コニカミノル(4902) – 知的財産報告書2021

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開示日時:2022/01/11 00:30:00

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損益情報

※金額の単位は万円

発表日 売上高 営業益 経常益 EPS
2018/03/31 103125600.0 5384400.0 5384400.0 64.96
2019/03/31 105912000.0 6244400.0 6244400.0 84.03
2020/03/31 99610100.0 821100.0 821100.0 -6.21
2021/03/31 86338100.0 -1626700.0 -1626700.0 -30.75

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INTELLECTUAL PROPERTY REPORT 20211はじめに新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、社会情勢やビジネス環境が著しく変化しています。企業の稼ぐ力の源泉についても、無形資産の占める割合が増加し、経営資源としての重要性が増してきました。この状況の変化のもと、昨今では、企業における知的財産をはじめとする無形資産への投資、戦略の実行が経営に大きな影響を及ぼすことがあらためて認識され、その適正な情報開示が求められています。当社は、知的財産が重要な経営資源であると認識し、2004年度から知的財産報告書を通じて、知的財産に関する投資や戦略について継続的に開示して参りました。今回の知的財産報告書では、中期経営計画「DX2022」における知的財産投資や知的財産戦略及び2020年度における知的財産活動についてできるだけ具体的に開示するように努めました。本報告書が株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆様との対話のツールになることを祈念しています。今後も経営理念の「新しい価値の創造」に基づき、知的財産の投資・活用を通して事業の持続的成長を支援することにより、企業価値の向上と顧客や社会への貢献を進めて参ります。上席執行役員法務部長 兼 総務部、知的財産部、コンプライアンス、危機管理 担当松枝 哲也INTELLECTUAL PROPERTY REPORT 2021知的財産活動の方向性 | 知財力強化の取り組み | ガバナンス | 特集 | データセクション2知的財産活動の方向性❚ 知的財産の活用ため、同戦略とともに、質向上のための戦略と施策、人財近年のデジタル化の加速的進展によりモノ売りビジネス育成のための戦略と施策を展開しており、知的財産の資産から、ソリューションビジネス・ITサービスへの事業転換価値の向上、同戦略の実効性向上にむけて知財プロの育成が急務とされている中、その実現にはイノベーションの創に努めています。当社は、2020年度に策定した新たな中出が不可欠です。当社はイノベーション創出に単独で取り期経営計画「DX2022」において、独自の「画像IoTプ組むだけでなく、M&Aやオープンイノベーションも積極的ラットフォーム」を核としたデジタルトランスフォーメーに活用し、技術やノウハウ等の知的財産をはじめとする無ション(DX)を通じて事業ポートフォリオの転換を図っ形資産を獲得しています。ています。この状況を踏まえ、知的財産戦略2017-2022当社は、これら無形資産の効果的な活用を通じて事業転をベースとして、画像IoT知財ジャンルトップ戦略を新機軸として立ち上げ、業容転換の核となる画像IoTプラットフォームビジネスを知的財産面からサポートしています。❚ 事業フェーズに応じた取り組み当社は、各事業における事業フェーズに沿って知的財産活動を行っています。 戦略的新規事業では、市場創造・参入を着実に進めるべく、顧客価値を起点とした知的財産の創出、関連するデータ・ノウハウの保護に注力し、コア事業では、事業の持続的成長・収益化の柱となる技術を保護することにより競争優位性の確保に努めています。 安定収益事業・低収益事業では、事業環境に応じて知財投資効率を最適化する知財ROI管理を行うことにより、収益力及び競争力の維持・向上の実現に取り組んでいます。