セガサミー(6460) – 統合レポート2021(1/3)

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開示日時:2022/01/11 00:30:00

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損益情報

発表日 売上高 営業益 経常益 EPS
2018/03/31 323664000000 17725000000 17725000000433000000 38.04
2019/03/31 331648000000 13083000000 13083000000-1601000000 11.24
2020/03/31 366594000000 27649000000 27649000000-79000000 58.63
2021/03/31 277748000000 6557000000 6557000000389000000 5.42

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INTEGRATED REPORT 2021©SEGA©SEGA〜現状を打破し、サステナブルな企業へ〜当グループは、2021年5月に新・中期計画を発表しました。 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、事業を取り巻く環境が劇的に変化する中で 当グループは、現状を打破し、サステナブルな企業になるため、新たな船出を迎えました。「統合レポート2021」では、新・中期計画を軸に今後の当グループの成長戦略について説明し、 さらにその先の長期ビジョンである、2030年に目指す姿を紹介しています。Index02 MISSION(存在意義)の実現04 新・中期計画(2022年3月期〜2024年3月期)12 ステークホルダー の皆様へ1420CEOメッセージCFOメッセージ24 業績トレンド28 特集:コンシューマ分野の成長戦略36 エンタテインメントコンテンツ事業34 事業概況 40 遊技機事業44 リゾート事業46 セガサミーグループの創出価値と重要課題52 バリューチェーンで見るESGリスクと対応54 感動体験ヒストリー56 非財務データ58 コーポレート・ガバナンス68 取締役、監査役及び執行役員71 財務情報79 会社概要/株式情報サステナビリティアクションレポート2021当グルー プの5 つのマテリアリティ(重要課題)に関する詳細な活動情報やデ ータを紹介しています。統合報告書と合わせてご活用ください 。 https://www.segasammy.co.jp/japanese/pr/commu/01見通しに関する注意事項この統合レポートに記載されている、セガサミーホールディングス株式会社及びグループ企業に関する業績見通し、計画、経営戦略、認識などの将来に関する記述は、当社が現時点で把握可能な情報に基づく将来に関する見通しであり、その性質上、正確であるという保証も将来その通りに実現するという保証もありません。従って、これらの情報に全面的に依拠されることはお控えいただきますようお願いします。実際の業績に影響を与えうる要因は、経済動向、需要動向、法規制、訴訟などがありますが、業績に影響を与えうる要因はこれらの事項に限定されるものではありません。ネバダ州ゲーミング法令及び規制に関わる、投資家・株主への注意事項当社は、株式公開会社としてネバダ州ゲーミング・コミッションに登録されており、当社の子会社として米国ネバダ州で事業を行う、セガサミークリエイション株式会社及びその完全子会社であるSega Sammy Creation, USA, Inc.の2社の株式を直接的又は間接的に保有することについて適格であると認定されております。両子会社は、ネバダ州においてゲーミング機器を製造・販売するライセンスを受けております。ネバダ州法の規制により、当社の株主もネバダ州ゲーミング当局が定める規則の適用対象となります。当該規制の内容については、https//www.segasammy.co.jp/japanese/ir/stock/regulation/ をご覧ください。INTEGRATED REPORT 2021MISSION(存在意義)の実現感動体験の創造を通じて、 社会をもっと元気に、カラフルに。2030年を目指し、私たちは長期ビジョンを策定しました。存在意義であるミッション「感動体験を創造し続ける〜社会をもっと元気に、カラフルに。〜」、「Be a Game Changer」というビジョン(ありたい姿)は引き続き不変です。 それを上位概念として、セガを中心としたエンタテインメントコンテンツ事業に関しては、「グローバルリーディングコンテンツプロバイダー」を目指します。ゲームコンテンツなどを 、グローバル市場へこれからどんどん提供していきます。次に、遊技機事業は、ユーザー視点のモノづくり、ラインナップの最適化等により販売・稼働シェアナンバー1を目指していきます。最後に、リゾート事業は、参入機会を見極めたうえで、IR 開業に向け注力していきます。 そして、よりサステナビリティを向上させるための検討を開 始して おり、持 続 的な企 業 価 値 向 上を目指し取り組んでまいります 。MISSION(存在意義)感動体験を創造し続ける 〜社会をもっと元気に、カラフルに。〜VISION(ありたい姿)Be a Game Changer 〜革新者たれ〜事業が創出する価値 (コア事業の創出価値)取り組むべき重要課題 (マテリアリティ)エンタテインメントコンテンツ事業ゲー ム等の提供を通じて感動を提供し、人生に彩りを与えるコンシューマ分野成長投資2030年に目指す姿グローバルリーディングコンテンツプロバイダー遊技機事業遊技機事業安定収益化2030年に目指す姿販売・稼働シェアナンバー1  安定収益体質の構築リゾート事業リゾートを通じて感動を提供し、人生に安らぎを与えるIR事業成長投資2030年に目指す姿IR 開業パチンコ、パチスロ遊技機を通じて感動を提供し、日常に刺激を与える環境依存症人製品/サービスガバナンス事業とマテリアリティの結合03セガサミーホー ルディングス株式会社代表取締役社長グループCEO里見 治紀Haruki SatomiVALUE(価値観・DNA)創造は生命×積極進取価値観・DNAをベー スにした事業運営INTEGRATED REPORT 2021新・中期計画(2022 年3 月期〜2024 年3 月期)新・中期計画の目標は 、「 Beyond the Status Quo」です。現状を打破し、サステナブルな企業グループを目指していきます。定量目標として、2024年3月期に経常利益450億円、ROE10%超の達成を目標として掲げました。定量目標GOAL目標Beyond the Status Quo〜現状を打破し、サステナブルな企業へ〜2024年3月期: 経常利益 450 億円、 ROE10%超STRATEGY重点戦略コンシューマ分野遊技機事業成長投資収益の基盤固めIR 事業者認定* 資本効率重視の経営シフトによって、ROEの向上を実現していきます。