クリエアナブキ(4336) – 法定事前開示書類(特別支配株主による株式等売渡請求に係る承認)(穴吹興産株式会社)

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開示日時:2022/02/07 16:20:00

損益

決算期 売上高 営業益 経常益 EPS
2018.03 663,873 14,214 14,809 37.65
2019.03 647,498 11,394 16,459 40.95
2020.03 641,086 14,612 18,179 42.83
2021.03 627,912 15,883 19,690 51.46

※金額の単位は[万円]

株価

前日終値 50日平均 200日平均 実績PER 予想PER
909.0 749.06 666.855 26.28

※金額の単位は[円]

キャッシュフロー

決算期 フリーCF 営業CF
2018.03 15,503 19,088
2019.03 8,025 11,547
2020.03 6,855 10,300
2021.03 13,140 15,237

※金額の単位は[万円]

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(会社法第 179 条の5第1項及び会社法施行規則第 33 条の7に定める事前開示書類) 株式売渡請求に関する事前開示事項 2022 年2月7日 株式会社クリエアナブキ 2022 年2月7日 香川県高松市磨屋町2番地8 株式会社クリエアナブキ 代表取締役社長 上口 裕司 株式売渡請求に関する事前開示書類 (会社法第 179 条の5第1項及び会社法施行規則第 33 条の7に定める事前開示書類) 当社は、会社法(平成 17 年法律第 86 号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第 179条第1項に規定する特別支配株主である穴吹興産株式会社(以下「穴吹興産」又は「特別支配株主」といいます。)から、2022 年2月7日付で、同法第 179 条の3第1項の規定により、当社の株主(但し、穴吹興産及び当社を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全て(以下「本売渡株式」といいます。)を穴吹興産に売り渡す旨の請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)の通知を受領し、2022 年2月7日開催の当社取締役会において、本株式売渡請求を承認する旨の決議をい本株式売渡請求に関する会社法第 179 条の5第1項及び会社法施行規則(平成 18 年法務省令第 12 号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第 33 条の7に定める事項は以下のとおりたしました。 です。 1.特別支配株主の氏名又は名称及び住所(会社法第 179 条の5第1項第1号) 名 称:穴吹興産株式会社 住 所:香川県高松市鍛冶屋町7番地 12 2.会社法第 179 条の2第1項各号に掲げる事項(会社法第 179 条の5第1項第2号) (1)特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第 179 条の2第1項第1号) 該当事項はありません。 (2)本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第 179 条の2第1項第2号・第3号) 穴吹興産は、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本株式売渡対価」といいます。)として、その所有する本売渡株式1株につき 910 円(以下「本株式売渡価格」といいます。) (3)新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第 179 条の2第1項第4号) (4)特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第 179 条の金銭を割当交付いたします。 該当事項はありません。 の2第1項第5号) 2022 年2月 28 日 (5)本株式売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第 179 条の2第1項第6号、会社法施行規則第 33 条の5第1項第1号) 穴吹興産は、本株式売渡対価の支払を、穴吹興産が保有する現預金によって行う予定です。穴吹興産は、本公開買付け(穴吹興産が、2021 年 12 月 13 日に開始した当社株式に対する公開買付けを指します。以下同じです。)に係る公開買付届出書の添付書類として、2021年 12 月9日時点の穴吹興産の預金残高に係る同月 10 日付預金残高証明書を提出しており、また、同月9日以降、本株式売渡対価の支払に影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も現在認識しておりません。 (6)その他の本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第 179 条の2第1項第6号、会社法施行規則第 33 条の5第1項第2号) 本株式売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日における最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて、当社が指定した方法により(本株式売渡対価の交付について穴吹興産が指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本株式売渡対価を支払うものとします。 3.本株式売渡対価の総額の相当性に関する事項及び本株式売渡請求の承認に当たり本売渡株主の利益を害さないように留意した事項その他の会社法第 179 条の2第1項第2号及び第3号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項(会社法第 179 条の5第1項第4号、会社法施行規則第 33 条の7第1号) (1)本株式売渡対価の総額の相当性に関する事項その他の会社法第 179 条の2第1項第2号及び第3号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項 株式売渡請求は、穴吹興産が当社株式の全て(但し、穴吹興産が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を穴吹興産の完全子会社とすることを 目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本株式売渡価格は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。 