換を加速し、事業利益の拡大のみならず、様々な社会課題に向けたソリューション提供を実現します。❚ 知的財産戦略知的財産は経営資源の一つであり、事業戦略、技術戦略と結びついた知的財産戦略は経営において不可欠な要素です。当社では、先の中期経営計画「SHINKA 2019」の策定とともに、各事業を知的財産で支えるため、知的財産戦知的財産方針DX2022知的財産方針画像IoT知財ジャンルトップ戦略の強化収益性事業の持続的成長・収益化のコアとなる技術やビジネスの保護による競争優位性確保■知的財産戦略2017-2022知財ジャンルトップ戦略/知財ミックス/知財情報分析強化■質向上のための戦略と施策■人財育成のための戦略と施策顧客価値を起点とした知財創出による市場創造・参入知財ROI管理による知財投資効率の最適化略2017-2022を策定しました。知的財産戦略2017-2022では、基本特許の獲得と独自技術を囲い込む特許網構築、ビジネスモデルノウハウ・データの知的財産戦略への組み込みと活用などに取り組み、さらに、事業や知的財産に関する環境変化に応じて毎年アップデートを行ってきました。中期経営計画SHINKA 2019中期経営計画DX2022画像IoTプラットフォームデジタルワークプレイス事業(DW)プロフェッショナルプリント事業(PP)ヘルスケア事業(HC)インダストリー事業 (Ind)戦略的新規事業コア事業マネタイズによる投資回収安定収益事業低収益事業事業フェーズまた、知的財産戦略2017-2022を着実に実行していく図1. 知的財産戦略の変遷図2. 事業フェーズと知的財産活動での取り組みINTELLECTUAL PROPERTY REPORT 2021知的財産活動の方向性 | 知財力強化の取り組み | ガバナンス | 特集 | データセクション知財力強化の取り組み知財ジャンルトップ戦略❚ 画像IoT知財ジャンルトップ戦略創出されるソリューションについては、特許の取得やノウ当社の新たな中期経営計画DX2022を支えるため「画像ハウ管理などの活用により多面的に保護し、また、データIoT知財ジャンルトップ戦略」を推進しています。同戦略そのものにおいても、価値ある情報資産として利活用できは、「画像IoT技術」と当社のDNAである「見える化技る環境作りに取り組んでいます。このようにして当社が強術」に、「知財ミックス」を掛け合せることで知財ジャンみとする技術領域において、知的財産による多面的・多層ルトップを確立させる戦略です。事業・知財環境を見極め、的な障壁を築くことにより、その領域でのトップを狙ってジャンルトップを狙える領域を特定し、収益の要となるいきます。デバイス(センサー)、②AIとソリューションの組合せ、③おいては、グローバルで特許ポートフォリオ強化を図り、ビジネスモデルを特許で守るとともにサービスの源泉とな知財ジャンルトップを築きました。この特許ポートフォリるノウハウ及びデータ等を保護することにより、パートオの構築により、自動品質最適化機能を搭載した製品の対ナーとの共創を促進、事業への貢献を目指しています。象市場でトップクラスのシェア獲得、及び、高い利益率のエッジデバイス(センサー)や、Imaging AIを通じて取得し確保に貢献しています。たデータに当社独自の見える化技術を適用することにより画像IoT技術見える化技術知財ミックスアウトプットEdge Device(Sensor Device) Imaging AIIoT Platform当社が目指す顧客価値・特定応用分野=「みえる」の特定・細分化知的財産権による防御ノウハウ秘匿による防御パートナーとのデータ創出と利用契約① エッジデバイス(センサー)は特許権で保護② AIはノウハウとして秘匿し、AIと組合せたソリューションは特許権で保護③ ビジネスモデルは特許権で、保護サービスの源泉となるデータは契約等活用しパートナーとの共創環境構築図3. 画像IoT知財ジャンルトップ戦略概略図32.01.51.00.5IQ-501製品発表2.01.51.00.50.020152016201720182019西暦出願件数(2015年を1とした指数):左軸日米欧の出荷台数シェア(2015年を1とした指数):右軸Source: IDC Worldwide HCP Tracker 2021Q2 (Share by Company)特許ポートフォリオの強化(国内外の出願件数推移)IQ-501↓当社図5. 