発が進行中です。抗アミロイドβ抗体アデュカヌマブについては、2022 年 3 月のバイオジェン社とのコラボレーション契約の変更に伴い、 2023 年 1 月 1 日以降、当社はグローバルな損 益 分 配 モデルに代 わり、売 上 に応 じて段 階 的 なロイヤルティを受 領 します。抗アミロイドβプロトフィブリル抗 体 レカネマブについては、これまでと同 様 に、当 社 が開 発 、 薬 事 申 請 を グロ ーバルに 主 導 し 、 当 社 の 最 終 意 思 決 定 権 のも と で バイ オジェン社 と共 同 開 発 を行 います。新しい提 携 スキームのもと、より効 果 的 に両 社 のリソースを集中させ、両剤の価値最大化をめざします。 レカネマブについては、米 国 において、201 試 験 (フェーズⅡ試 験 )の結 果 に基づき、2021 年 9 月に早期 AD 治療薬として、BLA(生物製剤ライセンス申請)の段階的申請を開始し、 2022 年 5 月に完了しました。2022 年中の迅速承認取得をめざします。進行中の早期 AD を対象とした Clarity AD(フェーズⅢ試験)は 2022 年秋の主要評価項目の結果取得を見込んでおり、米国においては、Clarity AD 試験を検証試験の位置づけとして 2022 年度中のフル承認申請を予定しています。日本においては、医薬品事前評価相談制度に基づき、 2022 年 3 月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構 (PMDA)に申請データの提出を開始し、Clarity AD 試験の結果に基づき、2022 年度中の製造販売承認 申請をめざします。また、プレクリニカル(無症状期)AD を対象とする AHEAD 3-45 試験( フェーズⅢ試験)も進行中です。加えて、より簡便な AD 診断に向けた、血 液によるアミロイドβテストについてもシスメックス株式会社(兵庫県)との共同開発を進めています。 AD Continuum に基づく他のプロジェクトの開発も進行中です。優性遺 伝アルツハイ マ ー ネッ ト ワー ク 試 験 ユ ニ ッ ト (DIAN-TU ) が 実 施 し 、 抗 MTBR(Microtubule binding region: 微小管 結合領域)タウ抗体の効 果を評価する Tau NexGen 試験(フェーズⅡ/Ⅲ試験)が米国において進行中です。「E2814」は、優性遺伝 AD に対する臨床試 験において抗タウ薬として最初の評 価対象薬となっており、 同試験の基礎療法となる抗アミロイド療法にはレカネマブが選定されています。孤発性 AD を対象 としたフェーズⅡ試 験 についても計 画 中 です。また、ダメージを受 けたコリン作 動性 神 経 を機 能 性 神 経 に回 復 し、コリン作 動 性 神 経 の変 性 を予 防 することが期 待 さエーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 13 -れる選択的 Tropomyosin receptor kinase A(TrkA)結合シナプス再生剤「E2511」については、フェーズⅠ試 験 が進 行 中 です。日 本 においては、慶 應 義 塾 大 学 と共同 で設 立 した産 医 連 携 拠 点 「エーザイ・慶 應 義 塾 大 学 認 知 症 イノベーションラボ(EKID)」における、脳 が本 来 備 えている防 御 機 構 、堅 牢 性 の維 持 ・強 化 に関 わる創薬ターゲットの探索研究も行っています。 ② オンコロジー領域 抗がん剤「レンビマ」については、グローバルで甲状腺がん、肝細胞がん 、胸腺がん、腎 細 胞 がん、子 宮 内 膜 がんについて承 認 を取 得 しています。この うち、腎 細 胞がんまたは子宮内膜がんに係る適応で、米メルク社の抗 PD-1 抗体ペムブロリズマブとの併用 療法について、日本、米国 、欧 州、アジア等で承認を取 得 するなど、「レンビマ」の価 値 最 大 化 に向 けた取 り組 みが順 調 に進 展 しています。現 在 、ペムブロリズマブとの併 用 療 法 により、10 種 類 以 上のがんで適 応 追 加 をめざして臨 床 試 験(LEAP 試験)が進行中です。本併用療法抵抗性の克服をめざす薬剤として、新規線維 芽細 胞 増殖 因 子(FGF)受 容体 選 択的チロシンキナーゼ阻害剤「 E7090」の開発が進行中です。さらに、発がんに関わる Wnt シグナル伝達を阻害することが期待される CBP/β-カテニン阻 害 剤 「E7386」について、臨 床 における POC(Proof of Concept:創 薬 概 念 の検 証 )を達 成 し、ペムブロリズマブとの併 用 療 法 によるフェーズⅠ/Ⅱ試 験 も進 行 中 です。がん免 疫 療 法 への低 感 受 性 に対 する治 療 薬 として、承 認 薬 剤 で あ る エ リ ブ リ ン を ペ イ ロ ー ド と す る 次 世 代 の 抗 体 薬 物 複 合 体 ( ADC )「MORAb-202」について、2021 年 6 月に BMS 社と共同開発・共同商業化に関するグローバルな独占的 戦 略的提携 契約を締結し、共同開発を進めています。エストロゲン受 容 体 阻 害 剤 「H3B-6545」についても開 発 が進 行 中 です。さらには、タンパク質 分 解 誘 導 剤 、ネオアンチゲン誘 導 剤 など外 部 技 術 と融 合 した共 同 研 究 ・開 発による新世代のパイプライン構築を進めています。 ③ エーザイユニバーサルプラットフォーム(EUP) 日 常 や 医 療 領 域 で 生 活 す る 人 々 の 「 生 き き る を 支 え る」 た め に 、 Disease Continuum に基 づく様 々なソリューションの創 出 を進 めています。