これまでは、国内IR参入に向けて自己資本を厚く確保してきたため、財務レバレッジを抑制していましたが、今後は、資本構成を最適化し、積極投資に方針を転換し、ROE10%超を目指していきます。資本効率重視の経営シフトによるROE 向上ROE2.9%0.9%0.4%5%(想定)7%(想定)10%(想定)(単位:億円) 売上高 経常利益3,2363,3163,1203,3703,5004504.6%3,665252145743002002018/3期2019/3期2020/3期2021/3期2022/3期2023/3期2024/3期前・中期計画期間(Road to 2020)構造改革新・中期計画 * IR事業に関する今後の方針については P44をご参照ください。事業別の内訳戦略骨子大します。 成長投資においては、コンシューマ分野を中心に経営資源を投入し、既存IPのグローバルブランド化によって収益規模を拡創出を目指します。 ライフタイムで1,000億円の売上を記録できるSuper Gameの マルチプラットフォーム展開や世界同時発売等のタッチポイントの拡大、IPのリマスター、リメイク等によるプロダクトライフサイクル長期化、メディアミックスによるユーザーエンゲージメ 遊技機事業では、ユーザー視点のモノづくり、ラインナップの最適化等を進めシェアの向上を図り、同時に事業効率をあげ、安定的な収益を確保していきます。 IR事業については、IR事業者認定の可能性を引き続き追求ント強化などの取り組みを進めていきます。そして、長期的にはしていきます。 エンタテインメントコンテンツ事業は、さらなる成長を実現し、2024年3月期には400億円の経常利益を目指します。遊技機事業は、この3年間は100億円水準の経常利益を確実に生み出せる事業体質を確立します。リゾート事業は、コロナ禍が収束することを前提として、早期の黒字化を図ります。2021年3月期(実績)2022年3月期(計画)2023年3月期(計画)2024年3月期(計画)(単位:億円)成長投資コンシューマ分野、IR 事業既存IPのグローバル展開、Super Game 創出IR 事業者認定安定収益確保遊技機事業、アミューズメント機器分野、映像・玩具分野ヒットの創出事業効率エンタテインメント コンテンツ事業遊技機事業リゾート事業その他/消去連結売上高営業利益経常利益売上高営業利益経常利益売上高営業利益経常利益売上高営業利益経常利益売上高営業利益経常利益ROE2,178279279531–106–11363–41–895–67–602,77765170.4%2,3802853008809090105–1505–90–903,3702703007%2,420390400960130130105-131015-87-903,50042045010%04052,777172,130230250890909095–30–505–90–903,1202002005%SEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021新・中期計画(2022 年3 月期〜2024 年3 月期)エンタテインメントコンテンツ事業の目標と戦略エンタテインメントコンテンツ事業においては、コンシューマ分野を当グループの成長領域と位置づけています。2022年3月期から2024年3月期までは 、既存のIPの深掘りを進め 、グローバルに展開することで 、収益規模を拡大していきます。加えて 、2026年3月期までに、グローバルでスケールする大型タイトルとして、Super Gameの創出を目指します。 さらに、開発リソースを日本のみならず海外も含め増強していき、チャンスがあればM&Aも積極的に行います。また、スタートアップ等への投資も引き続き推進します。コンシューマ分野には、今後5ヵ年で1,000億円規模の追加投資を計画しています。長期目標グロー バルリーディングコンテンツプロバイダー へ2024年3月期〜2026年3月期 既存IPのグローバルブランド化による収益基盤の増強 グローバルプレイヤーに向けての投資促進期Super Gameの創出 詳細は、P28-33をご参照ください戦略ポートフォリオ積極的な成長投資(5 年で最大1,000 億円規模の追加投資) 新・中期計画期間中の重点戦略は、ソニック、ファンタシースター、龍が如く、ペルソナ、TotalWarなどの既存の有力IPを深掘りし、グローバル市場へ提供していくことです。そして、5年後までにSuper Gameの創出にチャレンジしていきます。また、グローバルで認知が高いIPを数多く保有しているため、過去IPの活用を積極的に行っていくほか、リマスター、リメイク、リブートなどの展開も行っていきます。 一方で、国内のモバイル(スマホゲーム)やアミューズメント機器は安定的に収益を確保できる事業へと育成します。国内で成功したタイトルについては、選別して海外市場もねらっていきます。3ヵ年重点戦略戦略 1 既存IPのグローバルブランド化 グローバルブランドとして認知される太いIPの確立5ヵ年戦略 2 Super Game 創出重点戦略 グローバルでスケールするタイトルの創出成長性   (グローバル)高収益拡大のイメージ3 年間は既存IP 強化で盤石な体制に5 年後までにSuper Gameを創出3ヵ年重点戦略戦略 1 既存IPのグローバルブランド化5ヵ年重点戦略戦略 2 Super Game 創出過去IPの活用サブスクリプション対応収益国内モバイルアミューズメント機器〜2024年3月期〜2026年3月期〜2030年3月期戦略 1 既存IPのグローバルブランド化 3ヵ年重点戦略主力IPをグロー バルブランドとして成長させるブランド拡大のイメージ1 タッチポイントの 拡大2 プロダクトライフサイクルの 長期化3 ユー ザー エンゲージメントの 強化 グローバル展開強化 マルチプラットフォーム対応 マルチ言語対応 IP 資産の活用 デジタル販売強化 マルチマネタイズ コミュニティマネジメント メディアミックス強化戦略 2 Super Game創出 5ヵ年重点戦略2022年3月期大型グロー バルタイトル創出へチャレンジ2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期収益性高   (既存)06 事業規模の適正化と収益性重視 国内モバイル AM 機器成長性   (国内)低 過去IPのライブラリ拡充 過去IPの活用 サブスクリプション対応収益性低   (新規) 欧州スタジオで新作FPSの取り組み IP 資産の活用 3 〜5年後を目指して創出Super Gameの創出グローバルオンラインメディア化IP 活用ライフタイム1,000 億円の売上を目指す07SEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021新・中期計画(2022 年3 月期〜2024 年3 月期)遊技機事業の目標と戦略遊技機事業では、2024年3月期までに、パチスロ・パチンコの合算稼働シェアナンバー1、安定収益体質の構築を目指します。事業効率の向上 遊技機市場全体としては、ホールの軒数は縮小傾向にありますが、店舗の大型化によって設置台数は一定水準を維持しており、像等の共通化に取り組んでいきます。