自動品質最適化機能に関する権利者スコアマップ※株式会社パテント・リザルトの特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて当社にて作成しました。円の大きさが各社の特許件数を、横軸が最もパテントスコアの高い特許の評価値、縦軸が特許群全体の評価値を示します。「いかに顧客への価値を提供するか」に影響する①エッジ2017年夏に発売した自動品質最適化ユニットIQ-501に図4. 自動品質最適化ユニットIQ-501のINTELLECTUAL PROPERTY REPORT 2021知的財産活動の方向性 | 知財力強化の取り組み | ガバナンス | 特集 | データセクション4❚ グループ会社への知的財産活動支援知的財産等の無形資産が企業競争力の源泉として一層の注目を集める中、知的財産に起因する事業機会の逸失や重大リスクの発生がないように、国内外の開発拠点における知的財産の権利化・クリアランス(第三者の知的財産権を侵害していないか確認するための調査)の体制整備を進めています。知的財産部門においては、各拠点の事業環境、開発の対象・知的財産活動を支える体制❚ 知的財産マネジメント体制当社では代表執行役社長による経営判断のもと、知的財産を担当する役員がグループの知的財産マネジメントを推進する責務を担います。知的財産を担当する役員は経営基幹会議の定席メンバーとして参加し、知的財産方針を含むグループ全体の経営重要事項について審議します。経営戦略に基づく知的財産方針は、知的財産部門と各事業部門へ共有され、各事業における市場環境や商流等を考慮して効果的な単位で知的財産戦略を構築し、密に連携しながらスピードなどは多種多様であることに鑑み、各拠点に対して戦略の推進・実行を図ります。知的財産部門は「各事業部細やかなヒアリングを行い、それぞれに適応した権利化・ク門における知的財産戦略策定・実行、特許等の出願・権利リアランス体制を提案し、その構築をサポートしています。化」と「全社横断的な知的財産戦略推進、知的財産リスクこれらの支援を通じて各拠点における権利化・クリアランスマネジメント」の機能別に組織を編成し、それぞれ事業部の確実な実施を推進することにより、グループ会社一丸と門や企画管理部門と連携し効果的に知的財産戦略を実行でなった知財資産の形成、侵害リスクの回避を実現し、企業競きる組織を構築しています。争力の向上・企業収益の拡大へと繋げています。報告・提案選解任代表執行役社長執行役,執行役員 (事業部門/部門子会社)経営基幹会議職務分掌内部統制を所管する執行役,執行役員,部門株主総会取締役会選解任報告・提案各事業部門、各企画管理部門(経営戦略・管理など)経営戦略に基づく技術強化とイノベーション創出、目標の設定・実行・進捗管理連携経営戦略に基づくグループ知的財産方針の策定・推進・各部門の知財機能の統括管理対話・情報開示知財情報開示ステークホルダー(お客様・従業員・お取引先・株主・投資家など)法務・知財を担当する役員知的財産に関する現場での意思決定戦略の推進・実行報告・提案知的財産部門方針伝達各事業部門における知的財産戦略策定・実行、特許等の出願・権利化❚ イノベーション創出のマネジメント体制事業環境変化のスピードが高まる近年、企業が持続的に成長するために、時代の変化に即した新規領域の事業開拓が不可欠となっていますが、新規領域でのイノベーション創出には既存事業と比較して多くの非効率性・不確実性を伴います。当社では新規領域でのイノベーション創出をより効率的に実施するための仕組みとして事業のステージ毎に独自技術やビジネスモデルを仮説検証するイノベーション創出マネジメント体制を構築しています。そして、仮説検証の中で知財情報を用いた経営判断を実施しています。知財情報を用いた仮説検証の例としては、新規領域における他社特許ポートフォリオを分析することで、技術的な動向や競合・アライアンス関図6. 知的財産マネジメント体制概略図げられます。