日 常 領 域 (発 症前 )では、健 康 状 態 の維 持 ・支 援 、疾 患 啓 発 と予 防 、さらには検 査 ・病 院 検 索 、医療 領 域( 疾 患 の発 症 時 、治 療 期 、予 後 )では、正 確 な診 断 、治 療 (薬 物 ・非 薬 物 )の効果確認、QOL(quality of life)の向上に寄与する施策などのソリューションが想定 されています。具 体的 には、通 信 産 業 や食品 産 業 における認 知 症 関 連サービスのコンテンツ拡張、保 険 産業における保険商品 の開発、金融 産業におけるジェロントロジー問 題 解 決 に向 けた情 報 提 供 ・注 意 喚 起 、自 動 車 産 業 におけるドライブレコーダーをベースとした軽 度 認 知 障 害 のリスク予 測 ・注 意 喚 起 、地 方 自 治 体 による疾病予防事業の推進などを進めています。 3) 資本政策の基本的な方針 当 社 グループの資 本 政 策 は、財 務 の健 全 性 を担 保 した上 で、株 主 価 値 向 上 に資 する「中長期的な ROE*1 経営」、「持続的・安定的な株主還元」、「成長 のための投資採択基準」を軸に展開しています。 エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 14 -(1) 中長期的な ROE 経営 当社グループ は、ROE を持続的な株主価値の創造に関わる重要な指標と捉えています。「中長期的な ROE 経営」では、売上収益利益率(マージン)、財 務レバレッジ、総 資 産 回 転 率 (ターンオーバー)を常 に改 善 し、中 長 期 的 に正 のエクイティ・スプレッド *2 を創出すべく、資本コストを上回る ROE をめざしていきます。 (2) 持続的・安定的な株主 還元 当 社 グループは、 健 全 なバランス シートのも と 、連 結 業 績 、DOE * 3 およ びフ リー・キャッシュ・フローを総 合 的 に勘 案 し、シグナリング効 果 も考 慮 して、株 主 の皆 様 への還元を継続的・安定的に実施します。DOE は、連結純資産に対する配当の比率を示すことから、バランスシートマネジメント、ひいては資 本 政 策を反映 する指 標の一 つとして位置づけています。自己株式の取得については、市場環境、資本効 率等に鑑み適宜実施する可 能性があります。なお、健全なバランスシートの尺度として、親会社 所有者帰属持分比率、負債比率(Net DER)を指標に採用しています。 (3) 成長のための投資採択 基準 当 社 グループは、成 長 投 資 による価 値 創 造 を担 保 するために、戦 略 投 資 に対 する投資採択基準を採用し、リスク調整後ハードルレートを用いた正味現在 価値と内部収益率スプレッドにハードルを設定し、投資を厳選しています。 *1 ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) = 親会社の所有者に帰属する当期利益÷親会社の所有者に帰属する持分 *2 エクイティ・スプレッド=ROE-株主資本コスト *3 DOE(親会社所有者 帰属持分配当率) = 配当金総額÷親会社の所有者に帰属する持分 4) ESG をはじめとする非財務価値向上と情報開示 企業の価値は、財 務価 値に、ESG(環 境、社 会 、ガバナンス)をはじめとする非財務価値 を加 味 したものと考 えています。当 社 グループは、hhc 理 念 を根 幹 として事 業 を展 開する中、地球 環 境の負 荷低 減(環 境)、医 薬 品 アクセス向上、人権 の尊 重、社 員の人 財育成(社会)、経営の公平性と透明性の確保(ガバナンス)等、ESG への取り組みを強化してきました。また、これらの取 り組 みは、国 連 サミットで採 択 された国 際 的 な目 標 であるSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)と一貫したものと位置づけています。 ESG の中でも特に、グローバルな医薬品アクセスの課題解決への取り組みを、我々の責 務であるとともに、将 来への長 期 的な投資であると考え、政 府や国際 機 関、非営 利 民間団体等との官民パートナーシップのもと、積極 的に推進しています。当 社グループは、開 発 途 上 国 および新 興 国 に蔓 延 する顧 みられない熱 帯 病( NTDs)の一 つであるリンパ系 フィラリア症 を制 圧 するため、その治 療 薬 である「DEC(ジエチルカルバマジン)錠 」を当 社 グループのインド・バイザッグ工 場 で製 造 し、本 剤 を必 要 とするすべての蔓 延 国 において制 圧 が達 成 されるまで、世 界 保 健 機 関 (WHO)に「プライス・ゼロ(無 償 )」で提 供しています。2022 年 3 月末までに 29 カ国に 20.5 億錠を供給しました。さらに、日本発のグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)、NTDs に対する新薬開発の経験豊富な NPO/NGO とのパートナーシップのもと、マイセトーマ(菌腫)をはじめとする NTDs、結エーザイ㈱ (4523) 2022年3月期 決算短信- 15 -核 、マラリアに対 する新 薬 開 発やエビデンスの創 出 による制 圧 を推 進 するほか、認 知 症 、がんといった非 感 染 性 疾 患 に対 する啓 発 ・早 期 発 見 支 援 や患 者 様 が購 入 しやすい価格 設 定(アフォーダブルプライシング)、所得 別 段 階 的 価格 設 定 (ティアードプライシング)による製品提供など、各 国で様々な医薬品アクセス改善に向けた活動に取り組んでいます。 環境については、2030 年度に向けた科学 的根 拠に基づく温 室効 果ガス削減目標を設定し、Science Based Targets(SBT)イニシアチブから承認を取得しました。また、再生可能エネルギーの導入 率を計 画的に高めるなど、当社グ

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