また、スペック替えなどの派製品の回転率を上げることで収益確保できる余地は十分にあると考えています。これまで以上にシェア獲得に注力し、販売・稼働、生タイトルの開発も推進していきます。部材の共通化をさらに進めン)を加速させていきます。さらに設置シェアのトップを目指していきます。るほか、初回ロットの適正化による余剰在庫の抑制など、原価改善 また、安定収益体質の構築に向け、開発効率の向上や原価改善による事業効率化にも注力していきます。 開発効率の向上に向け、パチスロとパチンコの演出に使用する映にも引き続き取り組んでいきます。EC販売にも注力し、対象をパチンコへも拡大することで、DX(デジタルトランスフォーメーショ長期目標販売・稼働シェアナンバー1安定収益体質の構築パチスロ・パチンコ「合算稼働シェア」ナンバー1安定収益を維持2024年3月期ヒットの創出事業効率の向上ヒットの創出 近年、新作IPに偏っていたラインナップなどを見直し、ユーザー視点のモノづくりを徹底します。ヒットの可能性の高いシリーズ機行います。これまで業界で自主規制していたテレビCMが解禁されたことから、テレビCMやデジタルメディアを活用し幅広いマを中心にラインナップを編成するほか、過去のヒット作によるリバイバルも積極的に進め、新規IPについては厳選していきます。さらにメディア機能の強化として、ユーザーに向けた様々な告知をーケティングを実施します。 ラインナップ編成の最適化(シリーズ機中心)  新規IPの厳選・絞り込み  過去IPのリバイバル1 ラインナップの見直し2 ヒットの確率を高める3 メディア機能の強化 ユーザー視点のモノづくり  属性別ユーザー分析の深化081 開発効率の向上2 原価改善 パチスロ・パチンコ間の画像共通化  映像制作の合理化  スペック替え等の派生タイトルの拡大 パチスロ・パチンコ間の部材共通化の促進 初回ロットの適正化による余剰在庫の抑制(中長期目標:余剰在庫ゼロ)3 EC 化の推進 パチンコについてもEC販売へ移行リゾート事業の目標と戦略横浜市のIR事業者選定取りやめにより、IR事業戦略は再検討が必要となりましたが 、引き続きIR参入機会を見極めていきます。その他の事業について、「PARADISE CITY」、「フェニックス・シーガイア・リゾート」ともに今後の需要回復を見込み 、しっかりと収益確保に向けて取り組んでいきます。長期目標IRへの参画を目指す透明性の高いサステナブルなIRの実現STEP 1RFP(公募・選定)(地方自治体)STEP 2区域認定(国土交通大臣)STEP 3ゲーミングライセンスの取得(カジノ管理委員会)IR施設の開業09 デジタルメディアを活用したユーザーコミュニケーションの拡大IR(統合型リゾート)施設開業までのプロセスSEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021新・中期計画(2022 年3 月期〜2024 年3 月期)中長期マップ2030年の当グループの目指す姿の実現に向けて、新・中期計画のスローガンである「Beyond the Status Quo 〜現状を打破し、サステナブルな企業へ〜 」のもと、各種施策を着実に実行していきます。新・中期計画Beyond the Status Quo〜現状を打破し、サステナブルな企業へ〜2022年3月期〜2024年3月期2025年3月期〜2030年3月期持続可能な社会の実現と企業価値の向上を実現エンタテインメント コンテンツ事業 積極投資(コンシューマ分野) 既存IPのグローバルブランド化 Super Game創出 ヒットの創出×事業効率の両立遊技機事業 パチスロ・パチンコ合算稼働シェアナンバー1 収益基盤の強化リゾート事業 IR参画、ライセンス取得 シェア向上 開業準備 企業価値の最大化に向けた財務戦略  詳細は、P20をご参照ください2022年3月期〜2026年3月期 持続性の基盤となる重要課題(マテリアリティ)への取り組み  詳細は、P46をご参照ください環境依存症人製品/サービスガバナンス2030年に目指す姿グローバルリーディング コンテンツプロバイダー販売・稼働シェアナンバー1安定収益体質の構築IR 開業10INTEGRATED REPORT 202111SEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021ステークホルダー の皆様へ新たな世代への経営継承 ただ、このような未曾有の状況下において、私はどれだけ社会が動乱し、環境が変化しようとも、感動を得たいという人間の根源はけっして変わらないという確信を得ました。人々 はエンタテインメントによる感動体験を求め続け 、エンタテインメントのある日常の素晴らしさをこれほど実感した年はなかったと感じています。私たちには、その感動体験を創造できる力があります。そしてその力を世界中へ広げていくことが 、私たちの本当の社会的価値であると信じています。まだまだ不透明な状況は続きますが 、この信念を胸に 、引き続き当グル ー プはエンタテインメントによって感動体験を創造し続けます。サミー の前身となるサミー工業の設立、そして2004 年のセガサミーホー ルディングスの誕生以降もグル ー プの先頭に立ち 、走り続けてきましたが 、2021 年4 月に私はCEOのバトンを里見 治紀に譲り、代表取締役会長となりました。今後のグル ー プ経営は新CEOが中心となって 、舵取りを行うことになります。もちろん 、私もこれまでの人脈や経験を活かし、代表取締役会長として 、しっかりと新CEOを支えていきます。 私たちが対峙するエンタテインメント市場は、流行の変化が激しく、技術も目覚ましく進歩しており、誰も体験したことのないコンテンツが日々生み出されています。だからこそ経営者には 、この流行をキャッチアップできる若い感性が不可欠であり、まだ40 代である新CEOには大いに期待しています。また 、この若さもさることながら、彼の最大の魅力は 、大局を見る力があることです。世界の動きを大きな視点で捉えることは、時代の先を読む力につながります。時代の先を読む力を持つことは経営者としてとても重要です。私自身も 、若い時から常に時代の先を読み 、会社を大きくしていきました。今後は、これまで以上にお客様や社員を含むステークホルダーとのコミュニケーションを大切にし、誰からも信頼されるCEOへと成長していくことを期待しています。代表取締役会長里見 治Hajime Satomi感動体験の創造こそが、    私たちの社会的価値 世界は今、大きな転換期を迎えています。新型コロナウイルスの感染拡大は 、世界中に大きな影響を与え 、人々 の価値観や生活様式が大きく変わりました。あらゆる企業がこの不透明な時代に 、これからの社会にどのように貢献し、価値を提供できるかという命題に向き合い 、将来像を模索しています。飛躍に向け、挑戦を続ける近年のデジタル技術の進化はすさまじく、今後さらに加速していくことでしょう。そして 、10 年後、20 年後の技術がどうなっているかは誰も正確に知ることはできません 。ただし、エンタテインメントは 、デジタル世界だけで完結していくものではなく、リアルな世界は必ず残るという確信が私にはあります。