当社は、2021年12月10日付で公表した「支配株主である穴吹興産株式会社による当社株式に対する公開買付けに係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下のとおり判断し、2021年12月10日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。 当社は、穴吹興産から、2021年8月31日に、公開買付けを通じて当社を穴吹興産の完全子会社とすることを検討している旨の初期的な説明を受け、また、2021年10月12日に本取引に関する提案書を受領したことを契機として、同日、本取引に関して、穴吹興産及び当社並びに本取引から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業及び弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所(以下、総称して「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を、穴吹興産及び当社並びに本取引から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)をそれぞれ選任いたしました。 さらに、当社取締役会は、穴吹興産が当社の支配株主(親会社)であることを踏まえ、当社取締役会において本取引の是非につき審議及び決議するに先立ち、本取引に係る当社取締役会の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2021年10月12日、当社の社外監査役であり、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)に独立役員として届け出ている柳瀬治夫氏及び桑島美恵子氏並びに外部の有識者である仁科秀隆氏(弁護士、中村・角田・松本法律事務所)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本取引に関する提案を検討するための体制を整備しました。その上で、当社は、本取引の目的、本取引の条件について、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における本特別委員会からの意見・指示・要請等に基づいて、山田コンサル及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けながら、2021年10月29日以降、穴吹興産との間で複数回に亘る協議・交渉を重ねて参りました。 また、当社は、本公開買付価格についても、2021年10月29日以降、穴吹興産との間で複数回に亘る協議・交渉を重ねて参りました。具体的には、当社は、2021年10月29日に、穴吹興産から、本公開買付価格を850円とする旨の提案を受けたものの、同年11月10日に、当社としては、本取引と類似した非公開化を前提とした親子会社間の公開買付けの他事例(23件)と比較し、当該提案価格には、合理的な水準のプレミアムが上乗せされているとはいえず、 当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルが試算した当社株式の理論株価の算定レンジを踏まえると、当該提案価格は当社として賛同意見及び応募推奨意見を表明できる水準には達していないと考え、また、本特別委員会からも同様の意見を受領しているとの理由から本公開買付価格を増額するよう要請しました。その後、当社は、穴吹興産から、同年11月17日に本公開買付価格を880円とする旨の提案を受けたものの、前回の提案に対する同年11月10日付の回答と同様の理由により、当該提案価格は少数株主にとって十分な価格とはいえず、応諾することはできない旨の回答を行い、本公開買付価格を940円とするよう要請したところ、同年11月24日に、穴吹興産から本公開買付価格を895円とする旨の再提案を受けました。しかし、当社としては、当該提案価格はいまだ当社の少数株主にとって十分な価格とはいえないことから、同年11月26日、本公開買付価格を920円とするよう要請を行いました。以上の交渉を経て、当社は、同年12月1日、穴吹興産から、本公開買付価格を910円とする旨の最終提案を受けました。それに対して、当社は、同年12月8日に、最終的な意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で取締役会決議を経てなされるという前提のもと本公開買付価格を910円とする旨の提案を受諾することが相当である旨、穴吹興産に対して回答を行いました。 上記のような協議・交渉を踏まえ、当社としては、当社が主に事業基盤を置く中国地方及び四国地方(以下「中四国エリア」といいます。)においては今後も人口減少が見込まれることなどにより、人材派遣事業、アウトソーシング事業といった当社の主力事業をとりまく業界環境は大きく変化していき、新規事業者の参入増加、競合の多様化が進んでいくことが想定される中、本取引を通じて以下の施策を実施することにより、以下のシナジー効果を期待することができ、これらのシナジー効果は当社の企業価値向上に資すると考えるに至り ました。 (a)国内における事業エリア・事業領域の拡大 当社グループ(注1)は、中四国エリアを主な基盤として人材サービスを展開・拡大して参りました。中四国エリアにおいて人口減少が見込まれるなか、当社グループとしては労働人材を確保するため、東京と大阪に「中国・四国UIターンセンター」を設置し、都市圏の人材を中四国エリアの企業に紹介するサービスや、都市圏で副業を望むプロフェッショナル人材と中四国エリアの企業とをつなぐ、副業マッチングサービス「SETOUCHI CONNECT(せとうちコネクト)」のサービスなど、都市圏の人材を活用するサービスに取り組んでおります。 しかしながら、当社グループは中四国エリアにおいて拠点を展開し、中四国エリアを中心に人材サービスを提供してきたことから、都市圏における当社グループの知名度は低く、これらのサービスによる収益は限定的な状況にあります。そこで、本取引を通じて、当社が穴吹興産の完全子会社となり、穴吹興産の東京、大阪等の都市圏における事業基盤や知名度を 活かすことで、これらのサービスを更に発展させることが可能になるとともに、都市圏における穴吹興産グループ(注2)及びその取引先等、中四国エリアの企業に留まらず、都市圏の企業に対しても人材サービスを展開していくことが可能になるものと考えております。また、事業領域においても、当社は事務系の人材サービスに強みがあるところ、穴吹興産の持つ介護業界やホテル業界の知見などを活用することで、これらの人材が不足する業界に対しても新たに人材サービスを展開していけるものと考えております。