シンバイオ製薬(4582) – 抗ウイルス薬ブリンシドフォビル注射剤(brincidofovir)による小児のアデノウイルス感染症を対象とした第2相臨床試験の英国での治験申請

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開示日時:2022/01/18 11:40:00

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損益

決算期 売上高 営業益 経常益 EPS
2018.12 383,553 -265,607 -266,712 -165.52
2019.12 283,775 -430,162 -430,957 -189.03
2020.12 298,705 -450,622 -455,018 -124.13

※金額の単位は[万円]

株価

前日終値 50日平均 200日平均 実績PER 予想PER
1,101.0 1,228.0 1,414.03 -22.7

※金額の単位は[円]

キャッシュフロー

決算期 フリーCF 営業CF
2018.12 -236,432 -232,455
2019.12 -456,725 -435,074
2020.12 -427,141 -412,248

※金額の単位は[万円]

▼テキスト箇所の抽出

2022年1月18日 各位 会 社 名 シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社 代 表 者 名 代表取締役社長兼 CEO 吉 田 文 紀 (コード番号:4582) 問 合 せ 先 管理本部 IR 室(TEL.03-5472-1125) 抗ウイルス薬ブリンシドフォビル注射剤(brincidofovir)による 小児のアデノウイルス感染症を対象とした第Ⅱ相臨床試験の英国での治験申請 シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」)は、この度、主に小児 を対象としたアデノウイルス感染症(以下「AdV感染症」)に対する抗ウイルス薬ブリン シドフォビル注射剤(brincidofovir、以下「BCV IV」)に関する国際共同第Ⅱ相臨床試験(以下「本試験」)を米国に続き、英国においても開始するため、英国医薬品庁(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency:MHRA)に治験申請(Clinical Trial Application:CTA)を提出し、受理されましたのでお知らせします。 本試験は、現在、有効な治療方法がないため医療ニーズが極めて高い小児の播種性AdV 感染症及び免疫不全状態でのAdV感染症(注1)を対象に、安全性、忍容性及び有効性等を評価し、次試験のための推奨用量を決定します。 吉田文紀社長兼CEOは「造血幹細胞移植及び臓器移植後の小児のAdv感染症は、現在有効な治療方法がないため新薬が切望されている空白の治療領域です。この度、米国に続き、英国においても国際共同第Ⅱ相臨床試験を開始しました。英国で試験を開始することでAdV感染症の試験が進み、次相の国際共同試験に向けて開発を加速化していきます。」と語っています。 BCV IVの特徴であるdsDNAウイルス(注2)に対する幅広いスペクトラムと高い抗ウイルス活性は造血幹細胞移植及び臓器移植後のウイルスの再活性化による感染症、並びに免疫不全状態でのウイルス感染症の予防及び治療に有効と考えています。小児の播種性AdV感染症については、時に致命的な経過を辿り、現在世界的に有効な治療薬がないことから医療ニーズが極めて高く、可及的速やかに開発を進める必要性があるものと考えております。本試験により得られた有効性と安全性に関する知見に基づき、造血幹細胞移植後のみならず、腎臓移植等の臓器移植後のウイルス感染領域へと対象領域の拡大の可能性を追求することで、BCV IVの事業価値の最大化を図ってまいります。 なお、本件が2022年12月期業績に与える影響はありません。 以 上 1 【注記】 (注1)造血幹細胞移植と感染症 造血幹細胞移植は、白血病や悪性リンパ腫など、多くの血液がん治療で、抗がん剤治療や放射線治療だけでは治せない場合に、完治を目的に行うもので、ドナーから提供された、あるいは事前に保存しておいた患者さん自身の造血幹細胞を移植する。造血幹細胞移植の前には、ドナーからの新たな幹細胞を拒絶しないように、大量の化学療法と、全身放射線照射で、がん細胞を死滅させるが、同時に患者さん自身の免疫力も失われてしまう。次に点滴により、造血幹細胞移植を行うが、移植した造血幹細胞が患者さんの骨髄で血液を作り出すには2週間から4週間程度の期間が必要である。移植後、免疫力が十分回復するには、長い時間がかかるが、特に移植直後は免疫力が著しく低下しているため、様々な感染症にかかりやすい状態となっており、予防投与できれば合併症も減り生存率も高くなる。造血幹細胞移植後の様々な感染症は未だ有効な治療法が確立されていない「空白の治療領域」であり、医療現場においては、長年にわたり有効性と安全性を兼ね備えた治療方法が切望されている。 (注2)ds DNAウイルス(二本鎖DNAウイルス) サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス(AdV)、ヒトヘルペスウィルス6型(HHV-6)、単純ヘルペスウィルス-1型又は2型(HSV-1/2)、BKウイルス(BKV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、JCウィルス、天然痘ウイルスなど、ヘルペスウイルス科、アデノウイルス科、ポリオーマウイルス科、パピローマウイルス科、ポックスウイルス科を含む。 【抗ウイルス薬ブリンシドフォビル(brincidofovir:BCV)概要】 BCVはシドフォビル(cidofovir:CDV、欧米では既承認・販売の抗ウイルス薬、本邦は未承認)の脂質結合体として新しい作用機序を持ち、CDVと比べて高活性の抗ウイルス効果の他、優れた安全性を併せ持つことから、広範囲のDNAウイルス感染症(CMV:サイトメガロウイルス、AdV:アデノウイルス、HV:ヘルペスウイルス、BKV:BKウイルス、パピローマウイルス及び天然痘ウイルス等)に対して有効な治療方法となり得るものと期待されている。BCV分子の画期性は、CDVに特定の長さの脂肪鎖を結合することにより細胞内への取り込み効率を飛躍的に向上させ、細胞内で直接作用する分子に変換され高い抗ウイルス効果を発揮する。更には、CDVの深刻な副作用である腎毒性を回避できるため使い易く、今までにない新規の高活性の抗マルチウイルス薬である。 シンバイオは2019年9月30日付で、Chimerix Inc.(本社:米国ノースカロライナ州、「キメリックス社」)との間で、BCVに関してのグローバルライセンスの権利取得を目的としてライセンス契約を締結し、本契約の締結により、キメリックス社は天然痘疾患を除いたすべての疾患を対象として、BCVの開発・販売・製造を含めた独占的権利を、世界全域を対象として、シンバイオに対して供与した。シンバイオはBCVの独占的グローバルライセンスを取得することにより、事業のグローバル化を推し進めると同時に高品質の医薬品供給のための一貫体制を確立し、スペシャルティファーマとして成長することを目指している。グローバル事業の展開については対象疾患の地域特性を生かしたパートナーシップも視野に入れて検討中であり、日本だけでなく臓器移植の市場規模が大きい欧米市場及び中国市場を含めたアジア地域を睨み、本剤を必要とする患者さんに一日も早く提供できるよう、事業価値の最大化を図っている。 当ライセンス契約の締結については2019年10月1日のプレスリリースを参照ください。https://www.symbiopharma.com/news/20191001.pdf 2 【ブリンシドフォビル(brincidofovir:BCV)分子の画期性】 BCVは、シドフォビル(CDV)に脂肪鎖(ヘキサデシルオキシプロピル:HDP)が結合した構造となっており、速やかに脂質二重膜へ取り込まれ効率よく細胞内へ移行した後、細胞内ホスフォリパーゼによる代謝によって脂肪鎖が切り離され、生成された活性化体(CDV-PP:CDV diphosphate)が細胞内で長時間保持される結果、抗ウイルス活性が飛躍的に向上した化合物である。また、HDP結合により、OAT-1トランスポーターによる腎尿細管上皮細胞への蓄積が生じないことに加え、CDVが血中に遊離するレベルは低いため、CDVの根本的問題であった腎毒性を回避できる。 【Chimerix Inc. (キメリックス社)概要】 がんや他の重篤な疾患の患者の命に貢献する革新的な医薬品の開発を行うバイオ医薬品企業。2021年6月21日、米国食品医薬品局は天然痘に対する適応で同社のTEMBEXA®を承認しました。同社は他にONC201、dociparstat sodium (DSTAT)の2つの臨床開発が進んでいるパイプラインを有します。ONC201については、再発H3 K27M変異グリオーマに対する承認申請を目的とした臨床試験中であり、2021年後半には独立した中央評価が予定されています。DSTATは、急性骨髄性白血病における一次治療を目的として開発中です。キメリックス社の詳細については同社ウェブサイト(https://www.chimerix.com/)をご覧ください。 【当社会社概要】 シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、旧アムジェン株式会社の実質的な創業者である吉田文紀が 2005 年 3 月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆくことにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。なお、2016 年 5 月に米国完全子会社 SymBio Pharma USA, Inc. (本社:米国ノースカロライナ州 ダーラム、社長:吉田文紀)を設立しました。 3

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