私たちが挑戦を続ける国内IR 事業もまさに 、人と人が直接関わり合い 、感動を生み出していくエンタテインメントです。当事業は 、これから方向性を決定していくことになりますが 、世 こうした中、当グル ー プは構造改革を断行いたしました。巣ごもり需要によって 、エンタテインメ界中の多くのユー ザー が訪れる、笑顔に満ちた場となると思います。ントコンテンツ事業が業績を伸ばした一方で 、リアルビジネスである遊技機事業やリゾート事業は 、 コロナ禍によって 、当グルー プは大きな変化がありましたが 、これを私は飛躍のための助走であ厳しい状況へと追い込まれました。このような事業環境を踏まえ 、アフターコロナにおけるグル ーると感じています。構造改革によって 、組織はさらに強くなり、新・中期計画とともに 、長期的に目プのあり方を熟考した上での改革は 、祖業ともいえるアミューズメント施設事業からの撤退や 、創指すべきビジョンも決定しました。後は、全社員が臆することなく、挑戦を続けていくだけです。ス業時から当グルー プを支えてくれていた社員を含め、多くの社員を対象とした希望退職者の募集なテークホルダ ー の皆様には 、引き続きセガサミーグル ー プにご期待いただくとともに、より一層のど、苦しい決断を迫られるものとなりました。ご支援、ご協力をお願い申し上げます。1213SEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021CEOメッセージやリゾート事 業 では 苦 戦 を 強 いられましたが 、結 果 的 に2021年3月期の売上高は2,777億円、営業利益は65億円、経常利益は17億円、親会社株主に帰属する当期純利益は12の有事が起きたことにより、スピ ード感を持ってこれまで以上に大胆な改革を決断する必要がありました。 希望退職を募るなど 、痛みを伴う改革もありましたが 、億円と、黒字を確保することができました。このことで当グルー プは、これまで以上に筋肉質な企業体 期中には、当グルー プの今後の持続的成長に向け、事業質へと変貌を遂げることができると考えておりますし、希ポ ートフォリオ改革や 、成長に向けた資金を確保する構造望退職に応募していただいた方々 がセガサミー グル ー プ改革を推し進めました。に在 籍していたことを誇 れるような 企 業グ ル ー プにする 従前からアミューズメント施設事業の収益性の低さ 、遊責務があると考えています。今後は 、この確固たる基盤の技機業界の市場規模のシュリンクなどについては当グルーもと、社員のモチベ ーションをさらに高め 、将来の飛躍、プの課題として認識しており、課題解決に向けて事業効率、そしてビジョンの実現に向け 、新・中期計画を着実に実行資産効率の向上に努めて参りましたが 、このような未曾有していきます。2021年3月期実績売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益 前期比24.2%減 前期比76.4%減 前期比93.3%減 前期比91.2%減2,777億円65 億円17億円12億円 アミューズメント施設分野の構造改革費用 オービィ横浜の閉館 アミューズメント機器分野の構造改革費用2. 固定費削減 希望退職者の募集等3. バランスシートの見直し 投資有価証券の売却益(サンリオ株式等の売却) 非事業不動産の売却益(大阪の土地の売却)「構造改革」に伴う2022年3月期P/L改善効果(単位:億円)59122021年3月期のP/L影響額–191 億円(特別損失)–5 億円(特別損失)–32 億円(特別損失)–92 億円(特別損失)+112 億円(特別利益)+152 億円(特別利益)88–2239アミューズメント 施設等の構造改革事業構造見直しに よるP/L 改善額 増加 減少 合計人件費の削減アミューズメント機器合理化等による削減効果人件費の正常化(従業員賞与・役員報酬等)2022年3月期に おけるP/L改善効果構造改革に伴う固定費削減効果人件費の正常化P/L 改善効果代表取締役社長グループCEO里見 治紀Haruki Satomi「構造改革」実施による影響1. 事業構造の見直し感動体験を創造できる企業であり続ける  セガサミーグル ープは 、「感動体験を創造し続ける〜 社ンメントがなくても人は生きていけますが、エンタテインメ会をもっと元気に、カラフルに。〜 」をグル ープミッションントがない人生は 、本当に豊かでしょうか。衣食住、安心・に掲げています。このミッションは、未だ猛威を振るってい安全が満たされた次に人が求めるのは 、喜び 、刺激、安らる新型コロナウイルス感染症拡大の中で 、さらに重要度をぎです。それらを高いレベルで提供できる経営資源を持つ増しています。このグル ープの共通ミッションがあるからことが 、私たちの最大の価値なのです。これからも 、感動こそ 、コロナ禍の環境下においても 、私たちは進むべき方体験を創造できる企業であり続けることが 、間違いなく私向を誤ることはありませんでした。 2020 年春の緊急事態宣言下において 、当グル ープの存在意義について 、改めて深く考えさせられました。極論すれば 、エンタテインメントは世の中が平和でなければ消費たちの存在意義であると、今は確信を持っています。 経営面に関しては、刻一刻と変化するコロナ禍の当グループへのインパクトを想定し、スピード感を持って 、対応を進めました。2020年春の緊急事態宣言時は 、この状況が長されない平和産業といえます。当初、パチンコホー ルを中期化した場合、当社の純資産が半分まで減少するという最心に世間から非難を浴び 、エンタテインメントは不要不急ビ悪のシナリオまで想定しましたが 、幸いコロナ禍の影響はジネスとして存在意義そのものを問われましたが 、それでそこまで業績を押し下げることなく、むしろコンシューマ分もそこで余暇を過ごしたいと考え、精神的な安定を求めて野については 、巣ごもり消費の影響もあり、大幅な増益と訪れてくださるお客様がいました。もちろん 、エンタテイなりました。フィジカルな接触を伴う業界である遊技機事業1415SEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021新CEOに就任  私は2021年4月1日に当 社 の 代 表 取 締 役 社 長グ ループCEOに就任しました。そして5月には新CEOとして新・中期計画となる「 Beyond the Status Quo 〜現状を打破し、サステナブルな企業へ〜 」を発表しました。この「 Beyond the Status Quo」に込めた思いとして 、セガサミーグループの売 上 高は2021年3月期には2,777億 円まで減 少しており、2004年のセガとサミー の統合時をピークとして半減している状況です。これを打開し、中期で4,000億円、長期で5,000億円以上の売上高を実現するとともに、資本効率を重視した経営を推進し、グループ価値の最大化を実現することがCEOとしての経営責任であると認識しています。新・中期計画 今般発表した新・中期計画のスローガンとして「 Beyond the Status Quo 〜現状を打破し、サステナブルな企業へ〜」を掲げました。