加えて、穴吹興産の観光事業における募集受付業務を穴吹興産から受託することや、当社グループの強みであるアウトソーシング事業における倉庫内の事務業務等において、穴吹興産が所有する物流倉庫物件の倉庫管理業務及び賃貸先の顧客(物流会社・通販会社等)の業務を受託するなどの連携が図れるものと考えております。 (注1)「当社グループ」とは、本日現在、当社、連結子会社である株式会社クリエ・ロジプラス及び株式会社採用工房の3社により構成されるグループをいいます。以下、同じです。 (注2)「穴吹興産グループ」とは、本日現在、穴吹興産並びに当社を含む子会社28社(うち非連結子会社12社)及び関連会社5社(持分法適用関連会社1社及び持分法非適用関連会社4社)により構成されるグループをいいます。以下、同じです。 (b)海外人材事業の拡大 当社は、2018年10月に当社グループ初の海外事務所をベトナムのホーチミン市に設置(HR ANABUKI VIETNAM CO.,LTD.(以下「HRアナブキベトナム」といいます。)の設立により現在は閉鎖)し、将来のアジア進出を視野に入れた現地情報の取集を進め、2019年11月に在日本企業からのアウトソーシング、在ベトナム日系企業への人材派遣・人材紹介といった人材サービス関連事業を開始するため、ベトナムのダナン市にHRアナブキベトナムを設立いたしました。なお、新型コロナウィルス感染症の拡大による海外渡航禁止などの影響により、実際にHRアナブキベトナムが活動を開始したのは2020年10月からになります。 海外人材事業においては、当面の間、海外渡航の禁止・制限の解除が見込まれないため、日本在住のベトナム人を中心とした国内での転職支援、生活支援サービス、そして、HRアナブキベトナムを活用したアウトソーシング事業の提供に留まっており、加えて、ベトナムにおける当社の知名度が低いこと及び当社の海外における事業展開のノウハウが不足していること等から、海外人材事業による収益は限定的な状況にあります。 このような状況のなか、海外人材事業を早期に軌道に乗せ、拡大していくためには、穴吹興産との連携が有効な手段であると考えております。具体的には、当社が海外で募集した人材を、穴吹興産の国内の介護事業、ホテル事業、観光事業等を営む企業に対して派遣することや、穴吹興産が取引関係を持つ、現地の有力な不動産会社やコンサルティング会社、建設会社等の顧客に対し、当社が人材関連サービスを提供すること等が考えられます。加えて、 当社と穴吹興産の営業拠点を一体化し、穴吹興産の営業人員が、当社の事業領域である人材関連サービスの営業を合わせて実施することで、多数の人員を配置することが難しい海外においても、効果的に事業を拡大していけるものと考えております。 (c)経営資源の効率的活用によるコスト削減 当社は、穴吹興産グループの一員ではあるものの、上場会社としての独立性の観点や当社の一般株主の利益を考慮する必要性から、経営資源・人材の相互活用及び機能等の集約に一定の限界が存在し、非効率な部分が生じていると認識しております。本取引を通じて、当社が穴吹興産の完全子会社になることで、経営資源・人材の相互活用が進み、また、営業拠点の一体化や機能面の重複排除により、穴吹興産グループの一員として効率的な事業運営が可能になると考えております。加えて、当社の非公開化により、上場維持のためのコスト負担を解消し、事業成長への経営資源の集中を図ることが可能になると考えております。 そして、上記各施策は、当社が上場会社かつ穴吹興産の非完全子会社として存続する場合には、これらを実施することが困難であるか、又は当社の少数株主の利益への配慮が必要となり、迅速かつ機動的な実施が困難であるため、上記のような各施策を実施するために本取引を通じて穴吹興産が当社を完全子会社化することも合理的であると考えるに至りました。加えて、東京証券取引所においては2022年4月4日を一斉移行日として新市場区分への移行が予定されていますが、当社の移行先として想定されるスタンダード市場における上場維持基準のうち、「流通株式時価総額10億円以上」の条件について、当社の近時の時価総額及び穴吹興産が当社株式の大半を保有していることを踏まえると、当該基準への抵触により、今後当社の上場維持が困難となるおそれがあり、本公開買付けを含む一連の手続を行うことによって、当社の一般株主の皆様に当社の上場廃止に伴い発生するリスクの負担が及ぶことを回避しつつ株式の売却の機会を提供することが、当社の一般株主の皆様にとって合理的な選択であると考えております。 なお、当社が当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことが困難になり、また、上場会社として当社が享受してきた知名度や信用力、優秀な人材の確保に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、当社の現在の財務状況に鑑みると、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれず、上場維持コストを踏まえると、今後も継続して当社株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあります。加えて、当社の人材サービスにおける一定のブランド力やお取引先様に対する信用力は既に確保できていることから、人材の採用の面から見ても不利益は見込まれず、当社株式の上場を維持する必要性は相対的に減少していると考えております。 さらに、当社は、以下の点等を考慮した結果、本公開買付価格である910円は当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断しております。 (ⅰ)本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」に記載の山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限値を大きく上回るものであり、類似会社比較法に基づく算定結果の上限値と同値であり、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)の算定結果のレンジの中央値を上回るものであること。 (ⅱ)本公開買付けの公表日(2021年12月10日)の前営業日である2021年12月9日の東京証券取引所JASDAQスタンダード市場における当社株式の終値639円に対して42.41%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、直近1ヶ月間の終値の単純平均値615円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して47.97%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値636円に対して43.08%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値646円に対して40.87%のプレミアムを加えた金額となっており、山田コンサルから提供された、「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」(以下「M&A指針」といいます。)が公表された2019年6月28日から2021年10月31日までの間に公表された本取引と類似した非公開化を前提とした親子会社間の公開買付けの他事例(23件)における、公表日の前営業日の終値、直近1ヶ月間の終値の単純平均値、直近3ヶ月間の終値の単純平均値及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対する各種プレミアムの中央値により算出したプレミアム水準(公表日の前営業日の終値に対して35.6%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値に対して39.4%、直近3ヶ月の終値の単純平均値に対して39.1%及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対して38.4%)に比して遜色なく、合理的な水準のプレミアムが付された価格であるといえること。 (ⅲ) 本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られており、少数株主の利益への配慮がなされていると(ⅳ)上記措置が採られた上で、穴吹興産と当社との間で、独立当事者間の取引における協議・交渉と同程度の協議・交渉が複数回行われた結果として提案された価格であるこ認められること。 と。 (ⅴ) 本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」 の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「②当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、2021年12月9日付で本特別委員会から取得した答申書(以下「本答申書」といいます。)においても、本公開買付価格の妥当性が確保されていると判断されていること。 以上より、当社は、2021年12月10日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。 当該取締役会の意思決定過程の詳細については、「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。 その後、当社は、2022年1月29日、穴吹興産より、本公開買付けの結果について、当社株式941,557株の応募があり、その全部の買付け等を行う旨の報告を受けました。この結果、2022年2月4日(本公開買付けの決済の開始日)付で、穴吹興産は、議決権所有割合(注3)97.95%に相当する当社の株式を保有することとなり、当社の特別支配株主に該当することとなりました。 (注3)「議決権所有割合」とは、当社が2021年11月12日に提出した第36期第2四半期報告書(以下「当社第2四半期報告書」といいます。)に記載された2021年9月30日現在の当社の発行済株式総数(2,340,000株)から当社が2021年11月11日に公表した「2022年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社第2四半期決算短信」といいます。)に記載された2021年9月30日現在の当社が所有する自己株式数(27,545株)を控除した株式数(2,312,455株)に係る議決権の数(23,124個)に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下同じです。)をいいます。以下、同じです。 このような経緯を経て、当社は、穴吹興産より、2022年2月7日付で、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。 そして、当社はかかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。 その結果、当社は、2022年2月7日開催の取締役会において、(ⅰ)本株式売渡請求は、 本取引の一環として行われるものであるところ、上記のとおり、当社は、当社が穴吹興産の完全子会社となることが当社の企業価値の向上に資するものであると判断しており、当該判断を変更すべき事情は特段生じていないこと、(ⅱ)本株式売渡価格は、本公開買付価格と同一であり、本公開買付価格の決定に際しては、本答申書を取得する等、本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等に鑑みれば、本売渡株主にとって合理的な価格であり、本売渡株主の利益を害することのないよう十分留意されていると考えられること、(ⅲ)本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出された2021年12月9日時点の穴吹興産の預金残高に係る2021年12月10日付残高証明書を確認した結果、穴吹興産が本株式売渡対価の支払のための資金を確保できると合理的に認められること、及び、穴吹興産によれば、2021年12月9日以降、本株式売渡対価の支払いに影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も現在認識していないとのこと等から、穴吹興産による本株式売渡対価の交付の見込みはあると考えられること、(ⅳ)本株式売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められず、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ)本公開買付けの開始日以降本日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと、(ⅵ)本特別委員会が、本株式売渡請求についても検討をした上で、本取引は少数株主に不利益ではない旨の本答申書を提出していること等を踏まえ、本株式売渡価格を含む本株式売渡請求の条件等は妥当であると判断し、穴吹興産からの通知のとおり、本株式売渡請求を承認する決議をいたしました。 (2)本株式売渡請求の承認に当たり本売渡株主の利益を害さないように留意した事項 本株式売渡請求は、本取引の一環として、本公開買付け後のいわゆる二段階買収の手続として行われるものであるところ、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、穴吹興産及び当社は、当社が穴吹興産の連結子会社であり、本公開買付けに関する意見表明を含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、穴吹興産と当社の一般株主の皆様との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けの公正性を担保するため、以下のような措置を実施しております。 なお、穴吹興産は、本意見表明プレスリリースの「1.公開買付者の概要」に記載のとおり、2021年12月10日現在、当社株式1,323,500株(所有割合:57.23%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリ ティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定しておりませんが、穴吹興産及び当社において、以下①から⑥の措置を実施していることから、当社の一般株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。また、本特別委員会は、本答申書において、穴吹興産側の説明も相応に合理的であり、各種の方策により少数株主の利益は十分に図られていると考えられることからすれば、本件において、マジョリティ・オブ・マイノリティの買付予定数の下限を設定しない点が理由で株主の適切な判断機会の確保が欠缺しているとまで解する必要はないと考えられる、と判断しており、当社としても同様に判断しております。本答申書の詳細については、下記「②当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。 ①穴吹興産における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得 穴吹興産は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、穴吹興産及び当社並びに本取引から独立した第三者算定機関として、穴吹興産のファイナンシャル・アドバイザーである株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)に対して、当社株式の株式価値の分析を依頼し、2021年12月9日付で三菱UFJ銀行から株式価値算定書を取得したとのことです。なお、三菱UFJ銀行は、穴吹興産に対して融資を行っておりますが、同行は適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、貸付人の地位とは独立した立場で、当社普通株式の株式価値の分析を行っているとのことです。穴吹興産は、当社の株式価値分析にあたり適切な弊害防止措置が講じられていると判断し、三菱UFJ銀行を第三者算定機関に選定しているとの 詳細については、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「②公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。 ②当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得 ことです。 (ⅰ)設置等の経緯 当社は、穴吹興産が当社の支配株主(親会社)であることを踏まえ、当社取締役会において、本取引の是非につき審議及び決議するに先立ち、本取引に係る当社取締役会の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2021年10月12日、当社の社外監査役であり、東京証券取引所に独立役員として届け出ている柳瀬治夫氏及び桑島美恵子氏並びに外部の有識者である仁科秀隆氏(弁護士、中村・角田・松本法律事務所)の3名から構成される特別委員会を設置しました。なお、当社は、本特別委員会の委員として設置当初からこの3名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。また、本特別委員会の委員の互選により、本特別委員会の委員長として仁科秀隆氏 が選定されております。本特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定報酬又は時間単位の報酬のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。 そして、当社は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の妥当性が確保されているか、(ⅲ)本取引において、公正な手続を通じた当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされているか、(ⅳ)本取引は少数株主にとって不利益でないと考えられるか、(ⅴ)当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問しました。 なお、当社取締役会は、本取引に関する決定を行うに際して本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の目的又は取引条件について妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことを併せて決議しております。 また、当社取締役会は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引に係る取引条件等について穴吹興産と交渉を行う権限、(ⅱ)当社が選任したアドバイザー(ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー)を承認する権限、(ⅲ)必要に応じ、当社の費用負担において、本特別委員会独自のアドバイザー(ファイナンシャル・アドバイザー、リーガル・アドバイザーその他のアドバイザー)及び第三者評価機関を選任し、当社の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他本特別委員会が必要と判断する事項を委託する権限、(ⅳ)当社のアドバイザー(ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー)に専門的助言を求める権限、(ⅴ)情報取得権限(当社の役職員及び穴吹興産に必要な情報の提供を求める権限)を与えることを決定しております。 (ⅱ)検討の経緯 本特別委員会は、2021年10月12日より同年12月9日までの間に合計9回開催され、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行っております。