全社横断的な知的財産戦略推進、知的財産リスクマネジメント係、自社のポジションを把握し、ビジネスモデルの独自性や、事業の拡張可能性・持続性の確からしさを検証することが挙INTELLECTUAL PROPERTY REPORT 2021知的財産活動の方向性 | 知財力強化の取り組み | ガバナンス | 特集 | データセクション5社会課題の解決に寄与する知的財産SDGsの目標8SDGsの目標9グローバリゼーションによる世界経済の発展が進むなかで地球環境問題に代表される社会課題は多様化・複雑化しており、その解決には高度なイノベーションが必要とされています。当社は、絶え間ないイノベーションによ200020042008201220162020西暦5.04.03.02.01.00.0り新たな顧客価値を創出し、その過程で得られた技術やノウハウ等の知的財産を活用することによって、競争優位性の維持・強化を図るとともに、当社が取組む「5つのマテリアリティ」の追求を通じた社会課題の解決を目指しています。※分類には、SDGs169のターゲット定義文を用いてIPC(特許分類)とキーワードを組合せた検索式を使用。図7. SDGsの目標8及び目標9に紐づく当社の日本特許の登録件数推移(2000年を1とした指数)将来的な社会課題の解決に貢献❚ 特許から見る当社の社会課題の解決力プレイス事業とプロフェッショナルプリント事業における当社は、顧客接点、技術、人財をはじめとする無形資産ソリューションの競争力維持・強化に貢献しています。こを活用して、様々な社会課題の解決に取り組んでいます。れら特許資産は、価値創造プロセスに組み込まれ、当社の技術に内包される知的財産についてはその一部は特許出願5つのマテリアリティを軸とした事業活動の推進力となり、され、公開されることから、社会課題解決への取り組み状将来的な社会課題の解決に寄与しています。況の一端は、開示されている特許情報から可視化することができます。持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable ❚ 環境問題解決への取り組みDevelopment Goals)で規定される169のターゲット定義当社は知的財産領域におけるSDGsへの取り組みの一環文に基づいてSDGsの目標に紐づく当社の日本登録特許をとして、国連の世界知的所有権機関(WIPO)が運営する特定すると、2000年以降その登録件数は増加の傾向にあ環境技術の活用を促進するためのプラットフォームであるり、特にSDGsの目標8(働きがいも経済成長も)や目標9「WIPO GREEN」にパートナー企業として2019年度に参(産業と技術革新の基盤をつくろう)に対応する技術を数画しました。2020年度は安全性向上や長寿命化の次世代多く蓄積してきました。当社が2020年に保有していた日技術として注目を集める「全固体アルカリ金属二次電池に本登録特許ポートフォリオにおいては44%がSDGsの目標関する特許群」と、高い発熱効率によって大きな省エネルに紐づく特許群であり、そのうち42%がSDGsの目標8に分ギー効果を実現する「面状発熱体に関する特許群」等、20類されます。大部分が当社のマテリアリティ「働きがい向を超える環境技術特許を追加登録しました。これら特許群上及び企業活性化」の課題解決を支援する自動化、ユーの開放によって地球規模の緊急課題である環境問題の解決働きがい向上および企業活性化健康で高い生活の質の実現社会における安全・安心確保気候変動への対応有限な資源の有効利用事業活動無形資産(特許権)天然資源の管理・利用という観点の特許群他12%非感染症疾患の予防・治療という観点、医療分野における教育・人事労務マネジメントという観点の特許群8%11%15%44%2020年に保有していた日本登録特許ポートフォリオ42%19%生産性向上という観点、環境に配慮した製造プロセスという観点、資源利用効率・クリーン技術という観点、社会福祉・介護という観点の特許群働きがいを推進するための策の1つである自動化、ユーザービリティという観点の特許群<2019年度>色素増感太陽電池、太陽熱発電用フィルムミラー<2020年度>二次電池、面状発熱体ザービリティという観点の特許群であり、デジタルワークに向けたグリーンイノベーション創出を支援していきます。図8. SDGsの17の目標別構成比INTELLECTUAL PROPERTY REPORT 2021知的財産活動の方向性 | 知財力強化の取り組み | ガバナンス | 特集 | データセクション6戦略を支える知財業務のDX当社は、「イメージング」技術をはじめとする無形資産を基盤として、デジタルの力で事業を変革すること(デジタルトランスフォーメーション:DX)によって、高付加価値サービスを主体としたビジネスモデルへの業容転換を図り、企業としての成長と社会課題の解決の両立に取組んでいます。