定量目標として 、2024 年3月期に経常利益450億円、ROE 10%超を目指します。スローガンにある「現状を打破」に、私は強い思いを持っています。これまでは 、国内IR 事業への投資余力を意識する必要があったため、自己資本の増強を進める必要があり、これが資本効率低下の一因でした。残念ながら国内IR 事業については引き続き 、参入機会の見極めが必要になりましたが 、国内IR 事業以外的な市場の成長が見込まれるコンシューマ分野に関しては、積極的な追加投資を計画しています。財務的な投資の後押しと、私たちの保有するIP 資産や開発力等を融合させ 、中長期的に大きな飛躍を実現させたいと考えています。Goal 目標エンタテインメントコンテンツ事業の戦略 そのためには 、前CEOが醸成させてきた私たちの価値観・DNAである「創造は生命×積極進取」をしっかりと受け継ぎながら、時代の変化に合わせて経営・事業を改革・進 この事業では長期目標として「グロー バルリーディングコンテンツプロバイダ ー 」を掲げました。市場環境が良好な今だからこそ 、われわれの保有するIP 資産、開発力、財ことが、今やスタンダードとなっています。当グループも、10 年以上ユー ザ ー を魅了し続けるゲームをたくさん生み出していけるよう、開発や運営をさらに高度化していきます。化させていきます。私たちを取り巻く環境の変化はますま務力等をフル活用し、グロー バル規模で競争力を発揮でき 最後に「ユ ー ザ ーエンゲージメントの強化」では 、コンテすスピードを増しており、日々、新しいテクノロジー やビジネスモデルが生まれています。こうした変化を受け入れ 、柔軟に対応していくことが肝要であり、いつまでも過去のる存在となることを目指します。 その最初の3年となる新・中期計画における最重要課題は、既存IPの展開領域を拡大し、既存IPのグローバルブランド化ンツに触れる機会を多面的に増やしていきつつ 、ユー ザーの潜在的なニーズをタイムリーに把握し、それを製品・サービス提供につなげていくことが求められます。昨年の「ソ成功体験に引きずられていては 、あっという間に競合他社を進めることです。そのためには、「タッチポイントの拡大」、ニック・ザ・ムービ ー 」では 、最初のキャラクターデザインに置いていかれます。こうした危機感をしっかり持ち 、社員一丸となって新たな挑戦を続けていきます。「プロダクトライフサイクルの長期化」、「ユーザーエンゲージメントの強化」の3つの施策を進めることが必要です。 まず 、「タッチポイントの拡大」に関しては、グローバル、マルチプラットフォーム展開をさらに加速します。これまで当グループは、一つのIPを単一プラットフォームと単一地域で展開、もしくは、ある地域で成功したIPを他の地域、プラット 一方で 、会計上の利益を追い求めるだけでは 、持続的な成長を実現することはできません 。社会の中での存在意フォームに移行するやり方でした。しかし、このモデルでは、義を自覚し、社会全体へ正のインパクトを与えることを意投資効率やマーケティング効率が悪いというデメリットがあ識した上で長期的な視野で経営する必要があります。私たりました。近年、ゲーム業界はデジタル販売が拡大し、ディスちの重要課題(マテリアリティ)である「環境」、「依存症」、トリビューション手法が劇的に変化しています。以前はグロー「人」、「製品/ サービス」、「ガバナンス」にしっかりと向き合バルで製品を販売するためには、世界各地にオフィスを持ちい 、サステナブル企業を志向していきます。この新・中期営業人員を配置する必要がありましたが 、デジタル販売であ計画のスローガンを全社員で共有し、実現していくことが、れば即世界中に配信できる時代になっています。また、ユーわれわれがミッションとして掲げる「社会をもっと元気に 、ザーの裾野も急激に広がっています。過去、ゲーム事業は高に対して世界中のソニックファンから多くの意見を頂き 、そのファンの意見を踏まえて改善に取り組んだ結果、大きな成功を収めることができました。今後のIP 価値の最大化に向けて 、ファンの期待値を把握することは重要なテーマとなります。ファンの期待値を的確に把握した上で 、その期待値を大きく超える製品・サ ービスの提供を実現することができれば 、各IPのファンがより一層増え 、結果的には収益の最大化にもつながります。 新・中期計画の3 年間、当グル ー プはこれらの施策を実行し、さらにその先は、Super Game(大型グローバルタイトル)の創出を目指していきます。そのために 、5 年間で最大1,000 億円規模の追加投資を検討してまいります。投資対象は開発リソース・製品パイプライン以外にも視野を広げた上でM&Aも選択肢にし、成長に向けた投資を積極的に推進していきます。 ゲームの市場規模はここ数年で非常に伸びており、2023年には市場規模が20兆円を超え、ゲームプレイヤー、配信者、視聴者も含めた「ゲーマー 」は30億人以上に達すると予額なハードを購入できるユーザー が多い先進国が主戦場でした。しかし、ゲームのプラットフォームが、PC 、スマートフォンへと拡大する中で、世界中の多くの人々にゲームを提供できる環境になりました。このタッチポイントを大きく拡大できるチャンスをしっかりと捉え、成長へとつなげていきます。想されています。この世界中の「ゲーマー 」に支持される感 次に「プロダクトライフサイクルの長期化」です。これま動体験を創出することができれば 、大きなリターンを得るでのゲームはリリース後売り切り、そして後継シリーズを数年後に販売するというビジネスモデルが主流でした。しことが可能です。この将来有望な市場に向けて 、当グループのこれまでに生み出した保有IP 、ゲームクオリティ、ブラかし、一つのゲームに追加コンテンツなどを配信し、アップンド力を発揮することができれば 、実現することは十分にデ ートを適 時 行うことで 、長くユ ー ザ ー に遊 ん でもらう可能であると確信しています。Beyond the Status Quo〜現状を打破し、サステナブルな企業へ〜重要課題(マテリアリティ)既存IPのグローバルブランド化の成長領域への投資は積極的に進めます。特に今後、持続カラフルに」にも必ずつながっていくと信じています。環境依存症人製品/サービスガバナンス1 タッチポイントの拡大2 プロダクトライフ サイクルの長期化3 ユー ザー エンゲージメントの強化1617SEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021遊技機事業の戦略サステナブルな経営に向けて 2021 年3 月期は 、コロナ禍を受け遊技産業全体が大きの中で 、よりゲーム性の高いものへリバイバルしていきま 2020 年に当グル ー プは 、持続的に企業価値を向上する期中に具体的なアクションプランを策定し、KPIを定め 、公な影響を受けました。パチンコホー ルは休業を余儀なくさす。そして 、ヒット確率をあげるためには 、ユ ー ザ ー視点ための 、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を再定義れ、遊技機メーカー は旧規則機の撤去期限延長を受け 、新でのモノづくりを徹底し、ニーズに合った機種へとバージョしました。