具体的には、2021年10月12日開催の初回の本特別委員会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所及び山田コンサルについて、当社及び穴吹興産の関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有していないこと等から、それぞれを当社のリーガル・アドバイザー及びファイナンシャル・アドバイザーとして承認し、本特別委員会としても、必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認するとともに、当社における本取引の検討体制についても、穴吹興産及び本取引からの独立性の観点から問題がないことを確認の上、承認しております。 その後、本特別委員会は、(ⅰ)当社及び穴吹興産より提出された各資料及び書類の検討、(ⅱ)当社の役職員に対する、当社の事業の内容、外部環境、現在の経営課題、山田コンサルによる株式価値算定の前提とした事業計画の内容及び穴吹興産の提案内容等に関 する事項のヒアリング、(ⅲ)穴吹興産の役職員に対する、本取引の目的・背景、本取引の条件及び本取引後の当社の経営方針等に関する事項のヒアリング、(ⅳ)山田コンサルに対する、当社株式の価値分析に関する事項のヒアリング等を行っております。 なお、本特別委員会は、穴吹興産に対して提示した事業計画及び山田コンサルが当社株式の価値分析の算定の前提とした事業計画に関して、当社より、事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受け、それらの合理性について確認の上、承認をしております。 また、本特別委員会は、当社から、穴吹興産と当社との間における本取引に係る協議及び交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けたうえで、本特別委員会を開催して協議及び交渉の方針等を協議し、穴吹興産より、本公開買付価格を910円とすることを含む最終提案を受けるに至るまで、複数回にわたり意見を述べるなどして、穴吹興産との交渉過程に実質的に関与しております。 本特別委員会は、以上の経緯の下で、穴吹興産及び本取引の成否から独立した立場から、本諮問事項について慎重に審議を行い、2021年12月9日付で、委員3名全員の一致をもって、当社取締役会に対し、大要以下の内容の答申書を提出しました。 以下の点より、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合(ⅲ)判断内容 1.企業価値の向上 理的と認められる。 (1)当社における現状認識 ・当社の事業の特徴や事業環境に対する当社の認識等をふまえると、今後の当社の企業価値の向上にとっての重要な課題として、(ⅰ)人材派遣事業及び人材紹介事業における求職者の確保、(ⅱ)人材派遣事業及び人材紹介事業における同業他社との差別化、(ⅲ)アウトソーシング事業における顧客(とりわけ長期的なニーズを有する顧客)の獲得、(ⅳ)アウトソーシング事業における早急な成長の必要性、(ⅴ)中四国エリア以外の経済圏(日本でいえば東京や大阪といった都市圏、その他海外)向けの事業強化が挙げられる。 ・当社の事業に関する現状認識や当社の重要な課題に関する当社の説明については、当社の従前の開示内容との矛盾や客観的事実に反する点もなく、また、本特別委員会委員のうち当社社外監査役を兼務する者がこれまで社外監査役として認識してきた当社の事業に関する情報から得た知見とも整合的であり、客観的な根拠に基づく合理的なものであると認められる。したがって、上記の事業展開における課題に寄与する方策(M&Aを含むがこれに限られない。)を講じることは、(個別に当該方策に係るリスクや当該方策に伴うデメリットを勘案する必要はあるも のの、一般論としては)当社の企業価値の向上に資するものであると考えることができる。 (2)本取引の企業価値向上効果 ・本特別委員会が実施した関係者に対するヒアリングや説明の聴取等(以下「本ヒアリング等」という。)によれば、穴吹興産が本取引の実施後における当社の企業価値向上策として、①営業拠点の一体化、②穴吹興産の介護・ホテル事業における当社との連携による人材募集の強化、③穴吹興産の観光事業の募集受付業務の当社への委託、④穴吹興産が保有する物流倉庫の倉庫管理業務及び穴吹興産が保有する物流倉庫の賃貸先の顧客(物流会社・通販会社)の業務の当社への委託、⑤穴吹興産の事業ノウハウの共有、⑥穴吹興産の介護・ホテル・観光事業における当社が海外で募集した人材の派遣、⑦穴吹興産の海外顧客に対する当社の人材関連サービスの提供を企図しているところ、当社の認識としても、穴吹興産の企図する企業価値向上策が当社の企業価値を向上させるものであると考えているとのことである。 る。 ・本特別委員会としても、穴吹興産の企図する企業価値向上策は、上記の当社の企業価値向上にとって重要な課題に資するものであると考えており、当社の今後の事業展開にとっての重要な課題のいずれにも対応できるものであると認められ・そして、穴吹興産及び当社ともに、本取引が穴吹興産及び当社にとって、現実的に採り得る最善の手段と考えており、本取引は、企業価値向上の観点から、他の現実的にあり得る手段と比較しても優位性を有する取引であると考えられる。 ・また、本特別委員会は、本ヒアリング等において、穴吹興産及び当社から本取引に伴うデメリットについて説明を受け、大きなデメリットが存在しないことが確認できた。 (3)上場廃止の不可欠性 ・穴吹興産が企図する企業価値向上策は、その短期的な収益へのネガティブなインパクトや、そもそも失敗するリスクがあることからすれば、こうした企業価値向上策に取り組む前提として、本取引による上場廃止を経ることもやむを得ないと考えられる。また見方を変えれば、少数株主に適正な対価を付与した上で上場を廃止することは、こうしたリスクから少数株主を解放するとともに、将来の企業価値向上分の一部を少数株主に享受してもらうことにもなる。 ・以上からすれば、本取引が上場廃止を伴うものであることにも、(価格の妥当性等の他の要請を適切に充たすことを前提とすれば)一定の合理性が認められるものと考えられる。 2.公正な手続を通じた少数株主利益の確保 以下の点より、本取引において、公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。 (1)特別委員会の設置 ・本特別委員会は、当社より、本諮問事項についての諮問を受けており、それら諮問事項の検討に当たって、M&A指針で特別委員会が果たすべきとされる役割(具体的には、①対象会社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、M&Aの是非について検討・判断するとともに、②少数株主の利益を図る観点から、(ⅰ)取引条件の妥当性及び(ⅱ)手続の公正性について検討・判断すること)を実施している。 