知財業務においても、各事業の競争優位性の確立と、持続的な成長につなげるべく、データとデジタル技術を活用することで知財業務・プロセスの変革を推進しています。❚ DX推進のビジョン知財業務・プロセスのDXの取り組みにおける目指す姿として、「知的財産戦略の高度化・実効性向上」と「知的財産権の質向上」の2つのビジョンを掲げています。2020年度は、知的財産戦略の高度化・実効性向上に向けた取り組みとして、知的財産部門のオペレーショナル業務や情報収集の自動化を進め、業務環境の整備を推進してきました。これにより知的財産部門においては、事業収益性向上に寄与する付加価値業務(知的財産権の質の向上、重要知的財産の権利化、知財ソリューションの提供等)へのシフトが加速しています。知的財産部門のDX推進の取り組みで蓄積した知見は、他の部門における知財関連業務・プロセスにも展開・適用❚ 取り組み事例<オペレーショナル業務の自動化>特許出願ワークフローの一部にRPA (Robotic ProcessAutomation)を導入し、知的財産部門のオペレーショナル業務において、年間200時間以上に相当する工数の削減上向の性効実・化度高の略戦財知上向質の権産財的知組織間連携強化AI活用業務環境整備・オペレーショナル業務の自動化・情報収集の自動化知財業務の見える化知財業務・プロセスの変革しています。2020年度の進捗状況事業収益貢献への寄与度向上図9. DX推進方針を実現しました。<情報収集の自動化>IPランドスケープを駆使した知的財産戦略の構築にあたっては、競合他社や関連市場を調査・研究することも必要であると考えています。そのため、知財情報はもちろんのこと、新製品情報や市場トレンドといった一般情報の確認が不可欠です。知財情報についてはITツールを活用することによって、必要な情報を自動的に収集するシステムを開発しました。一般情報についてはweb情報の収集・選定にRPAを活用することで、膨大な量の情報から有用なものだけを自動的かつタイムリーに収集する仕組みを構築しました。必要な情報が簡単に即時に確認できるようになったことで、これら情報を用いた知的財産戦略の構築に、より多くのリソースを充てることが可能となり、知的財産戦略の高度化が進みました。<知財費用管理の高精度化>知財費用については、長年、精度の高い予実管理は困難であるという課題を抱えていました。特許や商標では出願時、権利化対応時、権利維持費用支払時等のタイミングで費用が発生しますが、取り扱う件数が多く、また案件毎にそれらのタイミングが異なるためです。そこで当社は出願から権利満了までの経緯データの統計的な分析結果を活用して、年度での知財予算を算出するシステムや、四半期単位で費用発生タイミングを予測するシステムの開発を行い、費用の予測精度を向上させました。また、リアルタイムに費用実績を集計・確認できるシステムも構築し、これら一連のシステムを組み合わせて四半期毎の精度の高い予実管理を実現しました。INTELLECTUAL PROPERTY REPORT 2021知的財産活動の方向性 | 知財力強化の取り組み | ガバナンス | 特集 | データセクション_75年間の主要データ(百万円)(年度) 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度売上高1,031,2561,059,120962,555863,381996,101営業利益研究開発費特許保有件数特許取得件数国内国外国内国外審査請求率特許査定率日本企業中順位※122米国特許取得件数日本企業中順位※21950,13573,27521,61113,1688,4432,1181,38073876.7%84.0%53,84477,02121,27612,9268,3502,2691,473127962448.2%83.0%62,44478,39520,23511,6788,5572,0531,183228702179.3%81.1%8,21174,04020,45311,7578,6962,1981,226199722464.5%83.0%-16,26665,03419,81411,0838,7311,8501,234116162282.0%76.4%※1 特許庁発行の「特許行政年次報告書 2021 年度版」の情報に基づく特許取得数の順位。