表できるよう、事業会社と活発な協議を行っています。 今後は 、こうしたESG 及びSDGsに関連する事項は 、経規則機の販売が停滞しました。一方で 、コロナ禍を受けてンアップすることが不可欠となります。ユー ザ ー視点とプ その一つである「環境」に関していえば 、気候変動は 、今営トップ層において話し合いができる十分な時間を設けても徹底した感染症対策を行った上で多くのパチンコホー ルロダクトアウトの発想をミックスして 、時勢に合った画期的後世界的に最も影響の大きなリスクとして捉えられ 、当グいきたいと考えています。経営監督と執行を分離し、ビジが営業を続けており、底堅いユー ザー の支持もあり、遊技機市場の火は依然として消えていません 。長期的に考えな機種を生み出していきます。さらに、自主規制緩和によって広告が可能になったテレビCMや 、若年層に向けたデジた場合、国内に事業領域が限定されるこの事業においてタルメディア等を活用し、直接ユ ー ザ ー に向け 、機種の魅ル ー プも本格的な取り組み が求められています。これまネスに関する判断は事業会社に委ね 、取締役会は外部環境で当社では 、温室効果ガスの排出の抑制を自社だけ 、つまりスコープ1 の視点で考えていましたが、それをスコープ3の長期的テーマに沿った議論をする場とすることが適切だと考えています。それが、当グルー プを支える高度なコー大幅な成長を実現することは困難かもしれませんが、当社力をアピー ルしていきます。まで拡大する方針で現在動いています。アミューズメントでは引き続き遊技機事業を高い収益性、高い競争力を保 こうした施策を進める中で、安定した利益率を確保するた機器や 、パチンコ、パチスロなどの稼働時の消費電力を適持する重要な事業であると位置づけています。長期目標として「販売・稼働シェアナンバ ー1」、「安定収益体質の構めには、事業効率の向上も重要となります。その一環として、開発効率をあげるため、これまで同じIPでパチンコ、パチス切に把握し、当グル ープの事業活動がどの程度環境に負荷を与えているかを速やかに把握し、負荷の軽減に向けて取ます。多様なスキルと知見を持つ社外の力も加え 、多面的築」を掲げ 、これらを実現することでキャッシュ創出力のさロで異なる演出画像を使用していた機種については 、順次り組んでまいります。な視点から、今後世界の大きな動きの中での当グル ー プポ レート・ガ バ ナ ン ス にもつ な がって いきます。また 、2021 年6 月時点の取締役会の構成は 、社内取締役と社外取締役の比率は50%であり、女性取締役も3 名参画してい その他の重要課題(マテリアリティ)である「依存症」、「人」、「製 品/ サ ービ ス」、「ガ バ ナンス」についても2022 年3 月のあるべき姿を検討していきます。らなる向上に取り組みます。 現在サミー の「稼働シェア」は 、パチスロで4 位、パチンコで2 位、合算3 位ですが 、新・中期計画中の3 年間で 、パチスロ・パチンコ「合算稼働シェア」ナンバ ー1を目指していきます。機種が稼働しているということは 、市場に適正な共有化を進める予定です。さらに部材の共通化にも注力し、ロットの適正化、余剰在庫の抑制に引き続きチャレンジしていきます。また 、パチスロで実施しているEC販売については、パチンコでも開始し、業界のDXを先導していきます。 ZEEG 筐体に関しては 、採用をさらに促進し、2024 年3台数が供給されているということであり、取引先であるパ月期までにパチスロは完全移行する予定です。他社へのチンコホー ルの経営に貢献できている、ユ ー ザ ー に支持提案も進め 、引き続き業界内で多くのメーカー に採用してされている証です。だからこそ 、私たちは 、「稼働シェア」にこだわり、最も重要なKPIと位置づけました。このKPIをいただくことを目指していきます。 また 、遊技機だけではなく、新分野も開拓することで 、高める鍵は、なんといってもヒット機種を創出することです。新たな収益基盤の確保も進めていく予定です。私たちがそのために 、ラインナップを徹底的に見直し、実績のあるシリーズ作を中心としたラインナップを構築し、成功確度の向上と安定収益のバランスを取っていきます。また 、過去のIPについても再活用を積極的に検討し、現行の規制長年培ったゲーミング分野でのノウハウを活用し、テキサスホー ル デムを軸とした 新 規 事 業「 m 」を開 始しました 。今後も事業領域の拡大を模索してまいります。1 ラインナップの見直し2 ヒットの確率を高める3 メディア機能の強化ヒット機種の創出事業効率の向上1 開発効率の向上2 原価改善3 EC 化の推進最後に 2021年3月期は、予期せぬ大きな環境変化の中で、構造改革を断行しました。それによって、私たちはより力強い体質になったことが最大の成果でした。そして今後は、さらにこの組織の力を高めていくことが 、持続的成長には不可欠です。そのためには、多様な人財が各々の能力を活かし、イノベーティブな活動ができる環境整備が鍵となります。また、海外への飛躍を目指すためには、海外人財の増強も極めて重要な課題であると認識しています。そのために国籍、人種、性別を問わず 、多様な価値を生み出す能力のある人財が集まり活躍できるよう、制度の整備や魅力的な企業文化を構築します。長期的な目標は 、「多様性を持つ人財が当たり前に働く職場」という社内の雰囲気をつくりあげることです。 さらに、人事評価制度も見直し、年功序列ではなく、実力とパフォーマンスに応じて 、昇級・昇進を決定する制度へと変更しました。 今後、こうした多様な能力を持つ人財、そしてステークホルダーの皆様とともに、セガサミーグループは、これまで以上に企業価値を高めていきますので、当グループへより一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。1819SEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021CFOメッセージ資本効率重視の経営 事業面での構造改革の実施と並行して 、資本効率重視の圧力にもなっていました。2021 年3 月期の構造改革を経経営システムを本格的に導入することを決定しました。新・て策定した新・中期計画にて 、当グル ー プの将来に明確な中期計画のもと、事業ポートフォリオの見直しまで含めた 、方向性を打ち出し、リスクと資本構成に関する精度の高い全社的な経営システムの抜本的な変革ともいえる施策です。 今後の財務戦略で重要なのは 、ROEの3 つの構成要素の1つ「資本コストの最適化」です。これを言い換えれば、「最適資本構成によるWACCの低減」ということになります。分析を実施いたしました。調達上の財務規律として 、適正な現預金ポジションと格付水準を維持する条件で 、2021 年3 月期末に一旦0.2 倍程度まで下がったD/Eレシオを0.5 〜0.6 倍レベルまで引き上げていきたいと考えます。