れている。 ・本特別委員会は取引条件が穴吹興産と当社との間で決定される前の段階で設置さ・本特別委員会の委員全員が穴吹興産からの独立性及び本取引の成否からの独立性が確保されているほか(委員の中で、当社との間で本取引が成立した場合に成功報酬を受け取る旨を合意している者は存在しない)、M&A指針で独立社外取締役に次いで委員としての適格性が認められるものとされている独立社外監査役が過半数を占める形で構成されている。また、当社における独立役員全員が本特別委員会の委員に就任しており、特別委員会の設置に当たって独立役員が主体的に関与しているといえる。 ・本特別委員会は、本取引に係る取引条件等について穴吹興産と交渉を行う権限を付与されている。これを受けて本取引においては、当社が穴吹興産と本公開買付価格について協議する場合には、必ず当社が事前に本特別委員会に対応について確認を求め、これに対して本特別委員会が穴吹興産に対する回答の方針について当社に意見を述べ、当該意見に従って当社からの回答案が作成された結果、本特別委員会が取引条件に関する交渉を実質的に主導してきたといえる。また、当社取締役会が特別委員会への諮問を決議した際の付帯決議において、本特別委員会が本取引の条件を妥当でないと判断した場合には当社取締役会は本取引を承認しないことと決定している。 ・本特別委員会のアドバイザーは選任されていないものの、当社のビジネスの特徴に関する知見(本特別委員会の委員のうち2名が当社の監査役である。)、企業価値評価への知見(本特別委員会の委員のうち1名が公認会計士である。)、法律面での知見(本特別委員会の委員のうち2名が弁護士である。)がいずれも委員により充足されている。また、当社のアドバイザーの専門性・独立性に鑑み、特別委員会としてのアドバイザー選任は不要であると本特別委員会として判断している。 ・当社取締役会は、本特別委員会への諮問を決議した際の付帯決議において、当社取締役会が特別委員会の意見を最大限尊重の上で本取引に係る決議を実施することを決定している。 ・以上のような特別委員会の設置及び運用の状況からすれば、本特別委員会は公正性担保措置として有効に機能していると認められる。 (2)当社における意思決定プロセス ・当社の役員のうち、取締役である大谷佳久氏は穴吹興産の取締役を兼任しているため、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、本取引を決定する取締役会に出席しない予定であり、穴吹興産との協議・交渉にも参加していない。このほか当社の役員のうち藏田徹氏については、穴吹興産の役員との兼任関係はないものの、穴吹興産の子会社の取締役を兼任しており、かつ、2017年9月まで穴吹興産の取締役を、2019年9月まで穴吹興産の執行役員を兼任していたことから、利益相反のおそれを回避するため、当社においては、(ⅰ)まず利益相反のおそれがない上口裕司氏にて決議を行った後、さらに取締役会決議における定足数を確保する観点から、(ⅱ)藏田徹氏及び上口裕司氏にて決議を行うという二段階での決議を行う予定である。 ・M&A指針において、独立した特別委員会が設置されて有効に機能している場合には、現に穴吹興産の役職員を兼任する者が除外されれば足りるとの整理もあるが、本件においては、M&A指針の指摘よりも慎重に、過去に穴吹興産の役職員を兼任していた者の利益相反にも配慮して上記のような二段階での決議方法を採用することとしたものであり、利害関係の整理に不公正な点は見当たらない。 ・また、当社取締役会においては、上記のような二段階での決議方法を採用しつつ、最終的に当社の取締役2名全員の一致により決議がされる予定である。 ・以上からすれば、当社における意思決定プロセスに関して、公正性に疑義のある点は見当たらない。 (3)外部専門家の専門的助言等の取得 ・本ヒアリング等及び当社プレスリリースによれば、当社取締役会は、意思決定につき、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の弁護士から助言を受けており、弁護士による独立した専門的助言を取得したと認められる。また同法律事務所の独立性については、本特別委員会が本ヒアリング等において直接同法律事務所所属の弁護士から、同法律事務所と当社との間に継続的な取引関係はなく、また報酬についても成功報酬が含まれていないことを確認済みである。 ・本ヒアリング等及び当社プレスリリースによれば、当社取締役会は、本公開買付価格の公正性を担保するために、独立した第三者算定機関及び当社のファイナンシャル・アドバイザーである山田コンサルから、当社株式の株式価値に関する資料としての2021年12月9日付株式価値算定書(参考資料を含み、以下「本算定資料」という。)を取得している。さらに、本算定資料においては、複数の算定方法を利用しており、恣意的な価格の算定がされないよう配慮がされている。また、当 該算定の前提となる当社の事業計画の作成に当たって、穴吹興産の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、算定に当たって公正性を疑わせるような事情も見当たらない。 ・その上で、山田コンサルの独立性については、本特別委員会が本ヒアリング等において直接山田コンサルから、山田コンサルと当社との間に継続的な取引関係はなく、また報酬については成功報酬が含まれるものの、同種の取引における一般的な実務慣行であることに鑑み、当該報酬体系をもってしても山田コンサルに独立性は認められるものと判断した。また、当社プレスリリースにおいても、山田コンサルは当社との間で独立性を有していることが記載されている。 ・以上から、本算定資料は、独立した第三者評価機関による株式価値算定書であると認められる。 (4)マーケット・チェック ・本ヒアリング等及び当社プレスリリースによれば、本公開買付けの買付期間は、30営業日に設定されている。これは、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、穴吹興産以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保するものと認められる。 ・また、本ヒアリング等及び当社プレスリリースによれば、当社と穴吹興産との間において、取引保護条項を含む対抗的買収提案者との接触を制限する旨の合意は行われない。このように、本件では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されている。 ・そして、本特別委員会は、本件においては積極的なマーケット・チェックをすべきような特段の例外的事情はないものと判断した。そのため、本取引においては、間接的な形でマーケット・チェックを実施することによっても、取引条件の形成過程における当社の交渉力が強化され、企業価値を高めつつ少数株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることに資するものと認められる。 (5)マジョリティ・オブ・マイノリティ ・当社プレスリリースによれば、本公開買付けにおいては、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティが設定されていない。この点について、本特別委員会が穴吹興産に説明を求めたところ、①マジョリティ・オブ・マイノリティの買付予定数の下限の設定をすると、本公開買付けの成立を不安定にし、かえって本公開買付けへの応募を希望する株主の皆様の利益に資さない可能性がある、②一部の株主による買い集め等により本取引を容易に妨害することができる、③マジョリティ・オブ・マイノリティ以外の公正性担保措置により、全体として取引の公正性は担保できると考える、との回答を得た。 ・M&A指針においても、マジョリティ・オブ・マイノリティは公正性担保措置の一 環として評価されるものではあるが、その採用は必須ではないとされていることからすれば、そのような条件を設定しなくても、株主意思の確認にとって、決定的なマイナス要因となるものではない。 ・したがって、上記①から③のような穴吹興産側の説明も相応に合理的であり、各種の方策により少数株主の利益は十分に図られていると考えられることからすれば、本件において、この点が理由で株主の適切な判断機会の確保が欠缺しているとまで解する必要はないと考えられる(本特別委員会は当社のリーガル・アドバイザーからも同旨の回答を得ている)。 (6)少数株主への情報提供 ・まず特別委員会については、M&A指針で(a)委員の独立性や専門性等の適格性に関する情報、(b)特別委員会に付与された権限の内容に関する情報、(c)特別委員会における検討経緯や、交渉過程への関与状況に関する情報、(d)特別委員会の判断の根拠・理由、答申書の内容等及び(e)委員の報酬体系の開示が望ましいとされている。これを本件についてみると、当社プレスリリースで、これら(a)から(e)の要素がすべて記載されている。 ・次に株式価値算定書については、M&A指針で、特にDCF法について、(ⅰ)算定の前提とした当社のフリー・キャッシュ・フロー予測、及びこれが当該M&Aの実施を前提とするものか否か、(ⅱ)算定の前提とした財務予測の作成経緯、(ⅲ)割引率の種類や計算根拠、(ⅳ)フリー・キャッシュ・フローの予測期間の考え方や予測期間以降に想定する成長率等の継続価値の考え方等の開示が例示されている(なお例示であってすべての記載が義務づけられているわけではない)。これを本件についてみると、当社プレスリリースでは、(ⅰ)及び(ⅱ)(本特別委員会が合理性を確認した旨及び事業計画においては対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれていない旨)のほか、(ⅲ)として割引率それ自体が、また(ⅳ)として継続価値の算定方法が記載されている。 ・最後に、M&Aの実施に至るプロセスや交渉経緯についても、当社プレスリリースで、充実した記載がされているものと認められる。 (7)強圧性の排除 ・本取引の一環として行われる予定の本公開買付けの成立後に行われる、当社の完全子会社化手続(以下「本キャッシュアウト手続」という。)は、株式売渡請求方式又は株式併合方式を用いるスキームにより実行するとされているところ、当該スキームの実施の過程で、株主には、株式売渡請求方式については会社法第179条の8の規定により価格決定の申立てを行う権利が、また、株式併合方式の場合には、同法第182条の4及び第182条の5の規定により価格決定の申立てを行う権利がそれぞれ認められ、しかも、当社プレスリリースでその旨が明示的に開示されている。 ・さらに、当社プレスリリースでは、株式売渡請求方式によるにせよ株式併合方式によるにせよ、本キャッシュアウト手続は本公開買付け終了後速やかに行われること、本キャッシュアウト手続の際に少数株主に対して交付される金銭について、本公開買付価格と同一の価格とすることが予定されている旨が開示されている。 ・以上からすれば、本取引については、強圧性を排除するための対応が行われていると認められる。 3.条件の妥当性 以下の点より、本公開買付価格を含めた本取引全体について、当社の少数株主からみて、条件の妥当性が確保されていると認められる。 (1)独立当事者間に相当する交渉状況の確保 ・本特別委員会は、当社から本取引に係る取引条件等について穴吹興産と交渉を行う権限を付与されていたことから、当該説明の都度、穴吹興産からの本公開買付価格の提案についての諾否の意見を述べた。合わせて本特別委員会は、穴吹興産からの提案を拒絶して逆に当社側から価格の提案を行う場合について、価格をいくらと設定すべきか及びその根拠についても意見を述べた。これらの過程における本特別委員会の意見は、単に望ましい本公開買付価格についての所見を述べてあとは当社に任せるといったものではなく、交渉方針や穴吹興産に対する返答のあり方等の具体的な点についても意見及び要望を述べるものであった。 ・その上で、本公開買付価格の交渉は、このように本特別委員会が穴吹興産からの本公開買付価格の提案への諾否及び反対提案の内容について述べた意見を踏まえて当社及び山田コンサルが穴吹興産に返答するというプロセスで行われた。 ・このようなプロセスを経て、本特別委員会が複数回に亘って穴吹興産からの本公開買付価格の提案を拒絶し、3回に上る上積みがされた結果として、最終的に本特別委員会が本公開買付価格を910円とすることについて了承したことによって、本公開買付価格が確定した。なお、本公開買付価格は、交渉の結果として、当初の穴吹興産の提案よりも60円上回る価格となった。 ・以上のとおり、本特別委員会は、本公開買付価格の交渉について、与えられた権限を踏まえて主体的に関与した。そして、この交渉により、少数株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して交渉がされた経緯が認められる。 ・以上からすれば、本取引における合意は、当社と穴吹興産との間において、独立当事者間に相当する客観的かつ合理性のある議論を踏まえた交渉の結果決定されたものであることが推認され、決定プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらなかった。 (2)株式価値算定と本公開買付価格の関係 ・本件は合併のように当事者双方が相手方のデューディリジェンスを行うタイプの取引ではなく、当社は穴吹興産側のデューディリジェンスを行ったわけではない。そのため、本取引による企業価値向上効果について、現時点において当社が定量的に数値を見込むことは難しいという事

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