※2 Intellectual Property Owners Association(Top 300 Patent Owners)の情報から推定した順位。・IFRS基準・特許取得件数:国内=日本特許、国外=米国,中国特許・保有件数:国内=日本特許、国外=米国,中国特許・審査請求率=審査請求件数/審査請求期限日が年度中にある案件数・特許査定率=特許査定件数/(特許査定件数+拒絶査定件数+ファーストアクション後の取下げ・放棄件数)1.51.00.50.0-0.52016年度2017年度2018年度2019年度2020年度売上高営業利益研究開発費特許保有件数・売上高、営業利益、研究開発費は2016年度を1とした指数(左軸)・特許保有件数は国内及び国外特許保有件数を合計し、2016年度を1とした指数(右軸)図10. 主要データの推移中期経営計画に基づいた各事業計画に連動して、質の高い特許ポートフォリオの構築に努めています。保有する日本特許権について、2020年度は、約1200件を新たにポートフォリオに組み入れ、約1900件の維持を中止することにより、各事業計画に連動したポートフォリオの構成の見直しを進めました。その結果、2020年度は前年に比べ日本特許保有件数は減少しています。売上の約80%が海外となっている当社にとっては海外の知的財産権の取得が非常に重要です。日本と同様に海外の特許についても事業計画に応じたポートフォリオの形成に努め、厳選した日本出願から、さらに重要な発明を選び、米国、中国等に特許出願し、ワールドワイドでの特許保有件数を増加させています。各事業のフェーズや技術領域に応じて、最適な特許ポートフォリオを構築するために、出願及び権利化する案件の厳選も継続して進めております。審査係属中の出願の再評価・厳選を行った結果、2020年度の特許査定率は前年度から若干低下し、76.4%となりました。しかしながら、保有している特許の質を評価する指標の1つであるパテントスコアの平均は2019年度に対して+1.1%向上しており、出願・権利化案件の厳選が質の高いポートフォリオの構築につながっています。引き続き、ポートフォリオの最適化により、知財投資効率を高め、事業への貢献度を高めていきます。1.00.90.80.70.60.550.650.450.250.049.849.649.483.0%49.850.476.4%100%90%80%70%60%50%2019年度2020年度平均パテントスコア(左軸)特許査定率(右軸)図11. 当社の特許ポートフォリオのパテントスコア前年対比INTELLECTUAL PROPERTY REPORT 2021知的財産活動の方向性 | 知財力強化の取り組み | ガバナンス | 特集 | データセクション_8データハイライト❚ 知財ポートフォリオ転換❚ 投資効率の高い知財ポートフォリオ当社のオフィス事業に続く柱となる事業を確立すべく、事業ポートフォリオ転換を当社では、事業ポートフォリオの転換に対応した知財ポートフォリオが質の高い特進めている中、対応する知財ポートフォリオの転換に向けた知財投資を実行していま許で構成されるよう、投資効率を高める取り組みを行っています。この取り組みが適す。2019年度までの各年度における特許出願の事業別構成比率において、収益力強化切に機能しているかは例えば、他社特許の審査において引用された特許(被引用特許)が期待されているプロフェッショナルプリント事業、画像診断を中心とするヘルスケを分析することにより確認できます。被引用特許は、技術としての先行性があり、他ア事業は拡大傾向にあります。インダストリー事業では、データやノウハウとして秘社の関心度が高いと考えられます。被引用されうる特許の総数は特許出願を行うこと匿すべき生産技術や生産設備そのもの、顧客要望への迅速な対応力等、様々な無形資により年々増加しますが、質の低い特許権の放棄や権利満了等により、被引用されう産がその競争優位の源泉となっており、特許は厳選されたコア技術を中心に出願するる特許に対する生存特許の割合は減少傾向を示します。一方、当社では、全被引用特戦略に移行しています。この結果、インダストリー事業では高い投資効率で質の高い許に対する生存している被引用特許の割合は、ほぼ一定を保っています。