有利子過去、当グル ー プの事業は他の業種よりも業績の変動要素が大きいと捉え 、リスクバッファー を多めにとる財務戦負債を過去よりも大胆に活用することで 、新・中期計画で計画した事業投資をしっかり行い、最適なWACCのもとで、略を行ってきましたが 、過度なキャッシュの積み上げは 、企業価値を最大化していきます。資本効率の向上に対する足かせになるとともに株価の下方資本効率重視の経営へ企業価値最大化TSR 拡大ROE10%超経常利益500億円超総還元性向50%以上事業会社ROIC向上 コンシューマ分野への重点投資 ROIC経営 事業ポートフォリオ管理 最適資本構成によるWACC低減 リスクに応じた負債積極活用 ESG強化による長期リスク低減D/Eレシオ0.5 〜0.6程度(ネットD/Eレシオ0.2 〜0.3程度)有利子負債の活用によるROE 向上と資本コストの低減概念図(単位:億円)現預金1,549849700余剰資金運転資金非支配株主持分 4520有利子負債事業成長に伴いバランスシート全体は成長滞留する余剰資金を小さく余剰資金運転資金有利子負債有利子負債を活用2,907株主資本投下資本株主資本成長投資とのバランスを踏まえた積極的な株主還元2021年3月期新・中期計画※ 投下資本=現預金を除く総資産– 有利子負債以外の負債※ 株主資本には、その他の包括利益累計額を含む最適資本構成と積極投資でグルー プのさらなる成長を目指します 構造改革の断行 2021年3月期をスタートしたとき、CFOとしての 最 大 の集を中心とした固定費の圧縮や 、非事業資産の売却にも取課題は、新型コロナ禍の渦中にあって、収益予想もできない、り組みました。特に 、市場が縮小傾向にある遊技機事業に先行きが全く見通せない中、事業資金をしっかり確保するこおいては、競合他社に比べても過剰な人員規模となっておとでした。コミットメントラインの拡大など、一通りの資金手りました。これまで当グルー プの柱となっていた事業であ当てを完了し、当面の財務安全性が担保された上で、環境変るため難しい経営判断でしたが 、これにより現在の厳しい化に合わせた本格的な構造改革を断行いたしました。環境にも正面から対抗できる体制が整いました。 アミューズメント施設事業については 、投資リターンの 新型コロナウイルス感染症の影響は当グルー プにとりま観点からこれまでも課題を認識しており、成長分野であるしても大変大きなものでしたが 、この危機を機に 、これま1,882投下資本コンシューマ事業へのリソースシフトを明確にするためにでの経営課題をスピーディーに解決し、次の事業成長の基も 、事業の売却を決定いたしました。また 、希望退職者募盤を構築することができました。2021利益成長資本コスト最適化資産効率向上エクイティスプレッド拡大株主還元取締役 専務執行役員 グループCFO深澤 恒一Koichi FukazawaSEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021 資金調達については、コミットメントラインと当座貸越の未使用枠の合計が 、2021 年3 月期末時点で2,130 億円ありますが 、市場の金利情勢によっては 、社債の発行なども検定していますが 、ROIC 引き上げに向けた各種施策については 、各事業会社との対話を通して施策の達成度の確認と運用面のモニタリングを実施しながら、各事業のROIC 向今後のコンシューマ分野の成功の可否は 、ユ ー ザ ーエン 一方で 、遊技機事業は非常にユニ ークなポジションにあゲージメントを高めるメディアプラットフォームの構築やコります。構造改革によって最適経営規模となったため 、従ミュニティの活性化といった要素が重要で 、むしろ直接的来よりも安定的な収益貢献を可能とする体制が整いました。討します。上を図っていきます。なゲームユー ザー以外のコミュニティ参加者を広く囲い込ホー ルとユ ー ザ ー からこれまで以上の支持を受けること 最適資本構成の検討に合わせて、株主還元の明確な方針も決定しました。これまでは年40円の安定配当でしたが、これを下限値として意識しながらも、DOE 3%以上・総還元性向50%以上を掲げ、利益に連動した還元方針を明確にし、事業成長に応じた株主還元を実施していきます。 また 、事業投資効率を計る指標として事業会社にROIC これらの各指標は、単なる達成すべき管理指標ではなく、すべてが有機的にかかわり、最終的なROE 向上につなげていくための仕組みになっています。 なお 、新・中期計画のROE 目標10% 超は 、当グル ー プの過去5 年の平均WACCをベンチマークとし、理想的なエの導入を進めています。各事業における最低限求められるROIC 水準は 、持株会社サイドで資本コストをベ ー スに設ものです。クイティスプレッドを実現するための数値として設定した向上させることで 、事業収益の安定化・最大化を図ることができます 。ESG 強化による長期リスク低減・企業価値向上む戦略が求められます。もちろん投資額先行の話ではなく、を意識し、競争優位性を高めることで 、縮小傾向にある市投資内容が重要ですが 、こうしたいわばマーケティング関連の投資も検討していきます。 当グルー プには、積極投資によってグロー バルブランドへと成長しうるIPが多くあり、それらの一つひとつを価値場におけるシェア拡大をねらっていきます。適正規模の投資を継続していけば 、引き続き年間100-150 億円の経常利益を確保できる安定収益事業と考えています。成長投資計画 新・中期計画の要諦は、エンタテインメントコンテンツ事業を実現すべく、新・中期計画では5年間で最大1,000億円規 当グル ー プを取り巻く外部環境は急速に変化しており、ESGをはじめとしたサステナビリティ課題についても経営基づいた財務開示を進めるにあたり、現在、スコープ1 〜スコープ3での環境目標の策定を進めています。のコンシューマ分野を今後の当グループの成長エンジンとし模の追加投資を見込んでいます。の根幹にかかわる課題として捉え 、真摯に取り組む必要がて明確化し、そこに重点的な投資を実行するものです。前述 ここでいう追加投資は 、会計上様々 な項目として現れてあります。昨 今 重 要 性 が 高まっている環 境 問 題や 、当グ  また 、人 財 多 様 性 の 推 進 も 急 務 です。人 種 や 性 別、LGBTなどはもちろん 、思考の多様性を重視します。様々の最適資本構成の考え方は、飽くまでもこの投資戦略が前提となっており、なんとしてもコンシューマ分野における飛躍くることが想定され 、一概にコンシューマゲームへの投資といっても、単なるR&Dばかりを指すものではありません 。ル ー プの事業に深く関係する依存症問題についても 、消な価値観を持つ人財が唯一解の無いテーマを自由闊達に費者の嗜好や価値観の変化という形で 、いずれ必ず当グディベ ートすることで 、最適解に到達できることが最強の成長投資と株主還元の考え方(2022年3月期〜2026 年3月期)<調達><配分>5年後にD/Eレシオ0.5倍〜0.6倍(or ネットD/Eレシオ 0.2倍〜0.3倍)有利子負債による 資金調達余剰資金足元の運転資金水準5 年後運転資金水準2021年3月期末5カ年累計今後5カ年での配分イメージ株主還元の方針過去の配当実績を意識した上で下記の還元方針を導入します。 