これは、先特許ポートフォリオが形成されています。このように知的財産面から事業ポートフォ行性あるもしくは他社に魅力ある発明を見極めて出願、維持する取り組みにより、生存特許のうちの質の高い特許の割合が高く維持され続けていることを示しています。図15は2015-2018年に出願日を有する当社特許のうち、2020年度に他社特許の審Ind査で引用された特許の事業部門別の比率を示しています。このデータからもインダストリー事業において質の高い特許ポートフォリオが形成されていることがわかります。リオ転換をサポートしています。100%5%6%29%26%10%12%29%33%6%23%11%34%5%15%12%42%90%80%70%60%50%40%30%20%10%0%】%【率益利均平度年0202-810214%12%10%8%6%4%2%0%-2%27%24%27%26%その他HCDWPP1.21.110.90.80.70.62016年度 2017年度 2018年度 2019年度0.951.001.051.10DWPPHCInd その他日本パテントスコア平均(DWを1とした指数)図12. 事業別特許出願構成比図13. パテントスコア ※2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020西暦生存被引用件数/全被引用件数 (2012年を1とする指数)生存公開特許数/累積公開特許件数 (2012年を1とする指数)※. 株式会社パテント・リザルトの特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて当社にて作成しました。円の大きさがの特許件数を、横軸がパテントスコアの平均値を、縦軸が2018-2020年度の平均営業利益率を示しています。図14. 知財投資効率の推移の一例図15. 被引用件数の事業別構成比(a)(b)その他17%DW9%2020年度被引用構成比出願年が2015-2018案件の累計PP16%HC14%Ind44%INTELLECTUAL PROPERTY REPORT 2021知的財産活動の方向性 | 知財力強化の取り組み | ガバナンス | 特集 | データセクション_9データハイライト❚ 意匠・商標❚ 外部評価当社は、社名「KONICA MINOLTA」及びシンボルマークについて、約180カ国にお2020年度地方発明表彰(公益社団法人発明協会主催※1)において、当社の特許権4いて商標の出願・権利化を行っています。ブランドイメージの維持・向上のために、商件が発明奨励賞を受賞しました。品やサービスの名称についても戦略的に商標権を取得しております。2020年度には、当社独自の画像技術と最新のIoT・AI技術を組み合わせて実現した画像IoTプラットフォームのブランドとして「FORXAI(フォーサイ)」を立ち上げました。「先見性:2020年度 関東地方発明表彰受賞発明名称特許番号発明奨励賞 両面に形成された画像の位置を監視する画像読取装置 特許第6547647号Foresight」と「AIを社会のために:For X AI」という2つの思いを込めたこのブラン発明奨励賞 画像形成装置に用いられる中間転写体特許第4577362号ドを守り育てていくため、国内外において商標出願・権利化を進めております。2020年度末におけるワールドワイドでの当社商標権保有件数は約2,800 件となっています。発明奨励賞 高速高画質印刷を実現するインクジェットインク特許第4556414号発明奨励賞 ニオイ可視化装置特許第6508440号※1. 公益社団法人発明協会「令和2年度関東地方発明表彰受賞者一覧」http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R2/jusho_kanto/また、知的財産の価値を表す外部評価として、株式会社パテント・リザルトが「他社牽制力ランキング※2」を公表しておりますが、同ランキング 2020 年版において、当社は精密機器業界で 4 位となり、2013 年以降トップ 5 を維持しています。※2. 株式会社パテント・リザルト「他社抑制力ランキング2020」https://www.patentresult.co.jp/news/2021/08/fcitpre.htmlまた、デザイン※に関しては、ブランド構築の重要な手段として創作に努めており、2020年度は介護施設コミュニケーションサービスの「HitomeQ コネクト」や複合機など6製品がデザインを評価され、国内外で賞を受賞しました。カラープロダクション社会課題の解決に向けた知財投資に関する外部評価としては、一般財団法人日本特プリンター「AccurioPress C14000 / C12000」は、公益財団法人日本デザイン振興許情報機構(Japio)によるSDGs技術企業ランキング※3において「8 働きがいも 経済会主催の「グッドデザイン賞」、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン・デザイ成長も」で5位と高い評価を獲得しています。※3. 一般財団法人日本特許情報機構によるSDGs企業ランキング(日本))https://transtool.japio.or.jp/work/show_sdg.php?mode=prev_yearンセンター主催の「Red Dot Design Award」、ドイツの iF International Forum Design GmbH が運営する「iF Design Award」を受賞し、印刷事業拡大への意欲を高めるフラッグシップ機に相応しいデザインが高く評価されています。2020年度末におけるワールドワイドでの当社意匠権保有件数は約530件となっています。※ コニカミノルタのデザインhttps://www.konicaminolta.com/jp-ja/design/index.htmlINTELLECTUAL PROPERTY REPORT 202110用語集⚫ オープンイノベーション:Open innovation⚫ 画像IoT技術:Imaging-IoT technologyイノベーションを起こすための知識や情報に対する企業内部と外画像データと各種センサー情報をディープラーニングなどのAI技術部の境界をなくし、アイディアを有機的に結合させて価値を創造を活用して解析し、さまざまな現場における意思決定や判断を支援すること。する技術。⚫ 知財ミックス: Intellectual Property Mix Strategy⚫ 自動品質最適化ユニットIQ-501:Intelligent Quality Optimizer-501知的財産(ノウハウ等)や知的財産権(特許権、意匠権、商標権印刷中の常時監視で色管理・表裏見当調整を自動化して調整時間を等)の強みを複合的かつ有機的に活用することで自社製品・サー大幅に短縮し、生産時間を改善するオプションユニット。ビスを多面的に保護する知的財産戦略。⚫ ビジネスセグメント:Business segmentビジネスセグメント●分野・ユニットにより評価。デジタルワークプレイス(DW)・オフィス(OP)・ITサービス・ソリューション、ワークプレイスハブ(DW-DX)プロフェッショナルプリント(PP)・プロダクションプリント(PP)・産業印刷(IP)・マーケティングサービス(MS)ヘルスケア(HC)・ヘルスケア(HC)・プレシジョンメディシン(APM)⚫ パテントスコア:Patent score特許出願後の審査経過情報をもとに、 個別特許の注目度をスコアリング評価する指標。株式会社パテント・リザルト「Biz Cruncher」⚫ 出願・権利化:Application ・ Acquisition of right知的財産(発明・デザインなど)を特許庁に出願することで知的財産権(特許権・意匠権など)とすること。特許要件や審査基準を満たしつつ、自社実施可能性・他社回避困難性など効果的な権利範囲で権利を取得することが重要となる。●材料コンポーネント(M&C)・機能材料(PM)・インクジェットコンポーネント(IJ)・光学コンポーネント(OC)●センシング(SE)・計測機器(MI)インダストリー(Ind)⚫ 特許の質:Patent quality特許の価値(特許が企業収益性にどの程度貢献しているか)とは別に、特許の他社への影響度(他社にとって回避困難性が高く使用せざるを得ないものか、事業参入を諦めざるを得ないものか等)を示●画像IoTソリューション(IIS)・画像IoTソリューション(IIS)・映像ソリューション(VS)すもの。

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