総還元性向=50% 以上 配当政策=DOE3% 以上 自社株買いについては、事業動向・株式市場の動向等を勘案し機動的に判断成長投資 コンシューマ分野 IR事業 既存事業成長投資 新規事業株主還元 安定的な増配 (詳細は右記)ルー プの事業に甚大な影響をもたらすものと考え、プロア組織だと思っています。クティブな対策を取っていきます。 特に、カーボンニュートラルへのトランジションは 、長期 現在、社外の視点も入れながら、上記マテリアリティに対応する具体的なアクションを検討しており、2022 年には的な財務インパクトが大きくなる可能性がある一方で 、現時 点での 取り組 みは十 分ではないと考えます。TCFDに 発表できる予定です。成長戦略の実行と最適資本構成の実現 横浜市のIR 事業者選定取りやめを受け 、当グル ー プにおきましてもIR 事業戦略の再検討が必要となりましたが 、横浜市RFPのプロセスを経て 、当グル ー プが間違いなくIR 事業に関する日本のトップチームであることを確信しました。したがってIR 事業については引き続き参入機会を見責務は 、企業戦略に則って 、事業成長のための積極的な事業投資を実現し、最適な資本構成を実現することで資本効率を引き上げること、エクイティスプレッドを拡大していくことであると考えています。その過程をしっかりと開示しながら対話を重ね 、当グル ープの将来について 、株主、投極めていきますが 、資源配分を含む足元の投資戦略につ資家の皆様の信頼を得られるよう努力を継続していきます。いても再検討を進めていきます。 投資家の皆様からは 、「投資できない余剰資金はどうするのか」という質 問をよく受けますが 、CFOとしての 私 の2223営業C/FSEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021業績トレンド売上高*1億円3,955新型コロナウイルス感染症の影響を受け、各事業の好調と苦戦が鮮明になりました。その中でコンシューマ分野が飛躍的に伸長しましたが、連結売上高は前期比24.2%減少し、2,777億円となりました。3,2143,7803,6683,4793,6693,2363,3163,6652,777億円2,777’12’13’14’15’16’17’18’19’20’21(年3月期)営業利益/営業利益率営業利益は前期比76.4%減少し、65 億円となりました。億円/%14.758310.23853855.91901904.71745.11768.02952955.5177’12’13’14’15’16’17’18経常利益/親会社株主に帰属する当期純利益(損失)*2構造改革の実施に伴い、特別利益・特別損失ともに大きく計上しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比91.2% 減少し、12 億円となりました。 構造改革の詳細は、P15をご覧ください。億円58165 億円 /2.3 % 営業利益  営業利益率7.5276276’203.93.9130’192.36565’21(年3月期)17億円 /12 億円 経常利益  親会社株主に帰属する当期純利益(損失)334405405307307218209168164532852761458974262521371712–113セグメント別営業利益(損失)*3億円2015 年 セグメント変更2374710–151–54020452–12–12–12–641119235–7–4–4–632012 年3月期〜2015 年3月期セグメント2015 年3月期〜2021 年3月期セグメント 遊技機事業  コンシューマ事業 アミューズメント機器事業 アミューズメント施設事業 その他事業  消去又は全社 遊技機事業 エンタテインメントコンテンツ事業 リゾート事業 調整額*340257–25–9–9–20–650257–23–23–6042209–18–18–57111263–22–22–57148119–25–25–6598134–24–24–78’12’13’14’15’15’16’17’18’19’20165232–36–36–85279 –106 –41 –67 ’21(年3月期) 遊技機事業  アミューズメント機器事業(分野)  アミューズメント施設事業(分野) コンシューマ事業  エンタテインメントコンテンツ事業セグメント別営業利益率%33.524.914.816.517.216.94.92.6’130.7’122.10.1’143.6’150.0’1517.85.414.92.2’1621.413.312.811.37.16.74.5’12’13’14’15’16’17’18’19’20’21(年3月期)’17’18’19’20’21(年3月期)*1 2016 年3月期より売上高の計上基準を①純額基準から総額基準、②出荷基準から納品基準へ変更したことにより、2015 年3月期実績を遡及修正しています。*2 「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準委員会 平成25年9月13日 企業会計基準第21号)等を適用し、2016年3月期より、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としています。*3 2015 年3月期のセグメント変更以降、調整額にはセグメント間取引消去と各報告セグメントに配分していない全社費用を含めています。2425SEGA SAMMY HOLDINGSINTEGRATED REPORT 2021ROE /ROA*4ROEは前期から4.2ポイント減少し、0.4%となりました 。ROAは前期から2.7ポイント減少し、0.3%となりました 。*4 ROA = 親会社株主に帰属する当期純利益/総資産%0.4 %/0.3% ROE  ROA億円設備投資額/減価償却費*5設備投資額は、前期比36.4%減少し、145億円となりました。減価償却費は前期比18.2%減少し、121 億円となりました。145 億円 /121億円 設備投資額  減価償却費11.06.39.35.77.74.49.25.2361328381287287280280270270344241228161181181161176176166163162145148145121 1.81.02.91.8’180.9’190.60.40.3’21(年3月期)4.63.0’20 ’12’13’14’15’16’17’12’13’14’15’16’17’18’19’20’21(年3月期)キャッシュ・フロー2021 年3 月期における営業活動によるキャッシュ・フロー は63 億円の支出(前期は385 億円の収入)となりました 。投資活動によるキャッシュ・フロー は304 億円の収入(前期は154 億円の支出)となりました 。億円 営業活動によるキャッシュ・フロー  投資活動によるキャッシュ・フロー フリー・キ

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